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2.お世話のあとはお散歩
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「おはよう。今日も元気?」
「ヒヒーン!」
「そっか。良かった。じゃあ、今からブラシをかけてあげるからね」
僕は馬小屋に置いてあるブラシを持ってきて、木の箱を馬の近くまで引きずってくる。
この子とも仲良しだから、蹴られたことは一度もない。
だから、怖くないし気持ちよさそうにしてくれるから僕も嬉しいんだ。
「よしよし……はい、これでおしまい!」
一通りブラシをかけ終わると、馬は僕にお礼を言うようにブルルっと鳴いた。
今日もうまくできたみたいだ。
「ピー」
「うん。あとはあの子が終われば大丈夫。もう少し待っててね」
同じようにブラシをかけたら、馬小屋でのお手伝いはおしまい。
このあとは村長さんたちのご飯の後片付け。
片づけたら僕もご飯を食べる。
今日は近くの森を散歩しながらご飯を食べようかなぁ?
+++
「ふぅ。やっと終わったー。ポイお待たせ」
「ピピっ!」
「うん。お散歩に行こう! パンといつもの豆をもらってきたよ。一緒に食べよう」
僕が笑いかけると、ポイはくるりと僕の周りを飛んでから肩にとまる。
村長さんの家を出て、ポイと一緒に近くの森へ向かう。
お昼も過ぎたころだから、お家にいる人も外で畑仕事をしてる人もいる。
僕は挨拶をするんだけど、みんな忙しいみたいで気づかない。
アンカ君たちもどこかに行っちゃったみたいだしなぁ。
村の中を進んでいくと、すぐに森が見えてくる。
「今日はお散歩にぴったりで良かったね」
「ピ!」
「ポイもそう思う? ほら、もうすぐいつもの森だよ」
ポイが嬉しそうに僕の周りを飛び回る。
何度か泣きながらふわふわと飛んでるから、ポイもご機嫌なんだろうな。
僕もお散歩は好きだ。
お手伝いを頑張ったからパンも二つもらえた。
ポイにも分けてあげられそうだからどこかで座って食べようと思ってたんだけど……どこがいいかなぁ?
「今日はそこの木に寄りかかって食べようか?」
ポイに笑いかけると、ポイも僕の肩に止まっておとなしくご飯を待つみたい。
僕の背よりも大きな木に駆け寄ってすぐに腰を下ろす。
僕もお腹空いちゃったし、持っていたかごからパンを取り出した。
はんぶんこにしてから少し中を摘まんで細かくする。
ポイが嬉しそうに僕の手のひらに降りてきた。
「くすぐったいよ、もう」
ポイは僕の手をつついてパンくずを食べ始めた。
僕も固めのパンを一口かじる。
かじりながら豆の入った袋も出すと、ポイがすぐに袋を覗いて豆をつつく。
「美味しい?」
「……ピッ!」
ポイが美味しいから邪魔しないでっていう顔をしている気がして、フフっと笑う。
ミルクも持ってくれば良かったなと思ってもう一口パンをかじった。
もぐもぐしていると、村の方から何か悲鳴のような声が聞こえた気がした。
「え……? 何?」
ビックリして立ち上がる。
村の方へ振り返ると、また大きな声が聞こえてきた。
残っていたパンを口の中に詰め込む。
かごを拾い上げて走り始めると、ポイも後ろから慌てて飛んでついてくるのが分かる。
怖くなって、村に戻ろうと必死に走る。
きっと村で何かあったんだ。
「ヒヒーン!」
「そっか。良かった。じゃあ、今からブラシをかけてあげるからね」
僕は馬小屋に置いてあるブラシを持ってきて、木の箱を馬の近くまで引きずってくる。
この子とも仲良しだから、蹴られたことは一度もない。
だから、怖くないし気持ちよさそうにしてくれるから僕も嬉しいんだ。
「よしよし……はい、これでおしまい!」
一通りブラシをかけ終わると、馬は僕にお礼を言うようにブルルっと鳴いた。
今日もうまくできたみたいだ。
「ピー」
「うん。あとはあの子が終われば大丈夫。もう少し待っててね」
同じようにブラシをかけたら、馬小屋でのお手伝いはおしまい。
このあとは村長さんたちのご飯の後片付け。
片づけたら僕もご飯を食べる。
今日は近くの森を散歩しながらご飯を食べようかなぁ?
+++
「ふぅ。やっと終わったー。ポイお待たせ」
「ピピっ!」
「うん。お散歩に行こう! パンといつもの豆をもらってきたよ。一緒に食べよう」
僕が笑いかけると、ポイはくるりと僕の周りを飛んでから肩にとまる。
村長さんの家を出て、ポイと一緒に近くの森へ向かう。
お昼も過ぎたころだから、お家にいる人も外で畑仕事をしてる人もいる。
僕は挨拶をするんだけど、みんな忙しいみたいで気づかない。
アンカ君たちもどこかに行っちゃったみたいだしなぁ。
村の中を進んでいくと、すぐに森が見えてくる。
「今日はお散歩にぴったりで良かったね」
「ピ!」
「ポイもそう思う? ほら、もうすぐいつもの森だよ」
ポイが嬉しそうに僕の周りを飛び回る。
何度か泣きながらふわふわと飛んでるから、ポイもご機嫌なんだろうな。
僕もお散歩は好きだ。
お手伝いを頑張ったからパンも二つもらえた。
ポイにも分けてあげられそうだからどこかで座って食べようと思ってたんだけど……どこがいいかなぁ?
「今日はそこの木に寄りかかって食べようか?」
ポイに笑いかけると、ポイも僕の肩に止まっておとなしくご飯を待つみたい。
僕の背よりも大きな木に駆け寄ってすぐに腰を下ろす。
僕もお腹空いちゃったし、持っていたかごからパンを取り出した。
はんぶんこにしてから少し中を摘まんで細かくする。
ポイが嬉しそうに僕の手のひらに降りてきた。
「くすぐったいよ、もう」
ポイは僕の手をつついてパンくずを食べ始めた。
僕も固めのパンを一口かじる。
かじりながら豆の入った袋も出すと、ポイがすぐに袋を覗いて豆をつつく。
「美味しい?」
「……ピッ!」
ポイが美味しいから邪魔しないでっていう顔をしている気がして、フフっと笑う。
ミルクも持ってくれば良かったなと思ってもう一口パンをかじった。
もぐもぐしていると、村の方から何か悲鳴のような声が聞こえた気がした。
「え……? 何?」
ビックリして立ち上がる。
村の方へ振り返ると、また大きな声が聞こえてきた。
残っていたパンを口の中に詰め込む。
かごを拾い上げて走り始めると、ポイも後ろから慌てて飛んでついてくるのが分かる。
怖くなって、村に戻ろうと必死に走る。
きっと村で何かあったんだ。
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