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第七章 心を焦がすモノ
影は踊る※<番外編>
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「さすがリュー。反応が早い」
「くだらないことを言う前にしっかりと立て」
「……歩くの面倒だから、リューが連れていってくれないか?」
「……この場に投げ捨てるぞ」
口ではそういうのに、その手は僕をしっかりと支えているままだ。
僕は嬉しくなってリューの首に両腕を回すとそのまま唇を奪う。
不意打ちに少し反応が遅れたリューだが、僕の身体を支えていないと僕が倒れることを危惧してかそのまま止まっている。
「ん――」
「何、して――」
なんやかんや僕を見捨てられない優しさにつけ込んで、何度も唇を合わせる。
貪るように合わさる唇をどうしたものかと、リューの眉だけが表情を伝えてくる。
「ぁ、ん……っ、ん――」
「――の、いい加減に……」
拒否の意を込めて、舌を無理やり中へと差し込んだ。
それでもリューは僕を離さず支えてくれる。
吐息で笑って、腕が疲れないようにとテーブルの上へと身体を倒れ込ませる。
するとリューが腕を抜いて離れようとするので、もっと力を込めて自分の方へと引き寄せた。
「……っ」
「……だぁめ。僕がいいって言うまで、続けてくれないと」
「やはり、酔ってるだろう?」
「フフ。気分がいいからな。そうかもしれない」
艷やかに笑んで見せると、リューは長く息を吐き出し僕を睨みつけた。
しかし拒絶の意はそこまで現れていない。
分かりづらいが、我儘が通る程度だと僕は思う。
(ホント、甘いな。そんなところも好みだけれど――)
僕は遠慮なくリューの腔内を蹂躙する。
リューも仕方なくといった具合で好きなようにさせてくれるが、僕が舌で強請ると諦めたのか僕の舌に自身の舌を律儀に絡ませてきた。
ちゅぷ……と、時折小さな水音がして、僕の耳も楽しませてくれる。
暫くの間、キスだけを堪能して。僕はたっぷりと満足してから唇をそっと離した。
先程よりかは荒い吐息を漏らしたリューが、これでいいだろうと言わんばかりに今度こそ身体を離そうとしたので、少しだけ力を緩めて目線で椅子に座れ、と指した。
短く息を逃したリューは、一旦僕が先程まで座っていた椅子に腰掛ける。
「……まだ、続けるつもりか?」
「だって……まだキスしかしてないだろう? リューだってそんなこと言いながら、顔、赤くなってきてる」
僕は身体を起こしてから、両手を伸ばしてリューの頬をゆるゆると擦る。
拒否はしないが、顔は嫌そうだ。
それでも払ったりはしない。
絆されているのか、僕が求めると全面的に拒否はしてこない。
それも時と場合にはよるのだが……今は大丈夫そうだ。
「ねぇ、リュー。今日はどうしようか?」
「好きにすればいいだろう? するならさっさと終わらせてくれないか」
「全く、もうちょっと情緒を持って欲しいところだが、仕方ないか。外でする?」
「何でもいい」
冷たく言い放つリューの身体は普段は冷たいのに、今は少し温かい。
それが僕のせいだと思うと余計に愉しくなる。
僕は遠慮なくリューに甘えるように膝の上へと身体を乗せてお望み通りにリュー自身に手を伸ばし、服の中から取り出した。
「リューも少しは感じてたんだ?」
「さぁな。今日はお前がするのか」
「そんな気分だから。別に気にしないだろ?」
僕の言葉には返事はしないが、リューは座ったままで動かない。
僕はリュー自身を握り込んで丁寧に撫でていく。
「くだらないことを言う前にしっかりと立て」
「……歩くの面倒だから、リューが連れていってくれないか?」
「……この場に投げ捨てるぞ」
口ではそういうのに、その手は僕をしっかりと支えているままだ。
僕は嬉しくなってリューの首に両腕を回すとそのまま唇を奪う。
不意打ちに少し反応が遅れたリューだが、僕の身体を支えていないと僕が倒れることを危惧してかそのまま止まっている。
「ん――」
「何、して――」
なんやかんや僕を見捨てられない優しさにつけ込んで、何度も唇を合わせる。
貪るように合わさる唇をどうしたものかと、リューの眉だけが表情を伝えてくる。
「ぁ、ん……っ、ん――」
「――の、いい加減に……」
拒否の意を込めて、舌を無理やり中へと差し込んだ。
それでもリューは僕を離さず支えてくれる。
吐息で笑って、腕が疲れないようにとテーブルの上へと身体を倒れ込ませる。
するとリューが腕を抜いて離れようとするので、もっと力を込めて自分の方へと引き寄せた。
「……っ」
「……だぁめ。僕がいいって言うまで、続けてくれないと」
「やはり、酔ってるだろう?」
「フフ。気分がいいからな。そうかもしれない」
艷やかに笑んで見せると、リューは長く息を吐き出し僕を睨みつけた。
しかし拒絶の意はそこまで現れていない。
分かりづらいが、我儘が通る程度だと僕は思う。
(ホント、甘いな。そんなところも好みだけれど――)
僕は遠慮なくリューの腔内を蹂躙する。
リューも仕方なくといった具合で好きなようにさせてくれるが、僕が舌で強請ると諦めたのか僕の舌に自身の舌を律儀に絡ませてきた。
ちゅぷ……と、時折小さな水音がして、僕の耳も楽しませてくれる。
暫くの間、キスだけを堪能して。僕はたっぷりと満足してから唇をそっと離した。
先程よりかは荒い吐息を漏らしたリューが、これでいいだろうと言わんばかりに今度こそ身体を離そうとしたので、少しだけ力を緩めて目線で椅子に座れ、と指した。
短く息を逃したリューは、一旦僕が先程まで座っていた椅子に腰掛ける。
「……まだ、続けるつもりか?」
「だって……まだキスしかしてないだろう? リューだってそんなこと言いながら、顔、赤くなってきてる」
僕は身体を起こしてから、両手を伸ばしてリューの頬をゆるゆると擦る。
拒否はしないが、顔は嫌そうだ。
それでも払ったりはしない。
絆されているのか、僕が求めると全面的に拒否はしてこない。
それも時と場合にはよるのだが……今は大丈夫そうだ。
「ねぇ、リュー。今日はどうしようか?」
「好きにすればいいだろう? するならさっさと終わらせてくれないか」
「全く、もうちょっと情緒を持って欲しいところだが、仕方ないか。外でする?」
「何でもいい」
冷たく言い放つリューの身体は普段は冷たいのに、今は少し温かい。
それが僕のせいだと思うと余計に愉しくなる。
僕は遠慮なくリューに甘えるように膝の上へと身体を乗せてお望み通りにリュー自身に手を伸ばし、服の中から取り出した。
「リューも少しは感じてたんだ?」
「さぁな。今日はお前がするのか」
「そんな気分だから。別に気にしないだろ?」
僕の言葉には返事はしないが、リューは座ったままで動かない。
僕はリュー自身を握り込んで丁寧に撫でていく。
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