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第四章 レトロ喫茶は順風満帆?
29.とっきーを拾って、いざ出発!
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げんちゃんは俺が連絡してから、すぐに家の下まで迎えに来てくれた。
俺らの中で車を運転してくれるのは、いつもげんちゃんだ。
俺はペーパーだし、とっきーは原チャとママチャリは乗ってるけど車に乗ってるところを見たことがない。
げんちゃんはドライブも趣味の一つだから、運転も上手で安心して乗っていられる。
げんちゃんの車はハイブリッドのSUVで、悪路でも気楽に走れるのがいいらしい。
黒のボディの車は有名国産車メーカーの品薄の車だって言ってたから、げんちゃんが手に入れた時は嬉しそうにしてたっけ。
ウィンドウを下ろしたげんちゃんが、車内を覗き込んでいた俺を見て表情を和らげた。
「蒼樹、待たせた」
「全然待ってないし、むしろ早いくらい」
「それなら良かった。鷺羽はいつものところか?」
「うん。いつものコンビニで待機してるって」
げんちゃんと話してから、隣の助手席側へと回りドアを開いて車へ乗り込む。
俺たちが住んでいる場所はそこまで離れていない。
最寄り駅でいったら、最大でも三駅だ。
とっきーは実家に住んでいて、出かけるって言うと私も行きたいって妹さんが騒ぐらしい。
だから、げんちゃんに車で拾ってもらう時はいつも近所のコンビニで待ち合わせる。
俺は一人暮らしでアパートに住んでるけど、げんちゃんはいつも家の前まで迎えに来てくれるんだよな。
「三人で出かけるのっていつぶり?」
「最後に遠出したのは去年だったか。月一で会ってはいたが、近場で済ませることが多かったな」
「就職活動もあったし、二人とも忙しくしてたから」
「そうだったな」
運転しながら笑うげんちゃんの横顔を見ながら、俺も自然と笑っていた。
とっきーが待っているコンビニは、この信号を超えれば見えてくるはずだ。
「とっきーは……あ、いたいた」
げんちゃんは、コンビニの駐車スペースに車を停車させる。
俺が合図する前に、とっきーはげんちゃんの車に気づいて駆け寄ってきた。
「玄暉、早かったな」
「思っていたよりも道が空いていた。俺は目的地のことはさらっとしか聞いていないが大丈夫なのか?」
「心配すんなって。候補はしっかり見つけておいたからさ」
とっきーはニッと笑いながら、素早く後部座席に乗り込んできた。
俺は首だけで振り返って、とっきーに話しかける。
「レトロ喫茶、良いところ見つかったんだ?」
「商店街にあって、結構有名なレトロ喫茶らしい。近くにパーキングもあったからちょうど良いと思ってさ。店の電話番号を言うからナビに入力頼んだ!」
「了解。ちょっと待ってね」
とっきーはスマホの情報をスラスラと読み上げていく。
俺がその通りに打ち込んでいくと、店の名前が出てきた。
「喫茶イーストか。このお店であってる?」
「それそれ。生クリームたっぷりのフルーツサンドイッチとクリームソーダが有名なんだってさ。近くまで行ったらパーキングの場所を伝えるから運転よろしく!」
「了解した」
げんちゃんも頷いてから、コンビニをゆっくりと出発する。
どんなお店なのか、楽しみにするだけじゃなくってしっかりと見学しないとな。
俺らの中で車を運転してくれるのは、いつもげんちゃんだ。
俺はペーパーだし、とっきーは原チャとママチャリは乗ってるけど車に乗ってるところを見たことがない。
げんちゃんはドライブも趣味の一つだから、運転も上手で安心して乗っていられる。
げんちゃんの車はハイブリッドのSUVで、悪路でも気楽に走れるのがいいらしい。
黒のボディの車は有名国産車メーカーの品薄の車だって言ってたから、げんちゃんが手に入れた時は嬉しそうにしてたっけ。
ウィンドウを下ろしたげんちゃんが、車内を覗き込んでいた俺を見て表情を和らげた。
「蒼樹、待たせた」
「全然待ってないし、むしろ早いくらい」
「それなら良かった。鷺羽はいつものところか?」
「うん。いつものコンビニで待機してるって」
げんちゃんと話してから、隣の助手席側へと回りドアを開いて車へ乗り込む。
俺たちが住んでいる場所はそこまで離れていない。
最寄り駅でいったら、最大でも三駅だ。
とっきーは実家に住んでいて、出かけるって言うと私も行きたいって妹さんが騒ぐらしい。
だから、げんちゃんに車で拾ってもらう時はいつも近所のコンビニで待ち合わせる。
俺は一人暮らしでアパートに住んでるけど、げんちゃんはいつも家の前まで迎えに来てくれるんだよな。
「三人で出かけるのっていつぶり?」
「最後に遠出したのは去年だったか。月一で会ってはいたが、近場で済ませることが多かったな」
「就職活動もあったし、二人とも忙しくしてたから」
「そうだったな」
運転しながら笑うげんちゃんの横顔を見ながら、俺も自然と笑っていた。
とっきーが待っているコンビニは、この信号を超えれば見えてくるはずだ。
「とっきーは……あ、いたいた」
げんちゃんは、コンビニの駐車スペースに車を停車させる。
俺が合図する前に、とっきーはげんちゃんの車に気づいて駆け寄ってきた。
「玄暉、早かったな」
「思っていたよりも道が空いていた。俺は目的地のことはさらっとしか聞いていないが大丈夫なのか?」
「心配すんなって。候補はしっかり見つけておいたからさ」
とっきーはニッと笑いながら、素早く後部座席に乗り込んできた。
俺は首だけで振り返って、とっきーに話しかける。
「レトロ喫茶、良いところ見つかったんだ?」
「商店街にあって、結構有名なレトロ喫茶らしい。近くにパーキングもあったからちょうど良いと思ってさ。店の電話番号を言うからナビに入力頼んだ!」
「了解。ちょっと待ってね」
とっきーはスマホの情報をスラスラと読み上げていく。
俺がその通りに打ち込んでいくと、店の名前が出てきた。
「喫茶イーストか。このお店であってる?」
「それそれ。生クリームたっぷりのフルーツサンドイッチとクリームソーダが有名なんだってさ。近くまで行ったらパーキングの場所を伝えるから運転よろしく!」
「了解した」
げんちゃんも頷いてから、コンビニをゆっくりと出発する。
どんなお店なのか、楽しみにするだけじゃなくってしっかりと見学しないとな。
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