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第三章 イケメン揃いのレトロ喫茶です
25.新メンバーを迎え入れよう
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とっきーのストレス解消に付き合わされてからは、これといって特に大きな問題もなかった。
更に客足も伸びてきたし、休日は三人でお店を回すのがキツくなってきたくらいだ。
アルバイトをそろそろ雇ってもいいかもと話し合いをして、とっきーの知り合いの男の子を紹介してもらった。
とっきーに元々働いてたコンビニが潰れた話をした途端に、一緒に働かないかと誘われたらしい。
「ええと、鈴木さんは鷺羽……一路の紹介で来ていただきましたし、彼と同じホール担当で構わないでしょうか? ご実家で調理をなさっていた経験があるなら調理でも助かりますが」
「実家は確かにラーメン屋ですけど、俺はラーメンを作ったことないんで調理っていっても作業補助くらいしかできないっすね。飲食は初めてですけど、高校の時から接客系のバイトはしてます」
「分かりました。調理については玄暉……担当の向坂に一任してますので、補助的な調理はお願いすることもあると思います」
「分かりました。簡単な料理はできるんで、教えていただければお手伝いします」
元々雇うつもりだったから、彼が契約内容に問題がなければという確認をして即採用した。
げんちゃんも俺の決めたことならって納得してくれたし、とっきーがコイツなら大丈夫だって推薦してきた子だから問題はなさそうだ。
「では、一週間後からシフトに入っていただくということで」
「了解です。……っていうか、俺に対しては気楽に接してもらって大丈夫ですよ。一路先輩のご友人って聞いてますし。それで、先輩のことは何て呼べばいいですか?」
「じゃあ、俺も普段通りに喋らせてもらおうかな。呼び方は特に決めてないから、常識の範囲内で呼んでくれれば大丈夫。知ってるかもしれないけど、俺は永瀬 蒼樹です。これからよろしくね」
「じゃあ蒼樹さ……って、呼ぶと一路先輩が煩そうなんで。店ではレトロ喫茶の経営者だし、マスターって呼びますね。こちらこそ、よろしくお願いします」
聞いていた話だともう少し大人しい子なのかと思ってたけど、ハキハキしてるし安心して仕事を任せられそうだ。
バイトはかけもちだって言ってたけど、給料に関しても俺から店を始めたきっかけを教えてもらえるなら最低賃金でも……って神様みたいなことを言ってくれた。
お店の経営に興味があるみたいで、自分も経営の道に進むかもしれないから高い賃金の代わりに話が聞きたいらしい。
俺も勢いでやってるし、教えられるようなことがあるかは分からないけど彼のために役立てるなら嬉しい。
新しくプラコレの一員になってくれた鈴木史弥君は、見た目も言動通りでこざっぱりしてる雰囲気な焦げ茶のショートに焦げ茶の目をした少しクールな印象だけど普通の大学生って感じだ。
とっきー曰く世渡り上手タイプらしいけど、ニコニコしてる感じじゃないのに嫌な雰囲気もしないし話しやすい気がする。
「あ、そうだ。俺のことも気軽に呼んでください。一路先輩なんてふーみんとか言ってますからね。史弥で構わないっすよ」
「ふーみんって……。分かった。じゃあ、史弥君。気を付けて帰ってね」
「ありがとうございます。失礼します」
史弥くんは椅子から立ち上がると、一礼して部屋から出て行った。
人員も確保できたから、お客さんがたくさん来ても安心してお店を回せそうだ。
更に客足も伸びてきたし、休日は三人でお店を回すのがキツくなってきたくらいだ。
アルバイトをそろそろ雇ってもいいかもと話し合いをして、とっきーの知り合いの男の子を紹介してもらった。
とっきーに元々働いてたコンビニが潰れた話をした途端に、一緒に働かないかと誘われたらしい。
「ええと、鈴木さんは鷺羽……一路の紹介で来ていただきましたし、彼と同じホール担当で構わないでしょうか? ご実家で調理をなさっていた経験があるなら調理でも助かりますが」
「実家は確かにラーメン屋ですけど、俺はラーメンを作ったことないんで調理っていっても作業補助くらいしかできないっすね。飲食は初めてですけど、高校の時から接客系のバイトはしてます」
「分かりました。調理については玄暉……担当の向坂に一任してますので、補助的な調理はお願いすることもあると思います」
「分かりました。簡単な料理はできるんで、教えていただければお手伝いします」
元々雇うつもりだったから、彼が契約内容に問題がなければという確認をして即採用した。
げんちゃんも俺の決めたことならって納得してくれたし、とっきーがコイツなら大丈夫だって推薦してきた子だから問題はなさそうだ。
「では、一週間後からシフトに入っていただくということで」
「了解です。……っていうか、俺に対しては気楽に接してもらって大丈夫ですよ。一路先輩のご友人って聞いてますし。それで、先輩のことは何て呼べばいいですか?」
「じゃあ、俺も普段通りに喋らせてもらおうかな。呼び方は特に決めてないから、常識の範囲内で呼んでくれれば大丈夫。知ってるかもしれないけど、俺は永瀬 蒼樹です。これからよろしくね」
「じゃあ蒼樹さ……って、呼ぶと一路先輩が煩そうなんで。店ではレトロ喫茶の経営者だし、マスターって呼びますね。こちらこそ、よろしくお願いします」
聞いていた話だともう少し大人しい子なのかと思ってたけど、ハキハキしてるし安心して仕事を任せられそうだ。
バイトはかけもちだって言ってたけど、給料に関しても俺から店を始めたきっかけを教えてもらえるなら最低賃金でも……って神様みたいなことを言ってくれた。
お店の経営に興味があるみたいで、自分も経営の道に進むかもしれないから高い賃金の代わりに話が聞きたいらしい。
俺も勢いでやってるし、教えられるようなことがあるかは分からないけど彼のために役立てるなら嬉しい。
新しくプラコレの一員になってくれた鈴木史弥君は、見た目も言動通りでこざっぱりしてる雰囲気な焦げ茶のショートに焦げ茶の目をした少しクールな印象だけど普通の大学生って感じだ。
とっきー曰く世渡り上手タイプらしいけど、ニコニコしてる感じじゃないのに嫌な雰囲気もしないし話しやすい気がする。
「あ、そうだ。俺のことも気軽に呼んでください。一路先輩なんてふーみんとか言ってますからね。史弥で構わないっすよ」
「ふーみんって……。分かった。じゃあ、史弥君。気を付けて帰ってね」
「ありがとうございます。失礼します」
史弥くんは椅子から立ち上がると、一礼して部屋から出て行った。
人員も確保できたから、お客さんがたくさん来ても安心してお店を回せそうだ。
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