13 / 64
第二章 レトロ喫茶、オープンします
13.まずは三人でコーヒーを
しおりを挟む
俺がお湯を沸かして器具を温めていると、とっきーが戻ってきた。
とっきーも店を開ける前にいくつかチェックする場所があるって言ってたけど、終わったにしては早すぎるような気がする。
「とっきー、もうチェックは終わった?」
「いや、まだだけど。蒼樹の淹れてくれたコーヒーを飲んでからにする」
「げんちゃんは下ごしらえ中か。了解。味見よろしく」
フィルターをドリッパーへセットして、朝挽いた粉を適量入れていく。
今日はコロンビアだから、甘さと深みのバランスも取れてる豆だし誰でも飲みやすいタイプのコーヒーだと思う。
本日のコーヒーはコロンビアで、ブレンドはじいちゃんに教えてもらったブレンドと俺がオリジナルでブレンドしたブレンドと二種類選べるようにした。
じいちゃんのブレンドはプラムコレクトブレンド、略してプラコレブレンド。
俺が作ったブレンドは、蒼。
俺は反対したんだけど、俺の名前から名付けろってとっきーとげんちゃんに言われてその名にした。
和名で綺麗な感じがするから、らしい。
プラコレブレンドも全てのバランスが整ったコーヒーで、飲み口もさっぱりしている。
俺の作った蒼は、プラコレより少し苦みが強めになっていてコクがある。
ミルクと砂糖を入れるとちょうどよく飲めるタイプのコーヒーにしてみたけど、コーヒー好きの人ならブラックで飲んでも楽しめるブレンドにしてみた。
「コーヒーの香りって癒されるよなー。さっきまで少しイラっとしてたけど、蒼樹の手元を見てたら和んだ」
「なに意味わかんないことを言ってるんだか。コーヒーの香りで癒されるっていうのは同意するけど」
俺がコーヒーを淹れている間、とっきーはずっと俺の手元を眺めてる。
別にただ淹れてるだけだし、見ていて面白いかどうか微妙だけど。
ペーパードリップだから、一番スタンダードな淹れ方だと思う。
蒸らしをしてから、少しずつお湯を注いでいく。
焦らず何回か分けてじっくり淹れ、全て落ちきったところでカップへ注ぐ。
この作業中もふわりとコーヒーが香るから、一日淹れていると全身がコーヒーの香りで包まれてしまう。
俺はこの香りが嫌いじゃないからいいけど、思っている以上に外へ出ても香りが残るんだよな。
「お待たせ。どうぞ」
「サンキュ。おーい、玄暉! 蒼樹がコーヒー淹れてくれたから一旦コッチ来て味見だ」
「分かった。今行く」
俺がカウンターへカップを並べると、とっきーが一番に席へ着く。
続いてげんちゃんもキッチンから戻ってきた。
キッチンって言っても大した設備じゃないけど、水道があってガスが使えるから問題ないらしい。
「まずは俺たちがお客第一号だな。蒼樹のコーヒーはいつも飲んでるけど、店で出す前に飲めるってのは特権だよな」
「そうだな。蒼樹はおじいさんから教わってるのもあって、いつも美味しいコーヒーを淹れてくれる」
「なんかプレッシャーなんだけど、メインだからきちんとしないといけないよな。じゃあ、俺も飲むか」
とっきーとげんちゃんの間の席が空いてたから、俺は真ん中へ座る。
とっきーも店を開ける前にいくつかチェックする場所があるって言ってたけど、終わったにしては早すぎるような気がする。
「とっきー、もうチェックは終わった?」
「いや、まだだけど。蒼樹の淹れてくれたコーヒーを飲んでからにする」
「げんちゃんは下ごしらえ中か。了解。味見よろしく」
フィルターをドリッパーへセットして、朝挽いた粉を適量入れていく。
今日はコロンビアだから、甘さと深みのバランスも取れてる豆だし誰でも飲みやすいタイプのコーヒーだと思う。
本日のコーヒーはコロンビアで、ブレンドはじいちゃんに教えてもらったブレンドと俺がオリジナルでブレンドしたブレンドと二種類選べるようにした。
じいちゃんのブレンドはプラムコレクトブレンド、略してプラコレブレンド。
俺が作ったブレンドは、蒼。
俺は反対したんだけど、俺の名前から名付けろってとっきーとげんちゃんに言われてその名にした。
和名で綺麗な感じがするから、らしい。
プラコレブレンドも全てのバランスが整ったコーヒーで、飲み口もさっぱりしている。
俺の作った蒼は、プラコレより少し苦みが強めになっていてコクがある。
ミルクと砂糖を入れるとちょうどよく飲めるタイプのコーヒーにしてみたけど、コーヒー好きの人ならブラックで飲んでも楽しめるブレンドにしてみた。
「コーヒーの香りって癒されるよなー。さっきまで少しイラっとしてたけど、蒼樹の手元を見てたら和んだ」
「なに意味わかんないことを言ってるんだか。コーヒーの香りで癒されるっていうのは同意するけど」
俺がコーヒーを淹れている間、とっきーはずっと俺の手元を眺めてる。
別にただ淹れてるだけだし、見ていて面白いかどうか微妙だけど。
ペーパードリップだから、一番スタンダードな淹れ方だと思う。
蒸らしをしてから、少しずつお湯を注いでいく。
焦らず何回か分けてじっくり淹れ、全て落ちきったところでカップへ注ぐ。
この作業中もふわりとコーヒーが香るから、一日淹れていると全身がコーヒーの香りで包まれてしまう。
俺はこの香りが嫌いじゃないからいいけど、思っている以上に外へ出ても香りが残るんだよな。
「お待たせ。どうぞ」
「サンキュ。おーい、玄暉! 蒼樹がコーヒー淹れてくれたから一旦コッチ来て味見だ」
「分かった。今行く」
俺がカウンターへカップを並べると、とっきーが一番に席へ着く。
続いてげんちゃんもキッチンから戻ってきた。
キッチンって言っても大した設備じゃないけど、水道があってガスが使えるから問題ないらしい。
「まずは俺たちがお客第一号だな。蒼樹のコーヒーはいつも飲んでるけど、店で出す前に飲めるってのは特権だよな」
「そうだな。蒼樹はおじいさんから教わってるのもあって、いつも美味しいコーヒーを淹れてくれる」
「なんかプレッシャーなんだけど、メインだからきちんとしないといけないよな。じゃあ、俺も飲むか」
とっきーとげんちゃんの間の席が空いてたから、俺は真ん中へ座る。
1
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか
Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。
無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して――
最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。
死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。
生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。
※軽い性的表現あり
短編から長編に変更しています
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる