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第一章 レトロ喫茶のマスター、はじめます
6.隠し事は気になるけど、決意表明
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げんちゃんと俺が近くにいると、大体とっきーが真ん中に入ってきて邪魔してくるんだよな。
子どもの頃からそうだったから、とっきーは寂しがりやなんだって思ってたんだけど違うのか?
げんちゃんに答えを求めると、肩を竦めていつも教えてくれない。
「はぁぁぁ……いいよ別に。蒼樹は何も考えなくていい。期待してないから、今は」
「なんかはっきりしないよな。とっきー、気に入らないことがあればはっきり言えって」
とっきーはテーブルに両肘をついて、分かりやすくぶすっとしてる。
ジト目でとっきーを見ると、不機嫌さを隠さずに俺から顔を背けてるし。
「蒼樹、大丈夫だ。これは俺と鷺羽の問題だ。今は気にしないでいい」
「だから、今は気にしないでいいって言うのが気になるんだけど」
二人へ交互に視線を送っても、とっきーは更に不機嫌になるだけだしげんちゃんは無表情のまんまだ。
最近は特に俺だけ除け者にされている気がして、少し寂しい気持ちになる。
別に仲違いしてる訳でもないけど、俺にも理由を教えてくれたっていいのにな。
「玄暉、俺はそう待てないからな。っつーか、今の今まで俺にしてはよく我慢してると思わない?」
「まあな。だが、蒼樹を悲しませるようなことをしたら俺がお前を殴ってでも止めるぞ」
「え……そんな深刻なの? しかも俺に言えないことで?」
むくれるとっきーに真剣なげんちゃん。
一体何のことだか、気になるんですけど?
「いくら俺が短気だからって、時と場所くらい選ぶって。これは今じゃないよな。分かった、こうしよう」
とっきーは勝手に話を進めて、俺たちへ肩を回したかと思うとグッと顔を寄せて円陣を組むような形を作る。
げんちゃんも普通に両腕を回したってことは、俺も一緒に円陣を組めばいいのか?
流されるまま、俺も二人の肩へ両腕を回す。
「これなら許す。で、玄暉。メニュー自体はそんなに改変しないだろ?」
「そうだな。蒼樹のおじいさんのメニューはそのままに、味も再現するつもりだ。基本のメニューはそれで。例えばサンドイッチの具の種類を増やすとか、少しの付け加えで最初はいいと思う」
「なるほど。じいちゃんの味なら俺が協力できるし。最初から手を伸ばしすぎても大変か。で、いつまでこのままの体勢?」
男三人が円陣組んだまま話し合いっていかにも怪しすぎないか?
誰も見てないからいいものの、普通に話しづらい気がする。
「いいから。俺の気が済むまで付き合え。玄暉はスイーツも作れるだろ? スイーツは少しだけ特別なものを用意してもいいかもな」
「それは俺も考えた。定番はそのままにして、月替わりのデザートを用意するのはどうだろうか。コーヒーと一緒に食べてもらえるような」
「折角げんちゃんに作ってもらうんだから、じいちゃんの店の良さに更にプラスアルファできたらいいよな。その方がじいちゃんも喜んでくれるはずだ」
俺らは顔を見合わせてから、改めて体育会系の円陣のようにやるぞー! と声に出して決意表明をする。
青春真っただ中みたいでくすぐったいけど、俺の考えに賛同してくれる友達がいることに感謝の気持ちでいっぱいになった。
子どもの頃からそうだったから、とっきーは寂しがりやなんだって思ってたんだけど違うのか?
げんちゃんに答えを求めると、肩を竦めていつも教えてくれない。
「はぁぁぁ……いいよ別に。蒼樹は何も考えなくていい。期待してないから、今は」
「なんかはっきりしないよな。とっきー、気に入らないことがあればはっきり言えって」
とっきーはテーブルに両肘をついて、分かりやすくぶすっとしてる。
ジト目でとっきーを見ると、不機嫌さを隠さずに俺から顔を背けてるし。
「蒼樹、大丈夫だ。これは俺と鷺羽の問題だ。今は気にしないでいい」
「だから、今は気にしないでいいって言うのが気になるんだけど」
二人へ交互に視線を送っても、とっきーは更に不機嫌になるだけだしげんちゃんは無表情のまんまだ。
最近は特に俺だけ除け者にされている気がして、少し寂しい気持ちになる。
別に仲違いしてる訳でもないけど、俺にも理由を教えてくれたっていいのにな。
「玄暉、俺はそう待てないからな。っつーか、今の今まで俺にしてはよく我慢してると思わない?」
「まあな。だが、蒼樹を悲しませるようなことをしたら俺がお前を殴ってでも止めるぞ」
「え……そんな深刻なの? しかも俺に言えないことで?」
むくれるとっきーに真剣なげんちゃん。
一体何のことだか、気になるんですけど?
「いくら俺が短気だからって、時と場所くらい選ぶって。これは今じゃないよな。分かった、こうしよう」
とっきーは勝手に話を進めて、俺たちへ肩を回したかと思うとグッと顔を寄せて円陣を組むような形を作る。
げんちゃんも普通に両腕を回したってことは、俺も一緒に円陣を組めばいいのか?
流されるまま、俺も二人の肩へ両腕を回す。
「これなら許す。で、玄暉。メニュー自体はそんなに改変しないだろ?」
「そうだな。蒼樹のおじいさんのメニューはそのままに、味も再現するつもりだ。基本のメニューはそれで。例えばサンドイッチの具の種類を増やすとか、少しの付け加えで最初はいいと思う」
「なるほど。じいちゃんの味なら俺が協力できるし。最初から手を伸ばしすぎても大変か。で、いつまでこのままの体勢?」
男三人が円陣組んだまま話し合いっていかにも怪しすぎないか?
誰も見てないからいいものの、普通に話しづらい気がする。
「いいから。俺の気が済むまで付き合え。玄暉はスイーツも作れるだろ? スイーツは少しだけ特別なものを用意してもいいかもな」
「それは俺も考えた。定番はそのままにして、月替わりのデザートを用意するのはどうだろうか。コーヒーと一緒に食べてもらえるような」
「折角げんちゃんに作ってもらうんだから、じいちゃんの店の良さに更にプラスアルファできたらいいよな。その方がじいちゃんも喜んでくれるはずだ」
俺らは顔を見合わせてから、改めて体育会系の円陣のようにやるぞー! と声に出して決意表明をする。
青春真っただ中みたいでくすぐったいけど、俺の考えに賛同してくれる友達がいることに感謝の気持ちでいっぱいになった。
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