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お題系ポスノベ
好きになってごめん
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時間は非情にも流れていく。
俺たちに残された時間はあと僅かだ。
「受け様……俺のせいで……」
「いや、僕は君の側にいられるだけで幸せだよ。それに、様付けなんていらないよ。今は君と同じなんだから」
受けは決して人間が関わってはいけない神聖な方。
彼は神様の御使い。一般的には天使様と呼ばれるお方だ。
本来は神様の御使いとして人間界を定期的に見守ってくれているお方で、俺たちの間でもおとぎ話として語り継がれている。
受けは元々俺のことを気にかけて下さっていたらしい。
俺は貧乏な村に生まれたせいで森に捨てられた。だけど、がむしゃらになって何とか命を繋いできたんだ。
その生きざまを受け様はずっと見守っていてくれた。
だけど……俺は川で魚を取ろうとして足を滑らせ溺れてしまった。
もうおしまいだと思ったその時――美しい光が舞い降りて僕の身体を抱きあげてくれた。
それが、受けとの出会いだった。
「クソ、俺があの時溺れさえしなければ……受けは……」
「あの時、君を見捨てたら僕は後悔したまま生きていかねばならなかった。だったら、消えてしまおうとも君と一緒にいたかった」
受けは美しい。ふわふわのブロンドの髪も輝くブロンドの瞳も。そして絹のような肌も。
儚い微笑みも全て美しくて、俺は一目で受けの虜になった。
一目ぼれだ。俺は助けてもらってからすぐに好きですと告白してしまった。
何も考えずに、だ。
受けはクスクスと鈴が鳴るように涼やかに笑って、僕もだよ。と受け入れてくれた。
でも、俺は知らなかったんだ。
受けは禁忌を犯していたということを。
「君にそんな顔をさせるつもりはなかったのに……ごめんね、攻め」
「そんなこと……っ! でも、もう羽が……」
受けの背には眩い白い羽がある。正確にはあった、だ。
俺の前に姿を現してから、羽は徐々に輝きを失っていった。
羽の輝きこそが、受けの命そのものだったんだ。
今、羽はほぼ灰色になってしまった。それでも綺麗なことには変わりない。
だけど……羽の色が全て灰になったら……受けは消えてしまう。
「貴方の存在をかけてまで、俺なんて……」
「君を助けたことに後悔なんてないよ。それにね、僕が消えれば僕の存在ごと消える。だから……君はもう悲しまなくてもいいんだよ?」
「嫌だ……っ! 受けが消えるくらいなら俺もっ!」
涙が止まらない。話している間にも灰色が羽を蝕んでいるのが分かる。
今では受けが動くこともままならないけれど、俺たちはずっとベッドの上で抱き合っていた。
「そんなこと言わないで? 例え存在が消えようとも僕は君のことが好きだよ」
抱きしめている感覚が薄らいでくる。ついに、その時が来てしまった。
俺はこれでもかと言わんばかりに必死に抱きしめる。
「俺は、絶対に忘れない! だから、だから……!」
受けは困ったように微笑んで俺の頬を撫でた。そして消えゆく身体で最後に俺の唇に優しい残り香を残す。
「君のことを、好きになってごめん」
受けの慈しみに溢れた優しい声が耳に届いた瞬間、受けは笑顔のまま目の前から消えてしまった。
俺は返事もできないまま見送って……泣き叫んだ後にプツリと意識を失った。
+++
俺は今日も一人で静かに生きていた。
何事もない日々を生き、ただ命を繋ぐだけの毎日だ。
だけど……時折ふいに涙が流れる時がある。
好きになってごめん。
この一言が耳に残って耐えがたい喪失感を俺に与えてくる。
「俺こそ……ごめん。だけど……愛しています」
何も思い出せない。だけど、俺はこの一言を言うべきだと空を見上げて呟いた。
俺たちに残された時間はあと僅かだ。
「受け様……俺のせいで……」
「いや、僕は君の側にいられるだけで幸せだよ。それに、様付けなんていらないよ。今は君と同じなんだから」
受けは決して人間が関わってはいけない神聖な方。
彼は神様の御使い。一般的には天使様と呼ばれるお方だ。
本来は神様の御使いとして人間界を定期的に見守ってくれているお方で、俺たちの間でもおとぎ話として語り継がれている。
受けは元々俺のことを気にかけて下さっていたらしい。
俺は貧乏な村に生まれたせいで森に捨てられた。だけど、がむしゃらになって何とか命を繋いできたんだ。
その生きざまを受け様はずっと見守っていてくれた。
だけど……俺は川で魚を取ろうとして足を滑らせ溺れてしまった。
もうおしまいだと思ったその時――美しい光が舞い降りて僕の身体を抱きあげてくれた。
それが、受けとの出会いだった。
「クソ、俺があの時溺れさえしなければ……受けは……」
「あの時、君を見捨てたら僕は後悔したまま生きていかねばならなかった。だったら、消えてしまおうとも君と一緒にいたかった」
受けは美しい。ふわふわのブロンドの髪も輝くブロンドの瞳も。そして絹のような肌も。
儚い微笑みも全て美しくて、俺は一目で受けの虜になった。
一目ぼれだ。俺は助けてもらってからすぐに好きですと告白してしまった。
何も考えずに、だ。
受けはクスクスと鈴が鳴るように涼やかに笑って、僕もだよ。と受け入れてくれた。
でも、俺は知らなかったんだ。
受けは禁忌を犯していたということを。
「君にそんな顔をさせるつもりはなかったのに……ごめんね、攻め」
「そんなこと……っ! でも、もう羽が……」
受けの背には眩い白い羽がある。正確にはあった、だ。
俺の前に姿を現してから、羽は徐々に輝きを失っていった。
羽の輝きこそが、受けの命そのものだったんだ。
今、羽はほぼ灰色になってしまった。それでも綺麗なことには変わりない。
だけど……羽の色が全て灰になったら……受けは消えてしまう。
「貴方の存在をかけてまで、俺なんて……」
「君を助けたことに後悔なんてないよ。それにね、僕が消えれば僕の存在ごと消える。だから……君はもう悲しまなくてもいいんだよ?」
「嫌だ……っ! 受けが消えるくらいなら俺もっ!」
涙が止まらない。話している間にも灰色が羽を蝕んでいるのが分かる。
今では受けが動くこともままならないけれど、俺たちはずっとベッドの上で抱き合っていた。
「そんなこと言わないで? 例え存在が消えようとも僕は君のことが好きだよ」
抱きしめている感覚が薄らいでくる。ついに、その時が来てしまった。
俺はこれでもかと言わんばかりに必死に抱きしめる。
「俺は、絶対に忘れない! だから、だから……!」
受けは困ったように微笑んで俺の頬を撫でた。そして消えゆく身体で最後に俺の唇に優しい残り香を残す。
「君のことを、好きになってごめん」
受けの慈しみに溢れた優しい声が耳に届いた瞬間、受けは笑顔のまま目の前から消えてしまった。
俺は返事もできないまま見送って……泣き叫んだ後にプツリと意識を失った。
+++
俺は今日も一人で静かに生きていた。
何事もない日々を生き、ただ命を繋ぐだけの毎日だ。
だけど……時折ふいに涙が流れる時がある。
好きになってごめん。
この一言が耳に残って耐えがたい喪失感を俺に与えてくる。
「俺こそ……ごめん。だけど……愛しています」
何も思い出せない。だけど、俺はこの一言を言うべきだと空を見上げて呟いた。
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