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☆愛してるゲーム
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大学一年生の眼鏡くん。黒髪の静かな陰キャくんだ。
一人でいるのが好きな子だけど、陽キャサークルの集まりに人数合わせで無理やり誘われて居場所がない。
飲み会でも端の席でちびちびとカクテルを飲みながら気まずそうにしていた。
「なあ、愛してるゲームしようぜ」
「突然? じゃあ笑ったヤツはおごりな。じゃあ、俺から行くぞ。……愛してる」
盛り上げ役がいきなりゲームを始めると、向かい側の席の彼もノリで言い始める。
女の子たちがキャッキャ言う中、ますます困って縮こまる眼鏡くん。
一人で赤くなってくると、彼の番が回ってきてしまう。
「ほら、言えよ。こういうのはノリだろ。折角の雰囲気台無しにするなよ」
「ご、ごめん……でも、言ったことないし……」
ぼそぼそ言う眼鏡くんに、隣の陽キャが絡むようにグイっと肩を組んだところで上から影が差す。
「お前ら、相変わらずくだらない遊びしてんなあ」
「なんでいるんだよー」
現れたのはサークルの顧問を務める講師。
見た目は三十歳後半くらいの、普通のおじさんだ。
彼は眼鏡くんを無理やり立たせると、ずるずると引っ張りだす。
「悪いけど、コイツ借りてくからな」
「えー? まあいいけどさ……」
酒も入っているせいか他のメンバーもそこまで気にすることなく、眼鏡くんは講師に連れられて飲み屋のトイレの個室へと連れ込まれてしまう。
「まーた断れずにホイホイ着いてきたのか」
「ごめんなさい……おじさん」
「だから、おじさんって呼ぶな。まだ教育が足りてないな」
「大学ではちゃんと先生って呼んで……」
眼鏡くんの唇は無理やり塞がれて黙らされる。
水音が響けば、眼鏡くんはされるがままにふわふわし始める。
「あぅ……」
「兄貴もこんな素直で従順な子をなんでほったらかすんだか」
「お父さんは、忙しい人だから……あっ」
おじさんは講師でもあり、本当に叔父でもある。
眼鏡くんの父親は真面目でお堅いサラリーマンで家庭を顧みない。
叔父は奔放で自由だが、頭は良く大学でも密かに人気がある講師だ。
眼鏡くんの純粋さにつけこんで、血のつながった甥っ子を可愛がっている。
彼も愛にすっかり溺れてしまって、叔父の言われるがままに身体を差し出して寂しさを埋めているのだった。
「もしかして、ここで?」
「怖かったら俺の中に入ってもいいんだぞ。そうすれば脱がなくても楽にできる」
「うん……ありがとう、おじさん」
眼鏡くんは恍惚な表情でおじさんに絡みついて――
end.
一人でいるのが好きな子だけど、陽キャサークルの集まりに人数合わせで無理やり誘われて居場所がない。
飲み会でも端の席でちびちびとカクテルを飲みながら気まずそうにしていた。
「なあ、愛してるゲームしようぜ」
「突然? じゃあ笑ったヤツはおごりな。じゃあ、俺から行くぞ。……愛してる」
盛り上げ役がいきなりゲームを始めると、向かい側の席の彼もノリで言い始める。
女の子たちがキャッキャ言う中、ますます困って縮こまる眼鏡くん。
一人で赤くなってくると、彼の番が回ってきてしまう。
「ほら、言えよ。こういうのはノリだろ。折角の雰囲気台無しにするなよ」
「ご、ごめん……でも、言ったことないし……」
ぼそぼそ言う眼鏡くんに、隣の陽キャが絡むようにグイっと肩を組んだところで上から影が差す。
「お前ら、相変わらずくだらない遊びしてんなあ」
「なんでいるんだよー」
現れたのはサークルの顧問を務める講師。
見た目は三十歳後半くらいの、普通のおじさんだ。
彼は眼鏡くんを無理やり立たせると、ずるずると引っ張りだす。
「悪いけど、コイツ借りてくからな」
「えー? まあいいけどさ……」
酒も入っているせいか他のメンバーもそこまで気にすることなく、眼鏡くんは講師に連れられて飲み屋のトイレの個室へと連れ込まれてしまう。
「まーた断れずにホイホイ着いてきたのか」
「ごめんなさい……おじさん」
「だから、おじさんって呼ぶな。まだ教育が足りてないな」
「大学ではちゃんと先生って呼んで……」
眼鏡くんの唇は無理やり塞がれて黙らされる。
水音が響けば、眼鏡くんはされるがままにふわふわし始める。
「あぅ……」
「兄貴もこんな素直で従順な子をなんでほったらかすんだか」
「お父さんは、忙しい人だから……あっ」
おじさんは講師でもあり、本当に叔父でもある。
眼鏡くんの父親は真面目でお堅いサラリーマンで家庭を顧みない。
叔父は奔放で自由だが、頭は良く大学でも密かに人気がある講師だ。
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彼も愛にすっかり溺れてしまって、叔父の言われるがままに身体を差し出して寂しさを埋めているのだった。
「もしかして、ここで?」
「怖かったら俺の中に入ってもいいんだぞ。そうすれば脱がなくても楽にできる」
「うん……ありがとう、おじさん」
眼鏡くんは恍惚な表情でおじさんに絡みついて――
end.
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