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海藻バース 坊ちゃんの従者は命懸け!? ノーマル甲冑従者の憂鬱<受け視点>
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※海藻バースとは?
海藻バースは、わかめちゃん(@fuesugiruwakame)作成のオリジナルバースです。
以下、わかめちゃんにお借りした画像説明です。
海水不足で飢餓状態となった海藻を俗に「乾燥わかめ状態«ヒート»」と呼びます。
いわゆるバース系の派生形ですね!
こちらは独自設定や付けたし設定もオッケーなバースだそうです☆
今回私が書かせていただいたものは……
海藻(攻め)坊ちゃん×海水(受け)従者です。
わかめちゃん、この度は掲載許可をありがとうございました!
では、本編へどうぞ!
+++
ウチの坊ちゃんは海藻だ。
由緒正しき海藻貴族の血筋のため、無差別に人を襲ったりはしない(はず)だが……性格が元々荒い。
「おい、俺の運命の海水はまだか!」
「旦那様が坊ちゃんにピッタリのお相手を探しているところです」
「あー! もう海水ジュースは飽きた! 代替品ではなく、本物の海水を味わいたいのに」
「そのように取り乱しては一族の恥さらしになってしまいますよ?」
「はあ……せめてお前がノーマルならば噛み付いてやるのに……」
私はノーマルのため、常に甲冑を身に付けている。
我が家は代々坊ちゃんの一族に仕えており、みなノーマルだ。
だが、私には坊ちゃんに知られてはいけない秘密がある。それは……。
「ほら、早く着替えてください!」
「全く、お前に触れるたび冷たくてイライラするんだよ!」
「私に触れられたくなければ、素早い行動あるのみですよ」
「ああ、分かった分かった! さっさとその重苦しい腕をどけてくれ!」
「かしこまりました。起きたらまずはお顔を洗ってくださいね」
坊ちゃんはブツブツ文句を言いながら、キビキビ支度する。口は悪いが、やる時はやるお方なのだ。
「お前、今何を考えていた?」
「私はいつも通りですよ」
「ふぅん?」
私の表情は決して見られることがないのだが、些細な顔の向きでも坊ちゃんはツッコミを入れてくる。
私はそんな坊ちゃんを好ましく思っている。
この想いも隠さねばと思うが、もう一つある。
「……どうして俺の従者はこうなのか」
「いい加減諦めて下さい。当主さまをお支えしたのも我が父なのですから」
「可愛い海水ちゃんがいいのに……」
「もう暫くの辛抱ですよ」
私は一族の突然変異で、実はノーマルではなく海水だ。本来はここに居ることすら許されないが、坊ちゃんの相手が見つかるまでという約束で仕えることを許された。
だから、決して海水であることを明かしてはならない。せめて坊ちゃんに相応しい方が見つかるまではこの方の側にいられますように――
おしまい
海藻バースは、わかめちゃん(@fuesugiruwakame)作成のオリジナルバースです。
以下、わかめちゃんにお借りした画像説明です。
海水不足で飢餓状態となった海藻を俗に「乾燥わかめ状態«ヒート»」と呼びます。
いわゆるバース系の派生形ですね!
こちらは独自設定や付けたし設定もオッケーなバースだそうです☆
今回私が書かせていただいたものは……
海藻(攻め)坊ちゃん×海水(受け)従者です。
わかめちゃん、この度は掲載許可をありがとうございました!
では、本編へどうぞ!
+++
ウチの坊ちゃんは海藻だ。
由緒正しき海藻貴族の血筋のため、無差別に人を襲ったりはしない(はず)だが……性格が元々荒い。
「おい、俺の運命の海水はまだか!」
「旦那様が坊ちゃんにピッタリのお相手を探しているところです」
「あー! もう海水ジュースは飽きた! 代替品ではなく、本物の海水を味わいたいのに」
「そのように取り乱しては一族の恥さらしになってしまいますよ?」
「はあ……せめてお前がノーマルならば噛み付いてやるのに……」
私はノーマルのため、常に甲冑を身に付けている。
我が家は代々坊ちゃんの一族に仕えており、みなノーマルだ。
だが、私には坊ちゃんに知られてはいけない秘密がある。それは……。
「ほら、早く着替えてください!」
「全く、お前に触れるたび冷たくてイライラするんだよ!」
「私に触れられたくなければ、素早い行動あるのみですよ」
「ああ、分かった分かった! さっさとその重苦しい腕をどけてくれ!」
「かしこまりました。起きたらまずはお顔を洗ってくださいね」
坊ちゃんはブツブツ文句を言いながら、キビキビ支度する。口は悪いが、やる時はやるお方なのだ。
「お前、今何を考えていた?」
「私はいつも通りですよ」
「ふぅん?」
私の表情は決して見られることがないのだが、些細な顔の向きでも坊ちゃんはツッコミを入れてくる。
私はそんな坊ちゃんを好ましく思っている。
この想いも隠さねばと思うが、もう一つある。
「……どうして俺の従者はこうなのか」
「いい加減諦めて下さい。当主さまをお支えしたのも我が父なのですから」
「可愛い海水ちゃんがいいのに……」
「もう暫くの辛抱ですよ」
私は一族の突然変異で、実はノーマルではなく海水だ。本来はここに居ることすら許されないが、坊ちゃんの相手が見つかるまでという約束で仕えることを許された。
だから、決して海水であることを明かしてはならない。せめて坊ちゃんに相応しい方が見つかるまではこの方の側にいられますように――
おしまい
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