78 / 83
第四章 私たちが歩む道
77.本日のご飯は
しおりを挟む
着替えてリビングに戻ると、同じく着替えた秦弥さんが部屋からでてきた。
私はお気に入りのもこもこのブルーのワンピースタイプのリラックスウェアで、秦弥さんはカジュアルな白いシャツと細目のグレーのチノパンだ。
秦弥さんは眼鏡を外しているけど、家でもそこまで崩した服装をしない。
最初は冗談でバスローブですか? って聞いてみたんだけど。
私は持っていないと、あっさり言われてしまった。
「その服、気に入っているのだな」
「肌触りもいいですし、丈が長いから楽なんですよ」
ワンピースタイプだと、くるぶしより少し上くらいの長さだからソファーの上で体育座りをしても大丈夫だし。
安心して寛げるから、家にも二枚常備してある。
夕飯も作ってくれるみたいだし、今日も素直に甘えることにして私は準備や片付けのお手伝いをする。
キッチンに入るなとは言われていないけど、秦弥さんは料理も上手だから下手に手を出さないほうがいいかなと思って。
自分自身にしっかりと言い訳をしてから、ソファーに座って寛ぎ始める。
「夕飯のメニューに希望は?」
「特にないですけど、そんなに凝ったものじゃなくて大丈夫ですから。気合いれなくって大丈夫ですからね?」
前に来たとき、私は焼きそばとか庶民の食べ物でいいんですと言ったけど、焼きそばは逆に具材の用意がないと言われてしまった。
麺が安売りしていたらキープしたりしないのかなと思ったけど、そもそもスーパーで買い物しないかと後で思い直した。
きっと配達を利用しているから、特に材料には困っていないだろうし。
もやしだけで過ごさなくちゃとか、経験があるわけないものね。
「じゃあ……パスタで。種類はお任せします」
「パスタか。分かった」
二つ返事で、秦弥さんが調理を開始する。
パスタは常備してそうだし、何のパスタができあがるのか楽しみ。
+++
テーブルに運ばれてきたのは、カルボナーラだった。
卵がゆらゆらと揺れていて、食欲をそそる。
ミニトマトとレタスが入ったグリーンサラダも出てきて、パッと見はシンプルだ。
たまに中身のお野菜が高級でびっくりすることもあるけど、今回はごくごく普通のサラダとパスタに見える。
一つ一つの材料が高級そうだから、普通と言っても普通じゃなさそうだけど。
「おいしそうー」
「それならばよかった。少し手抜きになってしまったが」
手抜きというけど、どこがと聞きたいくらいに映えるパスタだった。
写真を三枚撮って携帯を脇へ置く。
見ているとどんどんお腹が空いてきちゃう。
秦弥さんが席に着くのを見守って、一緒にいただきますをした。
私はお気に入りのもこもこのブルーのワンピースタイプのリラックスウェアで、秦弥さんはカジュアルな白いシャツと細目のグレーのチノパンだ。
秦弥さんは眼鏡を外しているけど、家でもそこまで崩した服装をしない。
最初は冗談でバスローブですか? って聞いてみたんだけど。
私は持っていないと、あっさり言われてしまった。
「その服、気に入っているのだな」
「肌触りもいいですし、丈が長いから楽なんですよ」
ワンピースタイプだと、くるぶしより少し上くらいの長さだからソファーの上で体育座りをしても大丈夫だし。
安心して寛げるから、家にも二枚常備してある。
夕飯も作ってくれるみたいだし、今日も素直に甘えることにして私は準備や片付けのお手伝いをする。
キッチンに入るなとは言われていないけど、秦弥さんは料理も上手だから下手に手を出さないほうがいいかなと思って。
自分自身にしっかりと言い訳をしてから、ソファーに座って寛ぎ始める。
「夕飯のメニューに希望は?」
「特にないですけど、そんなに凝ったものじゃなくて大丈夫ですから。気合いれなくって大丈夫ですからね?」
前に来たとき、私は焼きそばとか庶民の食べ物でいいんですと言ったけど、焼きそばは逆に具材の用意がないと言われてしまった。
麺が安売りしていたらキープしたりしないのかなと思ったけど、そもそもスーパーで買い物しないかと後で思い直した。
きっと配達を利用しているから、特に材料には困っていないだろうし。
もやしだけで過ごさなくちゃとか、経験があるわけないものね。
「じゃあ……パスタで。種類はお任せします」
「パスタか。分かった」
二つ返事で、秦弥さんが調理を開始する。
パスタは常備してそうだし、何のパスタができあがるのか楽しみ。
+++
テーブルに運ばれてきたのは、カルボナーラだった。
卵がゆらゆらと揺れていて、食欲をそそる。
ミニトマトとレタスが入ったグリーンサラダも出てきて、パッと見はシンプルだ。
たまに中身のお野菜が高級でびっくりすることもあるけど、今回はごくごく普通のサラダとパスタに見える。
一つ一つの材料が高級そうだから、普通と言っても普通じゃなさそうだけど。
「おいしそうー」
「それならばよかった。少し手抜きになってしまったが」
手抜きというけど、どこがと聞きたいくらいに映えるパスタだった。
写真を三枚撮って携帯を脇へ置く。
見ているとどんどんお腹が空いてきちゃう。
秦弥さんが席に着くのを見守って、一緒にいただきますをした。
1
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
助けてください!エリート年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません
和泉杏咲
恋愛
両片思いの2人。「年下上司なんてありえない!」 「できない年上部下なんてまっぴらだ」そんな2人は、どうやって結ばれる?
「年下上司なんてありえない!」
「こっちこそ、できない年上の部下なんてまっぴらだ」
思えば、私とあいつは初対面から相性最悪だった!
人材業界へと転職した高井綾香。
そこで彼女を待ち受けていたのは、エリート街道まっしぐらの上司、加藤涼介からの厳しい言葉の数々。
綾香は年下の涼介に対し、常に反発を繰り返していた。
ところが、ある時自分のミスを助けてくれた涼介が気になるように……?
「あの……私なんで、壁ドンされてるんですか?」
「ほら、やってみなよ、体で俺を誘惑するんだよね?」
「はあ!?誘惑!?」
「取引先を陥落させた技、僕にやってみなよ」
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
恋に異例はつきもので ~会社一の鬼部長は初心でキュートな部下を溺愛したい~
泉南佳那
恋愛
「よっしゃー」が口癖の
元気いっぱい営業部員、辻本花梨27歳
×
敏腕だけど冷徹と噂されている
俺様部長 木沢彰吾34歳
ある朝、花梨が出社すると
異動の辞令が張り出されていた。
異動先は木沢部長率いる
〝ブランディング戦略部〟
なんでこんな時期に……
あまりの〝異例〟の辞令に
戸惑いを隠せない花梨。
しかも、担当するように言われた会社はなんと、元カレが社長を務める玩具会社だった!
花梨の前途多難な日々が、今始まる……
***
元気いっぱい、はりきりガール花梨と
ツンデレ部長木沢の年の差超パワフル・ラブ・ストーリーです。
羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。
泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。
でも今、確かに思ってる。
―――この愛は、重い。
------------------------------------------
羽柴健人(30)
羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問
座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』
好き:柊みゆ
嫌い:褒められること
×
柊 みゆ(28)
弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部
座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』
好き:走ること
苦手:羽柴健人
------------------------------------------
ネカフェ難民してたら鬼上司に拾われました
瀬崎由美
恋愛
穂香は、付き合って一年半の彼氏である栄悟と同棲中。でも、一緒に住んでいたマンションへと帰宅すると、家の中はほぼもぬけの殻。家具や家電と共に姿を消した栄悟とは連絡が取れない。彼が持っているはずの合鍵の行方も分からないから怖いと、ビジネスホテルやネットカフェを転々とする日々。そんな穂香の事情を知ったオーナーが自宅マンションの空いている部屋に居候することを提案してくる。一緒に住むうち、怖くて仕事に厳しい完璧イケメンで近寄りがたいと思っていたオーナーがド天然なのことを知った穂香。居候しながら彼のフォローをしていくうちに、その意外性に惹かれていく。
社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
桜井 響華
恋愛
派遣受付嬢をしている胡桃沢 和奏は、副社長専属秘書である相良 大貴に一目惚れをして勢い余って告白してしまうが、冷たくあしらわれる。諦めモードで日々過ごしていたが、チャンス到来───!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる