地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!

めーぷる

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第三章 自分のこと、これからのこと

51.自分の気持ち

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 私自身は氷室さんのこと、どう思っているんだろう?
 最初の印象は正直最悪だったはずなんだけど……色々言い合っているうちにすっきりしてしまったというか。

 男の人、しかも上司に対して言いたい放題だったけど、真正面から受け止めてくれるのが励みになったのかもしれない。

 氷室さんは静かに待っていてくれるけど、私も沈黙しているのは良くないし。
 うまく伝えられるか分からないけど、伝えなくちゃ。

 改めて、氷室さんを見上げて視線を合わせる。

「……氷室さんに初っ端、キツイこと言われて。何か失礼な人って思いましたけど。でも、逆にこのまま言われるのも嫌だなって、やる気が出たんですよね」
「言い方が悪いと良く言われる。不快な思いをさせていたのならば、すまない」

 氷室さんは罰が悪そうに謝ってくるけど、私も私だったので苦笑して返す。

「でも、それだけ素でぶつかることができていたってことですし。今となってはありがとうって感じですよ」
「そうか。てっきり嫌われているものだと思っていたが」

 ゆっくりと身体を離される。
 でも、微笑しながら右の手のひらで私の頭を撫でてくれていて、凄く恥ずかしい。

 待って、私まだ返事してないのに。
 もしかして氷室さんって心を許すと、とことん甘やかしてくれるタイプとか?

「あの、私、まだお返事していないんですけど」
「すまない、つい撫でたくなってしまって」

 サラっと返されるのも恥ずかしい。
 いい大人がこの程度で顔を赤くしてるだなんて。
 学生みたいなリアクションになっちゃうのは、多分氷室さんのせいだ。
 そう、思いたい。

「もう……でも、私も今までよく分かってませんでしたけど。氷室さんとお話するのも、撫でられるのも、嫌じゃありませんし。逆に社長にされると違和感あるなって思ってましたから」
「違和感?」
「はい、違和感です。氷室さんならいいかなって思う自分に気付いたのは、最近ですけど……」

 社長のことが嫌いって訳じゃないけど、恋愛感情とは違う。
 血縁関係じゃなかったとしても、社長とお付き合いするという感覚は、私の中にはない。

「好きって言ってくださって、ありがとうございます。私も、真剣で真っ直ぐな氷室さんのこと、好きみたいです」
「みたいです、とは。ハッキリしないな」
「だって、急すぎて。私も驚いているというか。だから、これからもっと好きになれたらいいなって、思います」

 見上げて悪戯っぽく笑いかけると、氷室さんも瞬きしたあとに表情を柔らかく崩した。

「なら、良かった。これ以上嫌われないのなら安心だ」
「そこはもう少し自信を持ってください。最初に比べたら、好感度がぐんぐん上昇してますから」

 クスクスと笑うと、改めて優しく微笑まれた。
 氷室さんは、笑顔になると破壊力がある。
 硬かった表情が溶けて、優しく見えるから。

 笑顔の氷室さんが見られて、本当に良かった。
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