121 / 176
連載
起こした竜を宥める方法
しおりを挟む
「この決闘はデジェレネス公爵家の名の下に、ブランシェット卿が立会人を務めたと聞いた。我が婚約者サフィラスは身分こそ平民だが、ヴァンダーウォール辺境伯家当主が認めた私の正式な婚約者だ。間も無く我らが一族となるサフィラスを奴隷にするとハワード侯爵子息は女神に宣言したそうだが、それは真か?」
ケレイブに聞くまでもなく随分詳しく知っているようだけど、パーシヴァルは一体いつから決闘を見ていたんだ?
「……確かに、マルティネス君はそのように宣言した。だが、結果としてサフィラス君が勝利したのだから問題はあるまい?」
いや、問題大有りだろう。問題があるからパーシヴァルがこんなに怒っているんだぞ! この調子だと、今日はクレアーレにランチを食べに行くのはきっと無理だ。お前らどう責任をとってくれるんだよ。
そもそもリアムが調子に乗って奴隷だなんて言わなければ、決闘をしたって小言程度で許してもらえたかもしれないのに。
「問題がない? 貴殿は本気でそのようなことをおっしゃるのか? 女神の御前で行われる決闘は、その結果を覆す事ができない。そのことは女神を信仰するものならば誰でも知っている。万が一の結果だった場合、我が婚約者はハワード侯爵子息の奴隷になるところだったのだ。もしそのようなことになれば、ヴァンダーウォールはサフィラスを取り戻すためにあらゆる手段を講じる覚悟がある。そもそも我が婚約者は貴国の王太子殿下の懇請によりこの学園に留学しているのだ。当初、サフィラスの後援者であらせられるブルームフィールド公爵閣下は、留学の話を断るつもりだった。当然我が国の国王陛下もそれを認めていた。だが、両国友好の架け橋の一助となればと、サフィラスは貴国の王太子殿下の希望に応えたのだ。だというのに、その彼に対してこの学園の対応は到底看過できない。入校初日からの失礼な態度の数々を上げ連ねればキリがないが、先日はそこのハワード侯爵子息と学友らに池に突き落とされている。挙句この決闘では我が婚約者を奴隷にするとの宣言。これは我がヴァンダーウォール辺境伯家、ひいてはソルモンターナ王国を侮辱していると思わざるを得ない」
普段寡黙なパーシヴァルが饒舌すぎる……俺が架け橋でここにいるわけじゃないことを知っているのに、ものはいいようだ。
ケレイブは貴族らしく薄く笑っているのでこの状況をどう思っているかはわからないが、次から次へと出てくる蔑ろにはできない人物の存在に、魔法講師とリアムは完全に顔色を無くしている。リアムはそうじゃなくても涙と鼻水で酷い顔をしているのに、いっそう見られない様相になってしまった。
かくいう俺も、間違いなく青ざめている。さすがヴァンダーウォールで幼い頃から魔獣討伐に参加しているだけはある。俺に向けられたものじゃないとはいえ関係者ではあるので、威圧が人ごとではない。
普段怒らない人間こそ、怒らせてはならない。俺は今こそ心に刻んだ。
「この件についてはヴァンダーウォール辺境伯家より、ソルモンターナ王国国王陛下を通し、正式に抗議させていただく。それでは失礼する。行こう、サフィラス」
決して乱暴ではないけれど、パーシヴァルにしっかりと背中を支えられてその場を退場することになった。
ケレイブは俺たちを引き止める事はなかった。集まっている学生たちの視線を集めながら、演習場から出る。パーシヴァルは前を見たまま黙っていて、ものすごく声をかけずらい。いっそ馬鹿者! とか、調子に乗りすぎだ! とか怒鳴られた方がよかった。いつもだったら、何も話さなくたって居心地のいいパーシヴァルの側なのに、今はすぐにでも逃げ出したい気分だ。頼むから黙っていないで何か言ってくれないかな……
誘導されるまま、気がつけば北棟の寮にまできていた。俺が一緒だったのでエントランスで寮監に声をかけられたけれど、パーシヴァルは部屋に招き入れる許可はとっていると、しれっと言い切った。ちゃんとした入口から部屋に入るのは、この学院に来た初日以来だ。
部屋に入ると重々しく扉が閉まり、俺たちは正真正銘二人きりになった。
向かい合ったパーシヴァルは沈黙している。さっきまでの饒舌だった彼はどこに行った?
「……あ、あの……パーシヴァル、ごめん」
沈黙に耐えられなくなった俺が先に口を開く。
「それは一体何に対する謝罪だろうか?」
「え? ……えーっと、勝手に決闘をしたこと」
パーシヴァルは黙って俺を見ている。眉間には深い皺。やっぱり、一番怒っているのは決闘のことじゃないよねぇ。
「それと……リアムが俺を奴隷にするって宣言したのを受け入れたこと……かな?」
「……運命の女神は慈悲深いが、とても気紛れだ。罷り間違ってもあの程度の魔法使いにサフィラスが負ける事はないだろうが、気紛れを起こした女神がどんな悪戯を思いつくかわからない。何が起ころうとも俺はサフィラスを守りきるが、たとえ一瞬でもサフィラスが奴隷の身分となるのは許せないし耐えられない」
強くそう言ったパーシヴァルの目には、怒りとも悲しみとも言えない色が浮かんでいた。
ああ、そうだよな。俺だってパーシヴァルを奴隷にするなんて言う奴がいたら、問答無用でそいつをぶっ飛ばしている。パーシヴァルが怒っているのは、そう言う事なんだ。
俺はあんな奴に絶対負けないし、万が一女神の悪戯でうっかり奴隷になったとしても、誰にも縛られることはない。だってすぐに逃げ出せるし、絶対に捕まらない自信がある。でも、そういうことじゃなくて、俺はパーシヴァルの婚約者で、パーシヴァルは俺のことを大事に思ってくれている。そのことを忘れているわけじゃないけど……いや、普段は完全に忘れてるな。だからこそのこの事態だ。調子に乗っていたのは、リアムじゃなくて俺だったかもしれない。ごめんパーシヴァル。
俺は背伸びをして、パーシヴァルの唇に自分の唇をチョンと触れ合わせた。パーシヴァルからはしてもらってたけど、たまには俺から。俺だってパーシヴァルを大切に思ってるんだ。接吻一つで気持ちが伝えられるなら、恥ずかしがっている場合じゃない。
唇を離すと、さっきまで難しい顔をしていたパーシヴァルが驚きに目を見開いていた。すっかり怒りも悲しみも消え去った顔をしている。不意打ちが成功した俺はヘラっと笑って、あんな決闘はもうしないよと言おうとしたら、口を開く前にパーシヴァルにぎゅっと抱きしめられて唇を塞がれた。それは俺がしたような、ちょっと触れて離れるのとは全く違う。
「んっ……」
幾度も角度を変えるように唇を触れ合わせる口付け。いつもだったら触れるだけの接吻でもどうにかなりそうなほど恥ずかしくなるはずなのに、今は次第に重なりが深くなってゆく温かくて柔らかい感触に、だんだん気持ちよくなって目を閉じる。抱きしめられているのをいいことに力を抜いて身を委ねれば、パーシヴァルの腕がグッと俺の体を支えてくれた。
「はぁ……ん、」
自分でも驚くほど蕩けた息が漏れる。
このままずっと口付けててもいいな、なんてぼんやりしてきた頭で思っていれば、空気が読めない俺の腹が空腹を訴えてグゥと鳴いた。
長い接吻に酔っていた俺の頭が一気に正気に戻る。
「……」
「……ふっ。そろそろ食事に行こうか」
パーシヴァルは笑っていて、ついさっきまで俺たちの間にあったふわんとしてとろんとした雰囲気はすっかり霧散していたけれど、彼の唇は生々しく濡れているし、俺の唇には柔らかく何度も喰まれた感触がはっきりと残っている。体がもぞもぞむずむずと落ち着かなくなって、パーシヴァルの腕からさりげなく逃れた。
「うん……」
「さすがに今からクレアーレのカフェテリアに行ってもランチは残っていないだろう。クレアーレに戻るのは明日からにして、今日はケルサスに行って昼を食べないか?」
「え、いいの?」
今からケルサスに行ったら完全に午後の授業に間に合わない。それはつまり真面目なパーシヴァルが、午後の授業はサボろうと言っているのと同義だ。俺はてっきりここのカフェで残っているものを掻き込んで、授業に出るのかなって思っていた。
「あんなことがあった後で、ここで食事をしようなどという気にはならない」
あ、まだ溜飲は下がっていないわけですね。
パーシヴァルがちょっと怒りの気配を漂わせたので、急いで外に出る準備に取り掛かった。兎にも角にも、さっさとお腹いっぱいになって決闘の件はとっとと忘れてもらおう。
そうだ、そうだ、それがいい!
ケレイブに聞くまでもなく随分詳しく知っているようだけど、パーシヴァルは一体いつから決闘を見ていたんだ?
「……確かに、マルティネス君はそのように宣言した。だが、結果としてサフィラス君が勝利したのだから問題はあるまい?」
いや、問題大有りだろう。問題があるからパーシヴァルがこんなに怒っているんだぞ! この調子だと、今日はクレアーレにランチを食べに行くのはきっと無理だ。お前らどう責任をとってくれるんだよ。
そもそもリアムが調子に乗って奴隷だなんて言わなければ、決闘をしたって小言程度で許してもらえたかもしれないのに。
「問題がない? 貴殿は本気でそのようなことをおっしゃるのか? 女神の御前で行われる決闘は、その結果を覆す事ができない。そのことは女神を信仰するものならば誰でも知っている。万が一の結果だった場合、我が婚約者はハワード侯爵子息の奴隷になるところだったのだ。もしそのようなことになれば、ヴァンダーウォールはサフィラスを取り戻すためにあらゆる手段を講じる覚悟がある。そもそも我が婚約者は貴国の王太子殿下の懇請によりこの学園に留学しているのだ。当初、サフィラスの後援者であらせられるブルームフィールド公爵閣下は、留学の話を断るつもりだった。当然我が国の国王陛下もそれを認めていた。だが、両国友好の架け橋の一助となればと、サフィラスは貴国の王太子殿下の希望に応えたのだ。だというのに、その彼に対してこの学園の対応は到底看過できない。入校初日からの失礼な態度の数々を上げ連ねればキリがないが、先日はそこのハワード侯爵子息と学友らに池に突き落とされている。挙句この決闘では我が婚約者を奴隷にするとの宣言。これは我がヴァンダーウォール辺境伯家、ひいてはソルモンターナ王国を侮辱していると思わざるを得ない」
普段寡黙なパーシヴァルが饒舌すぎる……俺が架け橋でここにいるわけじゃないことを知っているのに、ものはいいようだ。
ケレイブは貴族らしく薄く笑っているのでこの状況をどう思っているかはわからないが、次から次へと出てくる蔑ろにはできない人物の存在に、魔法講師とリアムは完全に顔色を無くしている。リアムはそうじゃなくても涙と鼻水で酷い顔をしているのに、いっそう見られない様相になってしまった。
かくいう俺も、間違いなく青ざめている。さすがヴァンダーウォールで幼い頃から魔獣討伐に参加しているだけはある。俺に向けられたものじゃないとはいえ関係者ではあるので、威圧が人ごとではない。
普段怒らない人間こそ、怒らせてはならない。俺は今こそ心に刻んだ。
「この件についてはヴァンダーウォール辺境伯家より、ソルモンターナ王国国王陛下を通し、正式に抗議させていただく。それでは失礼する。行こう、サフィラス」
決して乱暴ではないけれど、パーシヴァルにしっかりと背中を支えられてその場を退場することになった。
ケレイブは俺たちを引き止める事はなかった。集まっている学生たちの視線を集めながら、演習場から出る。パーシヴァルは前を見たまま黙っていて、ものすごく声をかけずらい。いっそ馬鹿者! とか、調子に乗りすぎだ! とか怒鳴られた方がよかった。いつもだったら、何も話さなくたって居心地のいいパーシヴァルの側なのに、今はすぐにでも逃げ出したい気分だ。頼むから黙っていないで何か言ってくれないかな……
誘導されるまま、気がつけば北棟の寮にまできていた。俺が一緒だったのでエントランスで寮監に声をかけられたけれど、パーシヴァルは部屋に招き入れる許可はとっていると、しれっと言い切った。ちゃんとした入口から部屋に入るのは、この学院に来た初日以来だ。
部屋に入ると重々しく扉が閉まり、俺たちは正真正銘二人きりになった。
向かい合ったパーシヴァルは沈黙している。さっきまでの饒舌だった彼はどこに行った?
「……あ、あの……パーシヴァル、ごめん」
沈黙に耐えられなくなった俺が先に口を開く。
「それは一体何に対する謝罪だろうか?」
「え? ……えーっと、勝手に決闘をしたこと」
パーシヴァルは黙って俺を見ている。眉間には深い皺。やっぱり、一番怒っているのは決闘のことじゃないよねぇ。
「それと……リアムが俺を奴隷にするって宣言したのを受け入れたこと……かな?」
「……運命の女神は慈悲深いが、とても気紛れだ。罷り間違ってもあの程度の魔法使いにサフィラスが負ける事はないだろうが、気紛れを起こした女神がどんな悪戯を思いつくかわからない。何が起ころうとも俺はサフィラスを守りきるが、たとえ一瞬でもサフィラスが奴隷の身分となるのは許せないし耐えられない」
強くそう言ったパーシヴァルの目には、怒りとも悲しみとも言えない色が浮かんでいた。
ああ、そうだよな。俺だってパーシヴァルを奴隷にするなんて言う奴がいたら、問答無用でそいつをぶっ飛ばしている。パーシヴァルが怒っているのは、そう言う事なんだ。
俺はあんな奴に絶対負けないし、万が一女神の悪戯でうっかり奴隷になったとしても、誰にも縛られることはない。だってすぐに逃げ出せるし、絶対に捕まらない自信がある。でも、そういうことじゃなくて、俺はパーシヴァルの婚約者で、パーシヴァルは俺のことを大事に思ってくれている。そのことを忘れているわけじゃないけど……いや、普段は完全に忘れてるな。だからこそのこの事態だ。調子に乗っていたのは、リアムじゃなくて俺だったかもしれない。ごめんパーシヴァル。
俺は背伸びをして、パーシヴァルの唇に自分の唇をチョンと触れ合わせた。パーシヴァルからはしてもらってたけど、たまには俺から。俺だってパーシヴァルを大切に思ってるんだ。接吻一つで気持ちが伝えられるなら、恥ずかしがっている場合じゃない。
唇を離すと、さっきまで難しい顔をしていたパーシヴァルが驚きに目を見開いていた。すっかり怒りも悲しみも消え去った顔をしている。不意打ちが成功した俺はヘラっと笑って、あんな決闘はもうしないよと言おうとしたら、口を開く前にパーシヴァルにぎゅっと抱きしめられて唇を塞がれた。それは俺がしたような、ちょっと触れて離れるのとは全く違う。
「んっ……」
幾度も角度を変えるように唇を触れ合わせる口付け。いつもだったら触れるだけの接吻でもどうにかなりそうなほど恥ずかしくなるはずなのに、今は次第に重なりが深くなってゆく温かくて柔らかい感触に、だんだん気持ちよくなって目を閉じる。抱きしめられているのをいいことに力を抜いて身を委ねれば、パーシヴァルの腕がグッと俺の体を支えてくれた。
「はぁ……ん、」
自分でも驚くほど蕩けた息が漏れる。
このままずっと口付けててもいいな、なんてぼんやりしてきた頭で思っていれば、空気が読めない俺の腹が空腹を訴えてグゥと鳴いた。
長い接吻に酔っていた俺の頭が一気に正気に戻る。
「……」
「……ふっ。そろそろ食事に行こうか」
パーシヴァルは笑っていて、ついさっきまで俺たちの間にあったふわんとしてとろんとした雰囲気はすっかり霧散していたけれど、彼の唇は生々しく濡れているし、俺の唇には柔らかく何度も喰まれた感触がはっきりと残っている。体がもぞもぞむずむずと落ち着かなくなって、パーシヴァルの腕からさりげなく逃れた。
「うん……」
「さすがに今からクレアーレのカフェテリアに行ってもランチは残っていないだろう。クレアーレに戻るのは明日からにして、今日はケルサスに行って昼を食べないか?」
「え、いいの?」
今からケルサスに行ったら完全に午後の授業に間に合わない。それはつまり真面目なパーシヴァルが、午後の授業はサボろうと言っているのと同義だ。俺はてっきりここのカフェで残っているものを掻き込んで、授業に出るのかなって思っていた。
「あんなことがあった後で、ここで食事をしようなどという気にはならない」
あ、まだ溜飲は下がっていないわけですね。
パーシヴァルがちょっと怒りの気配を漂わせたので、急いで外に出る準備に取り掛かった。兎にも角にも、さっさとお腹いっぱいになって決闘の件はとっとと忘れてもらおう。
そうだ、そうだ、それがいい!
1,132
お気に入りに追加
11,572
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
婚約破棄署名したらどうでも良くなった僕の話
黄金
BL
婚約破棄を言い渡され、署名をしたら前世を思い出した。
恋も恋愛もどうでもいい。
そう考えたノジュエール・セディエルトは、騎士団で魔法使いとして生きていくことにする。
二万字程度の短い話です。
6話完結。+おまけフィーリオルのを1話追加します。
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。