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衣装が思っていたよりも派手だった件
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人でごった返す通りで、以前ノマドのお婆さんが店を出していた場所を探す。何しろ誘惑が多くて、ちょくちょく気が逸れるので、なかなか見つけられない。
「……あ、いた!」
ようやく見覚えのある辺りに辿り着くと、予想通りお婆さんは以前と同じ場所に店を出していた。店には相変わらずよくわからないガラクタのような品物が並んでいる。
「お婆さん、久しぶり!」
「おや、お前さんは、あの時の……」
「この時期なら、きっと戻ってきているんじゃないかと思ったんだ。よかったよ、見つかって。はい、これ」
俺は戦乙女の誓いの残りの代金が入った皮の小袋をお婆さんに手渡す。お婆さんは小袋の中身を確かめて、少し驚いた顔をした。
「……料金を踏み倒す事だってできたのに、お前さんは真面目だねぇ」
「お婆さんだって約束を守ってくれたじゃないか。だったら俺もちゃんと約束を守らなきゃ」
無事に支払いが終わってよかった。これで安心して新年を迎えることができる。
「そうかい、そうかい。わざわざ支払いにきてくれたんだから、お前さんの運勢を見てやろうかね。ほら、手を出してご覧」
「うん」
言われるまま素直に右手を差し出せば、お婆さんの皺皺で骨張った手が俺の手をぎゅっと握る。途端に暖かくて不思議な感覚が、お婆さんの手を通して俺の中に流れ込んで来た。ノマドには占いや呪いに長けた魔法使いがいると聞いたことがあるけど、このお婆さんの正体は呪い師だったのか。
「おやおや、これはこれは……」
手を握ってじっと目を閉じていたお婆さんが、感嘆の声を上げた。
「お前さん、とんでもない運命を持っているね……これから相当波乱の人生を歩むことになるだろうよ」
このお婆さんの占いは本物だな。俺は既に波乱の人生を歩いている。というか、これからも波乱と無縁ではいられないんだ。しかも、相当ときたもんだ。退屈な人生を送るよりは波乱の人生の方が面白そうだから、ちっとも構わないけど。それに、平穏無事に過ごしているよりも、騒動に巻き込まれて右往左往している俺の姿を見せる方が、女神も喜ぶだろう。
「……だが、安心するがいいよ。お前さんには稀に見る強運持ちだ。その強運のお陰で、どんな波乱も乗り切る事ができるだろう……それに、お前さんの側にはとても強い星がある。太陽のように強い光なのに、包み込むような暖かさでお前さんを照らしている。他にも、お前さんを取り巻く星がいくつか見えるよ。そのどれもが、お前さんを照らすように光っている」
太陽のような強い光って、まさか女神のことじゃないよな。必要なものだけ与えて、後は放り出したって感じだったから、どう考えても包み込むとは縁遠い。
お婆さんは目を開けて俺の手を離す。同時に流れ込んでいた暖かい感覚が、スーッと離れていく。
「最初に見た時から、変わった気配を持った子だと思っていたけれど。お前さんのような運命を持っている者は、今までに見た事がないよ」
それもそうだろう。俺は一度死んで、前世の記憶を持ったまま150年後に再び生まれた。なかなか珍しい存在だと思うよ。
「気が向いたら、また訪ねておいで。縁があれば、こうして会えるだろう。その時は占ってあげるよ」
「……ありがとう。それじゃぁまたね、お婆さん」
あまり長く戻らなかったらパーシヴァルに心配されてしまうかもしれないので、俺はお婆さんに暇を告げてパパッと城に戻った。そして、美味しい朝食をたっぷりと味わったのだった。
午後は昨日アデライン夫人に言われた通りの衣装合わせ。
俺とパーシヴァル以外のベリサリオ家の人たちは、既にパーティのための衣装は作り終わっているそうだ。
「後は貴方達だけなのよ。夏に来たときに採寸しているから、それでお衣装の準備をしたの。あれから結構時間が経っているし、2人は成長期でしょう。細かいお直しが結構あるんじゃないかしら……さぁ、どうぞ。こちらよ」
アデライン夫人に案内された部屋には既にたくさんのお針子さん達が待っていて、トルソーには2着の黒い衣装が着せられていた。
「どうかしら? とても良くできていると思うのよ」
アデライン夫人はご機嫌の様子だが、俺とパーシヴァルは衣装を見るなり思わず顔を見合わせた。
2着の衣装の大きい方は、右肩から左身頃の下に向かうように、竜の翼が金の刺繍で描かれている。竜の翼の皮膜にあたる部分は金糸の他に濃い青と空色の艶々した糸も使って、細かな蔦模様で表現されていた。翼は力強さと同時に繊細さも兼ね備えていて、刺繍を指したお針子さんの技術の高さが窺える。
そしてもう1着の小さい方は、大きい衣装と全く同じ刺繍が左から右へと向かって施されて、並んで立った時に双翼になるように作られていた。しかも、俺とパーシヴァルの身長差もちゃんと考えてられていて、竜の翼が不自然に見えないように仕立てられている。ヴァンダーウォールが竜の紋章だからこその、この意匠なんだろう。
よくわからないが、俺はこの衣装にアデライン夫人の、パーティに向ける本気を見た気がした。ヴァンダーウォールでは滅多に行なわれないパーティ大きなパーティだけに、気合の入り方が違うんだろう。だけど、友人同志の仲の良さを表す服にしては、ちょっとやりすぎのような気もするんだけど。
「さ、2人とも、早くお衣装を合わせて見せてちょうだい。皆様、お願いします」
「はい、奥様」
総勢6人(!)のお針子さん達が一斉に動いて、俺とパーシヴァルに衣装を着せてゆく。
「前回と寸法に大きくお変わりはありませんわね。お袖もこのままで良さそうです」
「ですが、身長はお伸びになりましたわ。おズボンの裾は少し長めにしたほうがよろしいですわね」
「え? 身長伸びてますか?」
「ええ、前回寸法をお計りさせて頂いた時よりも、伸びておりますわ」
やった! これで、ちょっとはパーシヴァルに近づいたんじゃないか?!
「ねぇ! パーシヴァル……」
「パーシヴァル様、また身長がお伸びになりましたわね。おズボンの裾がギリギリでしたわ。お袖の方も、もう少し余裕を持たせましょう」
……まぁ、そうだよな。視線の位置が変わってないもん。いや、むしろ、話しかける時に前よりちょっと上を向かないとパーシヴァルの顔が見え難いような気がしてたんだ。敢えて気にしないようにしていたけど。
「……一瞬の喜びだった」
「どうした、サフィラス?」
「いや、なんでもない……」
「?」
3度目の人生があるなら、魔法と強運の他に高身長の祝福を与えてほしい。前世だって、今よりはずっと背は高かったけど、バイロンやエヴァンに比べればやっぱり低かった。きっと俺は仲間より背が高くなれない呪いにかかっているのかもしれない。
身長問題に気を取られて俺が遠い目をしている間に、衣装はどんどん仕上がってゆく。
「……できました。奥様、如何でございましょう?」
パーシヴァルと俺は並んでアデライン夫人の前に立つ。
「ええ、ええ! とても素晴らしいわ!」
アデライン夫人はとても満足そうだ。でもこの衣装、俺にはちょっと派手すぎるんじゃないかな?
パーシヴァルは背も高いし、金髪が黒の衣装によく映える。それに比べて俺は小柄だから、衣装に対して刺繍の占める割合が大きくて、一層派手に見える気がするんだよ。服に着られちゃっていないか?
「あの……俺にはちょっと派手すぎませんか?」
「いいえ、そんな事はありませんよ。サフィラスさんは品がある佇まいをしているのだから、これくらい派手でもなんでもありません」
「そうですわ、サフィラス様」
「お二人とも、とても素敵ですよ」
いつの間にかサンドリオンさんとクリステラさんが揃っていて、アデライン夫人と3人で似合う似合うと声を揃えて褒めちぎるものだから、俺はそれ以上は何も言えなくなってしまった。
「パーシヴァルはいいの?」
「何がだ?」
「俺とお揃いの衣装で」
「サフィラスは嫌なのか?」
「嫌じゃないよ。ただ、俺なんかがこんなすごい衣装着ちゃっていいのかなって……」
こんな豪華な服は不釣り合いのような気がするし、しかも辺境伯家子息のパーシヴァルと同じ衣装を誂えて貰っちゃって、申し訳ないと言うかなんというか。
「俺はサフィラスと揃いの服を着ることができて光栄だ。それにこの衣装はサフィラスによく似合っていると思う。金の刺繍に黒髪がよく映える」
「そう、かな?」
パーシヴァルがそう言うのなら、まぁ、いいか。
「……あ、いた!」
ようやく見覚えのある辺りに辿り着くと、予想通りお婆さんは以前と同じ場所に店を出していた。店には相変わらずよくわからないガラクタのような品物が並んでいる。
「お婆さん、久しぶり!」
「おや、お前さんは、あの時の……」
「この時期なら、きっと戻ってきているんじゃないかと思ったんだ。よかったよ、見つかって。はい、これ」
俺は戦乙女の誓いの残りの代金が入った皮の小袋をお婆さんに手渡す。お婆さんは小袋の中身を確かめて、少し驚いた顔をした。
「……料金を踏み倒す事だってできたのに、お前さんは真面目だねぇ」
「お婆さんだって約束を守ってくれたじゃないか。だったら俺もちゃんと約束を守らなきゃ」
無事に支払いが終わってよかった。これで安心して新年を迎えることができる。
「そうかい、そうかい。わざわざ支払いにきてくれたんだから、お前さんの運勢を見てやろうかね。ほら、手を出してご覧」
「うん」
言われるまま素直に右手を差し出せば、お婆さんの皺皺で骨張った手が俺の手をぎゅっと握る。途端に暖かくて不思議な感覚が、お婆さんの手を通して俺の中に流れ込んで来た。ノマドには占いや呪いに長けた魔法使いがいると聞いたことがあるけど、このお婆さんの正体は呪い師だったのか。
「おやおや、これはこれは……」
手を握ってじっと目を閉じていたお婆さんが、感嘆の声を上げた。
「お前さん、とんでもない運命を持っているね……これから相当波乱の人生を歩むことになるだろうよ」
このお婆さんの占いは本物だな。俺は既に波乱の人生を歩いている。というか、これからも波乱と無縁ではいられないんだ。しかも、相当ときたもんだ。退屈な人生を送るよりは波乱の人生の方が面白そうだから、ちっとも構わないけど。それに、平穏無事に過ごしているよりも、騒動に巻き込まれて右往左往している俺の姿を見せる方が、女神も喜ぶだろう。
「……だが、安心するがいいよ。お前さんには稀に見る強運持ちだ。その強運のお陰で、どんな波乱も乗り切る事ができるだろう……それに、お前さんの側にはとても強い星がある。太陽のように強い光なのに、包み込むような暖かさでお前さんを照らしている。他にも、お前さんを取り巻く星がいくつか見えるよ。そのどれもが、お前さんを照らすように光っている」
太陽のような強い光って、まさか女神のことじゃないよな。必要なものだけ与えて、後は放り出したって感じだったから、どう考えても包み込むとは縁遠い。
お婆さんは目を開けて俺の手を離す。同時に流れ込んでいた暖かい感覚が、スーッと離れていく。
「最初に見た時から、変わった気配を持った子だと思っていたけれど。お前さんのような運命を持っている者は、今までに見た事がないよ」
それもそうだろう。俺は一度死んで、前世の記憶を持ったまま150年後に再び生まれた。なかなか珍しい存在だと思うよ。
「気が向いたら、また訪ねておいで。縁があれば、こうして会えるだろう。その時は占ってあげるよ」
「……ありがとう。それじゃぁまたね、お婆さん」
あまり長く戻らなかったらパーシヴァルに心配されてしまうかもしれないので、俺はお婆さんに暇を告げてパパッと城に戻った。そして、美味しい朝食をたっぷりと味わったのだった。
午後は昨日アデライン夫人に言われた通りの衣装合わせ。
俺とパーシヴァル以外のベリサリオ家の人たちは、既にパーティのための衣装は作り終わっているそうだ。
「後は貴方達だけなのよ。夏に来たときに採寸しているから、それでお衣装の準備をしたの。あれから結構時間が経っているし、2人は成長期でしょう。細かいお直しが結構あるんじゃないかしら……さぁ、どうぞ。こちらよ」
アデライン夫人に案内された部屋には既にたくさんのお針子さん達が待っていて、トルソーには2着の黒い衣装が着せられていた。
「どうかしら? とても良くできていると思うのよ」
アデライン夫人はご機嫌の様子だが、俺とパーシヴァルは衣装を見るなり思わず顔を見合わせた。
2着の衣装の大きい方は、右肩から左身頃の下に向かうように、竜の翼が金の刺繍で描かれている。竜の翼の皮膜にあたる部分は金糸の他に濃い青と空色の艶々した糸も使って、細かな蔦模様で表現されていた。翼は力強さと同時に繊細さも兼ね備えていて、刺繍を指したお針子さんの技術の高さが窺える。
そしてもう1着の小さい方は、大きい衣装と全く同じ刺繍が左から右へと向かって施されて、並んで立った時に双翼になるように作られていた。しかも、俺とパーシヴァルの身長差もちゃんと考えてられていて、竜の翼が不自然に見えないように仕立てられている。ヴァンダーウォールが竜の紋章だからこその、この意匠なんだろう。
よくわからないが、俺はこの衣装にアデライン夫人の、パーティに向ける本気を見た気がした。ヴァンダーウォールでは滅多に行なわれないパーティ大きなパーティだけに、気合の入り方が違うんだろう。だけど、友人同志の仲の良さを表す服にしては、ちょっとやりすぎのような気もするんだけど。
「さ、2人とも、早くお衣装を合わせて見せてちょうだい。皆様、お願いします」
「はい、奥様」
総勢6人(!)のお針子さん達が一斉に動いて、俺とパーシヴァルに衣装を着せてゆく。
「前回と寸法に大きくお変わりはありませんわね。お袖もこのままで良さそうです」
「ですが、身長はお伸びになりましたわ。おズボンの裾は少し長めにしたほうがよろしいですわね」
「え? 身長伸びてますか?」
「ええ、前回寸法をお計りさせて頂いた時よりも、伸びておりますわ」
やった! これで、ちょっとはパーシヴァルに近づいたんじゃないか?!
「ねぇ! パーシヴァル……」
「パーシヴァル様、また身長がお伸びになりましたわね。おズボンの裾がギリギリでしたわ。お袖の方も、もう少し余裕を持たせましょう」
……まぁ、そうだよな。視線の位置が変わってないもん。いや、むしろ、話しかける時に前よりちょっと上を向かないとパーシヴァルの顔が見え難いような気がしてたんだ。敢えて気にしないようにしていたけど。
「……一瞬の喜びだった」
「どうした、サフィラス?」
「いや、なんでもない……」
「?」
3度目の人生があるなら、魔法と強運の他に高身長の祝福を与えてほしい。前世だって、今よりはずっと背は高かったけど、バイロンやエヴァンに比べればやっぱり低かった。きっと俺は仲間より背が高くなれない呪いにかかっているのかもしれない。
身長問題に気を取られて俺が遠い目をしている間に、衣装はどんどん仕上がってゆく。
「……できました。奥様、如何でございましょう?」
パーシヴァルと俺は並んでアデライン夫人の前に立つ。
「ええ、ええ! とても素晴らしいわ!」
アデライン夫人はとても満足そうだ。でもこの衣装、俺にはちょっと派手すぎるんじゃないかな?
パーシヴァルは背も高いし、金髪が黒の衣装によく映える。それに比べて俺は小柄だから、衣装に対して刺繍の占める割合が大きくて、一層派手に見える気がするんだよ。服に着られちゃっていないか?
「あの……俺にはちょっと派手すぎませんか?」
「いいえ、そんな事はありませんよ。サフィラスさんは品がある佇まいをしているのだから、これくらい派手でもなんでもありません」
「そうですわ、サフィラス様」
「お二人とも、とても素敵ですよ」
いつの間にかサンドリオンさんとクリステラさんが揃っていて、アデライン夫人と3人で似合う似合うと声を揃えて褒めちぎるものだから、俺はそれ以上は何も言えなくなってしまった。
「パーシヴァルはいいの?」
「何がだ?」
「俺とお揃いの衣装で」
「サフィラスは嫌なのか?」
「嫌じゃないよ。ただ、俺なんかがこんなすごい衣装着ちゃっていいのかなって……」
こんな豪華な服は不釣り合いのような気がするし、しかも辺境伯家子息のパーシヴァルと同じ衣装を誂えて貰っちゃって、申し訳ないと言うかなんというか。
「俺はサフィラスと揃いの服を着ることができて光栄だ。それにこの衣装はサフィラスによく似合っていると思う。金の刺繍に黒髪がよく映える」
「そう、かな?」
パーシヴァルがそう言うのなら、まぁ、いいか。
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