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ヴァンダーウォールの異変
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今回に限りということで、夜間の無断外出については見逃してもらった。
少しは反省しているので、暫くは大人しくしていようと心に誓う。まだ一度目だから大丈夫だとは思うけど、女神の微笑みも3度までともいうし。それにアウローラのような完璧なご令嬢を怒らせたら、竜を怒らせるより大変なことになりそうだ。
それから赤髪のお兄さんは、お礼を言いにきたはずなのに最後は謝罪で締め括って帰っていった。
パーシヴァルに指輪を貰ってから色々と騒がしかった俺の周辺も、一週間も経てばだいぶ落ち着いた。
赤髪は「せめて友人としての付き合いを許してほしい」と、今度は静かにやってきたので、彼とは友人になった。根は悪い奴じゃないからな。
あれほど俺を睨んでいたナイジェルは、俺を見ると逃げるようになった。例の噂を振り撒いた件で、だいぶ絞られたらしい。自業自得だな。
漸く静かな学院生活が送れると安堵したところで、机の上に鎮座する名画図録を思い出してしまった。ずっと忘れたままでいたかったけれど、そろそろ到達度試験の事も考えなきゃならないな。
……まぁ、名画についてはまだいいか。今、頭に詰め込んでもきっと忘れる。
伯爵については思うところが有りすぎるけれど、今の俺にはどうすることもできない。ボロでも出して自滅してくれるのが一番なんだけど。万が一伯爵家が無くなっても、夫人はウェリタスとアクィラを連れて実家に戻るだろうから、彼らの心配はしなくても大丈夫だろうし。
解決していない問題はあれど、緩やかな日常に戻り始めていた。
「サフィラス、少しいいだろうか」
一限目が終わると、パーシヴァルがクラスにやってきた。いつも涼しげな表情をしている彼には珍しく、深刻そうな顔をしている。朝食の時にはいつものパーシヴァルだったのに、何かあったのだろうか?
「どうしたの?」
「俺は今からヴァンダーウォールに戻る。暫くはこちらに戻って来られないと思う」
「え? 何かあったの?」
「……ヴァンダーウォールの森で、魔獣が溢れ出した」
周囲に聞こえないよう、一段声を落としたパーシヴァルがそう言った。
「は?」
魔獣が森から溢れただって?
「ついさっき、父から風隼が来た。風隼を飛ばしてくるとは余程のことだ。俺は暫く学院から離れるが、俺がいない間に無茶な事はしないと約束して欲しい」
え? まさかパーシヴァルは俺を置いて行くつもりなのか?
「何を言ってるの、パーシヴァル。俺も行くよ」
「いや、サフィラスを連れて行くことはできない。マテオを全力で飛ばしても、ヴァンダーウォールまで4日はかかる。かなり強行軍になる上に、向こうの様子も解らないんだ」
マテオで行くなんて冗談だろ? 俺の転移なら一瞬なのに。パーシヴァルは真面目がすぎる。便利な俺をどんどん利用すればいいのに、安易に俺に頼らない。彼がそう言う男だって知ってたけど、俺たちは仲間だ。なんの遠慮がいるものか。
「俺は盟友なんだろ? 盟友っていうのは、こういう時にこそ共に戦うものじゃないか。それに、冒険者は仲間の危機には必ず駆けつけるって決まってるんだ。いくらマテオの脚が強靭だって、俺の転移には敵わないよ。俺が行けばどんな状況も必ず好転する。だから、俺を連れて行けって。駄目だって言っても、俺は転移ができるんだからな。パーシヴァルよりも先にヴァンダーウォールに行くからね」
ヴァンダーウォールは俺にとって、第二の故郷と言っても過言じゃない。その故郷が魔獣に荒らされていると聞いて、黙っていられるわけがないだろ。置いて行っても俺は勝手に行くぞ。パーシヴァルの両腕を掴んで訴える。
暫く俺と睨み合っていたパーシヴァルだったけれど、ふっと表情を緩めた。
「……わかった、サフィラス。俺に力を貸して欲しい」
「勿論だ! よし! そうと決まれば、すぐに出発しよう!」
俺はクラスメイトにアウローラへの伝言をお願いする。アウローラなら詳しく説明しなくても、パーシヴァルと行くとさえ伝えれば解ってくれるだろう。ヴァンダーウォールの異変は、今日にでも公爵閣下の耳にも入るはずだから。
パーシヴァルと俺は、マテオを迎えに行ってヴァンダーウォールの城へと転移する。
この間お邪魔した時の長閑さがすっかりと消え去った城は、物々しい雰囲気に包まれていた。
街の人たちが城の敷地内に避難してきているところを見ると、魔獣がオリエンスに侵入したんだろう。ジェイコブさんが兵士たちに指示を出しながら、避難してきた人々を誘導しているところだった。
「ジェイコブ、今戻った」
「パーシヴァル様!? それにサフィラス様も!」
駆け寄ってきたジェイコブさんは、いつものピシッとした執事の姿ではなく、ヴァンダーウォール軍の制服を着ていた。それに、少し疲れているように見える。
「母上は何処に?」
「ホールでサンドリオン様と怪我人の手当てをしております」
「わかった。マテオを頼む。行こう、サフィラス」
「うん」
「サフィラス様」
俺がパーシヴァルと共に行こうとすると、ジェイコブさんに呼び止められる。振り返れば、ジェイコブさんは深々と頭を下げていた。
「ジェイコブさん、今夜はゆっくり休めますよ」
俺はそう言うと、少し先で足を止めて俺を待っているパーシヴァルのところへ走った。
城の中は怪我をした人たちが集められ、さながら野戦病院の様相を呈していた。戦時中を思い起こさせる光景だ。それだけで、今のヴァンダーウォールの状況が芳しくないことが窺える。国の盾と剣と言われるこの地がこんな事になっているなんて、どう考えても尋常じゃない。
アデライン夫人もいつもの貴婦人の装いではなく、シンプルで動きやすい服を身に纏い、厳しい表情で女主人としての采配を振るっていた。
「スザンナ、避難所の方はどうなっていますか?」
「先ほど女性と子供達の食事を配ったところでございます」
「そう、わかりました。サンドリオン、あなたはまず休みなさい。此処数日ずっと治癒の魔法を使い通しなのですからね。休まないと倒れてしまうわ」
「いえ、わたくしはまだ大丈夫ですわ」
「サンドリオンさん、アデライン夫人の言う通りだよ。こんな時こそ休まなければ、却って効率は悪くなる。休める時にしっかり休んで食べないと」
「サフィラスさん?!」
「母上、ただいま戻りました」
「パーシヴァル! ……本当によく戻りました」
パーシヴァルの顔を見たアデライン夫人の表情が僅かに緩んだ。こんな時だ、頼もしい息子が帰って来れば心強いよな。
「サフィラスさん、ここまでパーシヴァルを送ってくださってありがとう。本当に感謝します。今日はおもてなしが出来なくて申し訳ないけれど、落ち着いたら必ず美味しいお肉をご馳走するわ。スザンナ、レモネのお菓子は残っていたはずね。それをサフィラスさんにお渡しして」
「はい! 直ぐにお持ちいたします」
「待ってください、アデライン夫人。俺は一緒に戦うためにここに来たんですよ」
「なんですって?」
「大切な人たちの危機を放って置いて、ひとり王都になんて戻れません。だって、俺はヴァンダーウォールの盟友ですから」
俺は左手を挙げて、パーシヴァルに貰った盟友の証をアデライン夫人に見せる。
「まぁ!」
アデライン夫人はパーシヴァルと同じ青い目を大きく瞬かせると、辺境伯夫人らしく華やかに微笑んだ。
「……そうですか。わかりました、サフィラスさん。あなたの力をお借りするわ」
「任せてください。その為に来たんです」
「母上、状況を説明願います」
「2人とも、こちらへ」
アデライン夫人に案内されて別室に移動する。そこは辺境伯の執務室だった。有事の際は、アデライン夫人がこの部屋の主人になるらしい。
重厚な執務机の上には、オリエンス周辺の詳細な地図が置かれている。
「はっきり言いましょう。現在、オリエンスは大変な危機に直面しています。今の状況でどこまで持ち堪えられるのか、正直分かりません」
少しは反省しているので、暫くは大人しくしていようと心に誓う。まだ一度目だから大丈夫だとは思うけど、女神の微笑みも3度までともいうし。それにアウローラのような完璧なご令嬢を怒らせたら、竜を怒らせるより大変なことになりそうだ。
それから赤髪のお兄さんは、お礼を言いにきたはずなのに最後は謝罪で締め括って帰っていった。
パーシヴァルに指輪を貰ってから色々と騒がしかった俺の周辺も、一週間も経てばだいぶ落ち着いた。
赤髪は「せめて友人としての付き合いを許してほしい」と、今度は静かにやってきたので、彼とは友人になった。根は悪い奴じゃないからな。
あれほど俺を睨んでいたナイジェルは、俺を見ると逃げるようになった。例の噂を振り撒いた件で、だいぶ絞られたらしい。自業自得だな。
漸く静かな学院生活が送れると安堵したところで、机の上に鎮座する名画図録を思い出してしまった。ずっと忘れたままでいたかったけれど、そろそろ到達度試験の事も考えなきゃならないな。
……まぁ、名画についてはまだいいか。今、頭に詰め込んでもきっと忘れる。
伯爵については思うところが有りすぎるけれど、今の俺にはどうすることもできない。ボロでも出して自滅してくれるのが一番なんだけど。万が一伯爵家が無くなっても、夫人はウェリタスとアクィラを連れて実家に戻るだろうから、彼らの心配はしなくても大丈夫だろうし。
解決していない問題はあれど、緩やかな日常に戻り始めていた。
「サフィラス、少しいいだろうか」
一限目が終わると、パーシヴァルがクラスにやってきた。いつも涼しげな表情をしている彼には珍しく、深刻そうな顔をしている。朝食の時にはいつものパーシヴァルだったのに、何かあったのだろうか?
「どうしたの?」
「俺は今からヴァンダーウォールに戻る。暫くはこちらに戻って来られないと思う」
「え? 何かあったの?」
「……ヴァンダーウォールの森で、魔獣が溢れ出した」
周囲に聞こえないよう、一段声を落としたパーシヴァルがそう言った。
「は?」
魔獣が森から溢れただって?
「ついさっき、父から風隼が来た。風隼を飛ばしてくるとは余程のことだ。俺は暫く学院から離れるが、俺がいない間に無茶な事はしないと約束して欲しい」
え? まさかパーシヴァルは俺を置いて行くつもりなのか?
「何を言ってるの、パーシヴァル。俺も行くよ」
「いや、サフィラスを連れて行くことはできない。マテオを全力で飛ばしても、ヴァンダーウォールまで4日はかかる。かなり強行軍になる上に、向こうの様子も解らないんだ」
マテオで行くなんて冗談だろ? 俺の転移なら一瞬なのに。パーシヴァルは真面目がすぎる。便利な俺をどんどん利用すればいいのに、安易に俺に頼らない。彼がそう言う男だって知ってたけど、俺たちは仲間だ。なんの遠慮がいるものか。
「俺は盟友なんだろ? 盟友っていうのは、こういう時にこそ共に戦うものじゃないか。それに、冒険者は仲間の危機には必ず駆けつけるって決まってるんだ。いくらマテオの脚が強靭だって、俺の転移には敵わないよ。俺が行けばどんな状況も必ず好転する。だから、俺を連れて行けって。駄目だって言っても、俺は転移ができるんだからな。パーシヴァルよりも先にヴァンダーウォールに行くからね」
ヴァンダーウォールは俺にとって、第二の故郷と言っても過言じゃない。その故郷が魔獣に荒らされていると聞いて、黙っていられるわけがないだろ。置いて行っても俺は勝手に行くぞ。パーシヴァルの両腕を掴んで訴える。
暫く俺と睨み合っていたパーシヴァルだったけれど、ふっと表情を緩めた。
「……わかった、サフィラス。俺に力を貸して欲しい」
「勿論だ! よし! そうと決まれば、すぐに出発しよう!」
俺はクラスメイトにアウローラへの伝言をお願いする。アウローラなら詳しく説明しなくても、パーシヴァルと行くとさえ伝えれば解ってくれるだろう。ヴァンダーウォールの異変は、今日にでも公爵閣下の耳にも入るはずだから。
パーシヴァルと俺は、マテオを迎えに行ってヴァンダーウォールの城へと転移する。
この間お邪魔した時の長閑さがすっかりと消え去った城は、物々しい雰囲気に包まれていた。
街の人たちが城の敷地内に避難してきているところを見ると、魔獣がオリエンスに侵入したんだろう。ジェイコブさんが兵士たちに指示を出しながら、避難してきた人々を誘導しているところだった。
「ジェイコブ、今戻った」
「パーシヴァル様!? それにサフィラス様も!」
駆け寄ってきたジェイコブさんは、いつものピシッとした執事の姿ではなく、ヴァンダーウォール軍の制服を着ていた。それに、少し疲れているように見える。
「母上は何処に?」
「ホールでサンドリオン様と怪我人の手当てをしております」
「わかった。マテオを頼む。行こう、サフィラス」
「うん」
「サフィラス様」
俺がパーシヴァルと共に行こうとすると、ジェイコブさんに呼び止められる。振り返れば、ジェイコブさんは深々と頭を下げていた。
「ジェイコブさん、今夜はゆっくり休めますよ」
俺はそう言うと、少し先で足を止めて俺を待っているパーシヴァルのところへ走った。
城の中は怪我をした人たちが集められ、さながら野戦病院の様相を呈していた。戦時中を思い起こさせる光景だ。それだけで、今のヴァンダーウォールの状況が芳しくないことが窺える。国の盾と剣と言われるこの地がこんな事になっているなんて、どう考えても尋常じゃない。
アデライン夫人もいつもの貴婦人の装いではなく、シンプルで動きやすい服を身に纏い、厳しい表情で女主人としての采配を振るっていた。
「スザンナ、避難所の方はどうなっていますか?」
「先ほど女性と子供達の食事を配ったところでございます」
「そう、わかりました。サンドリオン、あなたはまず休みなさい。此処数日ずっと治癒の魔法を使い通しなのですからね。休まないと倒れてしまうわ」
「いえ、わたくしはまだ大丈夫ですわ」
「サンドリオンさん、アデライン夫人の言う通りだよ。こんな時こそ休まなければ、却って効率は悪くなる。休める時にしっかり休んで食べないと」
「サフィラスさん?!」
「母上、ただいま戻りました」
「パーシヴァル! ……本当によく戻りました」
パーシヴァルの顔を見たアデライン夫人の表情が僅かに緩んだ。こんな時だ、頼もしい息子が帰って来れば心強いよな。
「サフィラスさん、ここまでパーシヴァルを送ってくださってありがとう。本当に感謝します。今日はおもてなしが出来なくて申し訳ないけれど、落ち着いたら必ず美味しいお肉をご馳走するわ。スザンナ、レモネのお菓子は残っていたはずね。それをサフィラスさんにお渡しして」
「はい! 直ぐにお持ちいたします」
「待ってください、アデライン夫人。俺は一緒に戦うためにここに来たんですよ」
「なんですって?」
「大切な人たちの危機を放って置いて、ひとり王都になんて戻れません。だって、俺はヴァンダーウォールの盟友ですから」
俺は左手を挙げて、パーシヴァルに貰った盟友の証をアデライン夫人に見せる。
「まぁ!」
アデライン夫人はパーシヴァルと同じ青い目を大きく瞬かせると、辺境伯夫人らしく華やかに微笑んだ。
「……そうですか。わかりました、サフィラスさん。あなたの力をお借りするわ」
「任せてください。その為に来たんです」
「母上、状況を説明願います」
「2人とも、こちらへ」
アデライン夫人に案内されて別室に移動する。そこは辺境伯の執務室だった。有事の際は、アデライン夫人がこの部屋の主人になるらしい。
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