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アデライン夫人、来る

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 ここ数日、俺は学院で転移を使いまくっている。
 何しろナイジェルとその取り巻き達がいちいち突っかかってきて、非常に鬱陶しいのだ。しかもナイジェルとその一派は、パーシヴァルと一緒の時は近づいてこない。俺が1人になると寄って来てはパーシヴァルから離れろと、全く道理の通らないことを喚き散らす。最初はちょっと面白かったから彼らの相手をしていたけれど、毎回言うことは同じで代わり映えしないので最近は食傷気味だ。これ以上関わっても時間の無駄だと判断したので、彼らの気配を感じるとすぐに転移するようにしている。
 アウローラ嬢からは、災難ですわねと、同情されてしまった。公爵家から苦情を入れようかと言ってくれたけど、鬱陶しいだけで特に実害があるわけではない。そんな事でわざわざ公爵閣下の手を煩わせるのも申し訳なさすぎる。パーシヴァルもナイジェルに抗議をしに行こうとしていたので、放っておいていいと止めた。
 ああ言う手合いは余計なことを言うと、自分の都合のいい解釈をして一層面倒臭いことになるのが関の山だ。それに当事者であるパーシヴァルが直接話かけたりなんかしたら、また変な勘違いを起こすに決まっている。
 パーシヴァルは渋い顔をしながら俺にすまないと頭を下げたけど、それはパーシヴァルが謝る事じゃない。寧ろ彼は被害者だ。
 そんな感じで日々を過ごしているうちに、長期休暇が終わって早くもひと月経っていた。休み気分もすっかり抜けて、漸くいつものペースを取り戻した今日この頃。
 午前の授業が終わり、カフェテリアに向かおうとしていた時だ。教室に学年主任がやって来て俺の名前を呼んだ。

 「サフィラス君はいるかな?」

 「はい、」

 なんだろう。最近の俺はとても真面目なので、呼び出されるようなことは何もしていないと思うけど。それとも、やたらと転移をしていることを咎められるのだろうか? だけど、転移先は人目につかないような場所を選んでいるはずだけど。

 「ヴァンダーウォール辺境伯夫人アデライン・ベリサリオ様がサロンでお待ちだ。急いで行くように」

 「え? アデライン夫人が?」

 「ご案内します」

 なんだかよくわからないけれど言われるまま学院事務の人に着いてゆけば、そこは以前王太子殿下とお茶をしたサロンだった。中に案内されると、アデライン夫人と先に来ていたらしいパーシヴァルが俺を待っていた。

 「サフィラスさん、お久しぶりね。元気にしていらしたかしら?」

 「はい、お久しぶりです。ご覧の通り元気です。アデライン夫人もお元気そうで何よりです」

 「急に呼び出してすまない。驚いただろう?」

 パーシヴァルが申し訳なさそうに眉を下げる。朝会った時に言っていなかったから、彼も知らなかったんだろう。

 「いや、全然大丈夫だよ」

 「サフィラスさん、お話は座ってからにしましょう」

 「はい、」

 使用人に椅子を引いてもらい着席する。アデラインさんの後ろにはスザンナさんが控えていて、目が合うと微笑んでくれた。

 「実はね、トライコーンの杖が出来上がったので持って来たのよ」

 「え、わざわざアデライン夫人が持って来てくれたんですか?!」

 女性の旅路なら片道6日以上はかかっただろう。しかも夫人がお届けもので城を留守にして大丈夫なのか? それとも杖はついでで、王都に何か大事な用事があったんだろうか。

 「うふふふふ、直接お渡しして、サフィラスさんの喜ぶ顔を間近で見たかったのよ。城はサンディーがいるから、わたくしが少しくらい留守にしても大丈夫。サフィラスさんによろしくと言っていたわ」

 「そ、そうですか」

 俺が困惑していると、まるで悪戯が成功した子供のような顔で、アデライン夫人は笑った。なんというか、少しばかりお茶目な人なんだな。

 「さぁ、スザンナ。サフィラスさんに杖をお渡しして」

 「はい、奥様」

 スザンナさんが俺の側に来ると、テーブルに黒い箱を丁寧に置く。
 目の前に置かれた箱に、俺は思わず口をポカンと開けてしまった。
 や、ちょっと待ってくれ。これは一体何の箱かな?
 今感じている戸惑いは、公爵家のお迎えが4頭建ての馬車だった時の気持ちにとてもよく似ている。いや、きっとその時以上かもしれない。
 恐らく杖が入っているのだろう黒い箱は、金で縁取られ貝の裏側の七色の部分を使ったモザイクで彩られている。布に包まれているか、簡素な木箱で出てくるとばかり思っていた俺は、想像していたものとあまりにも違ったので完全に思考が停止してしまった。

 「開けてみてちょうだい。気に入ってもらえるといいのだけれど」

 アデライン夫人の言葉で、漸く意識が現実に戻ってくる。手垢をつけるのも申し訳なく思いながらも、恐る恐る箱の蓋を開けた。

 「……わぁ」

 思わず声が漏れた。
 其処には、漆黒の中に細かな銀の粒子が煌めく立派な杖が収められていた。角の螺旋を生かすように削りだされ、持ち手には繊細な蔦模様の銀細工が施されている。その上、杖のエンド部分には、わずかな光にも反射して光る複雑なカットのサファイアが嵌められていた。ため息が出るほどに美しいその杖は、まるで伝説に聞くような魔法具だ。あまりにも綺麗で気安く触ることができない。

 「どうかしら? 気に入って頂けた?」

 「こ……こんなすごいものを頂くわけには……俺には過ぎる魔法具です……」

 お値段を考えると変な汗が背中に流れる。平民の俺がこんな杖を持つのは、流石に分不相応だろう。しかも俺の場合、杖はほとんどお飾りなのだ。
 
 「まぁ、何を言っているの? 素材はパーシヴァルとサフィラスさん2人で手に入れて来たものでしょう。わたくしは素材にふさわしい杖に仕立てて頂戴と、魔法具職人にお願いしただけなのよ。職人は素材の素晴らしさに、作りがいがあるととても喜んでいたわ。ですから、サフィラスさんは遠慮なさらず、その杖を受け取って欲しいの」

 アデライン夫人が優しげな笑顔を浮かべたけれど、圧がすごい。なんというか、これは断れない雰囲気だ。確かに俺のために作ってもらって、いらないとは言えないけど……こんな物凄い杖になるなんて誰が想像する? 想像力は魔法使いの得意とする処だけども! これは俺でも想像できなかった!

 「サフィラス、その角は確かに2人で力を合わせ倒したトライコーンのものだ。俺たちパーティが初めて倒した魔獣の素材でもある。記念の一振りだと思って、受け取ってもらえないだろうか」

 「……パーシヴァル」

 そうか、記念の一振りか……パーシヴァルにそうまで言われて、受け取らないわけにはいかないよなぁ。
 
 「ありがとうございます。大切に使わせて頂きます……」

 「受け取ってもらえてよかったわ。さあ、早く手にとって見せてちょうだいな」

 アデライン夫人に促され、恐る恐る杖を手に取る。植物が素材の杖とは違うのっしりとした重さがあった。けれど腕の負担になるほどではない。非力な俺でも十分に振れる。
 それにしても手馴染みがいい。不思議としっくりくるなと思いながら、すいっと杖を振ると、金の粒子が杖の先からブワッと溢れ出す。

 「うわ、」

 「まぁ!」

 アデライン夫人だけではなく、サロンの中にいた人みんなが驚いた。杖を振った俺も驚いている。
 先端から溢れるキラキラの量が今まで使っていた杖の比じゃない。つまり、それだけ魔力が流れやすく力を増幅させることができる杖という事だ。これが素材の差なのか。オリエンスの魔法道具店店主の見立ては確かだった。杖を補助に魔法を使う魔法使いだったら、喉から手が出るほど欲しい魔法具だろう。

 「……驚いたわ。サフィラスさんは、本当にすごい魔法使いなのね……やはりその杖はあなたに相応しいものでした」

 アデライン夫人は満足そうに頷くと、壁際に控えていた給仕に視線を向ける。彼らはさっと動き出すと、すぐに食事の用意を始めた。

 「そろそろお食事にしましょう。お腹が減っているでしょうし、ここからはお料理を頂きながらお話をしましょう」

 アデライン夫人は特別にランチを用意していた。前菜にスープ、それからお肉。昼からこんな豪華な食事をしちゃっていいの? と思いつつも次から次に供される料理に、俺は舌鼓を打つ。

 「王都にヴァンダーウォールの料理人を連れてくることはできなかったので、実家の料理人を借りたのよ。気に入って頂けたかしら?」

 「はい、とても美味しいです!」

 「よかったわ。デザートも用意しているの。遠慮なく召し上がってね」

 そうか。アデライン夫人は王都の出身なのか。城の人たちにとっても信頼されているし、辺境伯夫人として堂々と手腕を振るっているから、生粋のヴァンダーウォールの人だと思っていたけど。王都で育ったご令嬢が辺境の地に嫁いだんだから、きっと苦労もたくさんあっただろうな。そんな事を全く感じさせないんだから、アデライン夫人はすごい女性だ。流石パーシヴァルの母上だ。

 「そうそう、サフィラスさんにお土産を持って来たのよ。寮のお部屋に届けさせたから、後で見てちょうだいね」

 「え? いや、でも、杖だけでも十分すぎるのに、これ以上頂くわけには……」

 「本当に大したものじゃないの。気にしないで受け取って頂戴な」

 「……そうですか? では、遠慮なく頂きます。お気遣いありがとうございます」

 きっとお菓子だろうな。レモネのお菓子は爽やかでおいしかったから楽しみだ。
 その後もずっと和やかな雰囲気で、俺たちは会話を楽しみながら食事を終えた。
 アデライン夫人は、数日王都に滞在して知り合いに挨拶をするそうだ。

 「サフィラスさん、また改めてご連絡を差し上げるわね。その時にゆっくりとお話を致しましょう」

 席を立ったアデライン夫人が、控えていたヴァンダーウォールの屈強な護衛騎士と共にサロンから出ると、最近よく聞いていた声が聞こえてきた。

 「ヴァンダーウォール辺境伯夫人! ようこそ、いらっしゃいました!」

 「……まぁ、どなたかしら?」

 さっきまでにこやかに話していたアデライン夫人の声に、わずかに険がこもる。扇子を開き、口元に持っていったのがわかった。

 「私はジャーメイン侯爵家の次男、ナイジェル・ボスワーズです。ヴァンダーウォール辺境伯夫人が学院にいらしていると聞いて、ご挨拶にと……」

 ナイジェルの声が困惑している。気になったので屈強な騎士さんの後ろから覗こうとしたけれど、パーシヴァルに止められてしまった。

 「ジャーメイン侯爵家の方がわたくしになんの御用かしら?」

 「え……? 夫人は私に会いに来てくださったのではないのですか?」

 どうやらナイジェルは、アデライン夫人が自分に会いに来たと思い、サロンに駆けつけたようだ。

 「あら、あら、なぜそう思われたのかしら?」

 アデライン夫人は首を傾げる。呼んでもいないのにやってきて、自分に会いに来たのだろうと言われれば、それは首を傾げたくもなるだろう。

 「ち、父がご挨拶の書状と共に、パーシヴァル様へ婚約の打診をさせて頂いたと思うのですが……」

 風向きがおかしいと感じたのか、最初の勢いはなりを潜め、だんだんと声が小さくなってきてる。

 「ああ、そのお話ならお断りいたしましたよ。お父上のジャーメイン卿からお聞きになっておりませんの?」

 アデライン夫人がぴしりと言い放つ。
 ナイジェルの顔を知らないアデライン夫人の様子から察するに、釣書すら見ていないのだろう。

 「……え? あの、我が家からの婚約の申し入れを……断ったのですか?」

 「ええ、何か問題でも?」

 「我が家は侯爵家です……」

 「そのようですわね。それがどうかいたしまして?」

 婚約の申し入れをお断りされた事が予想外だったらしく、ナイジェルはすっかり黙りこくってしまった。ヴァンダーウォール辺境伯は、ジャーメイン侯爵家の縁談を絶対に断らないと思っていたのだろう。
 貴族の事はよく分からないが、辺境を護るヴァンダーウォールが些か特別であることは俺でも知っている。相手が中央の貴族なら一層、縁談を進めることに慎重になるのだろう。何しろヴァンダーウォールは豊かとはいえ、色々と厳しい場所だからな。結婚した後で此処では暮らせないと出て行かれて、辺境伯家にいらぬ傷がついても困るだろうし。何より一族の結束を壊さない人柄でなければ、受け入れて貰えないんじゃないだろうか。

 「ナイジェルさんと仰ったかしら? 申し訳ないけれど、わたくしは急いでおりますのよ。貴方も午後の授業があるのではなくて?」

 アデライン夫人は、用がそれだけならお話はお終いとばかりにバッサリと会話を打ち切った。

 「それでは、サフィラスさん、また日を改めてお会いしましょう」

 アデライン夫人は振り返るとにっこりと笑みを浮かべる。

 「はい、今日は色々とありがとうございました」

 そこで漸く、俺たちがいることに気がついたナイジェルは、驚いた表情をした直後、悔しそうに顔を歪めた。折角の可愛い顔が台無しになっている。

 「俺たちも行こう。午後の授業に遅れる」

 パーシヴァルに促されて、俺もサロンを離れる。
 取り巻きを連れていないナイジェルが、1人立ち尽くす。
 客人が誰に面会に来たのか確かめもせずやってくるナイジェルもどうかと思うが、自信満々で俺に突っかかっていた彼を思うと少しだけ同情の念が湧いた。 
 俺に同情されても彼からしたら腹立たしいだけだろうけど。
 
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