ひだまりカフェ

もとひろ@絵本作家/エッセイスト

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やさしさ

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ぼくは、やさしい場所をつくりたい。

あたたかい場所をつくりたい。

そう思って、行動してきた。



けれど、ふと、やさしさってなんだろう。

あたたかい場所って、どんな場所だろう、という問いが出てきた。



ぼくは、ずっと、やさしさとは、すべてを受け入れることだと思っていた。

どんなひとでも、受け入れて、許すこと。



でも、どうやら、それは、違うように思えてきたのだ。

すべてを受け入れる場所をつくってしまうと、そこは、ただ、ネガティブを吐く場所になってしまう。



たとえば、やさしさをうたっているおおくのSNSが、ネガティブの巣窟になっている。

ポジティブなことが、ひとつもない、なんてこともある。

それが、果たして、居心地のいい場所なのだろうか。

やさしくて、あたたかい場所なのだろうか。



すべてを受け入れることを、相手にゆだねてしまうと、ひとは成長を止める。

すべてを受け入れることは、じぶんでしないといけない。



じぶんで、じぶんのどんなところも受け入れて、許して、すすんでいく。

だから、ひとは、成長するのだ。

ほかのひとに、すがる、ということは、じぶんで、じぶんを力のない人間だと、思い込んでしまうことにつながる。



だからと言って、弱音を吐いてはいけない、ということではない。

弱音は、吐いていい。



ひとは、生きている間に、いろんなことを、体験する。

つらいことだったり。

くるしいことだったり。

失敗も体験する。



だから、感情をためこむのではなく、弱音として、吐き出すことは、とても大切なのだ。



けれど。

弱音ばかり言っていても、何もはじまらない。

弱音では、ひとは成長しない。



だからこそ、弱音を吐いて、じゃあ、どうすれば改善できるかを、考える必要がある。

ネガティブなことを言っても、どうすれば、ポジティブになれるかを、いっしょに考える。

それが、やさしさだ。

それが、あたたかい場所だ。



やさしさや、あたたかさは、依存先ではない。

ただ、つかれた心をやすめる場所。

羽をやすめる場所。



羽をやすめたら、つぎは、飛ぶ練習をする。



ただ、すべてを受け入れる。

全肯定の場所では、何度も言うが、ひとは成長を止めるのだ。



ひとには、改善したほうがいい部分がある。

それを、改善しなくてもいい。

そのままでいい、というのは、本当にやさしさなのだろうか。



本当のやさしさは、互いを尊重しあい、弱音を受け入れ、そのうえで、どうやったら改善できるかを、いっしょに考えること。



改善するから成長する。



やさしさを、履き違えないように。

あたたかさを、履き違えないように。



ぼくのやさしさが、だれかにとってのやさしさではない、ということもある。

それでかまわない。



ぼくの考えるやさしさが合わなかったら、そっと離れて欲しい。

無理に賛同しなくてもいい。

すべてのひとから受け入れられる場所をつくろうなんて、考えていない。



ただ、ぼくのつくるあたたかい場所が、あなたにとっての心地のいい場所になってくれたら、うれしい。



もちろん、傷の舐め合いではなく、馴れ合う場所でもなく。

これからも、ぼくは、あたたかい場所をつくっていく。



あなたの考えるやさしさは、どんなやさしさだろうか。

あなたの考えるあたたかい場所は、どんな場所だろうか。



ここまで、あなたの貴重なじかんを、つかって読んでくれて、ありがとうございます。

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