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なないろのきせき
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「ここはどこだろう」
こねこは まわりを みわたしました
きらきらとして やわらかい あたたかい ひかりのなかに こねこはいました
すると こえが きこえました
よく きこえません
こえが だんだん おおきくなってきました
うっすらと ひかりのなかに こねこがいました
1ぴきではありません
こねこを かこむように 6ぴきのこねこが すわって こちらをみつめています
ぼくの きょうだいだ
すぐにこねこが きづきました
こねこたちのからだは やわらかいひかりに つつまれています
「おねえちゃん」
こねこは しろいこねこに いいました
しろいこねこは やさしく うなずきました
「おねえちゃん、ここは どこなの?」
「ここは ひかりのせかい」
しろいこねこは ゆっくりといいました
「でも あなたのからだは いま どうぶつびょういんに いるの」
「どうぶつびょういん?」
こねこは ふしぎそうに ききました
「びょうきの どうぶつを なおすところよ」
しろいこねこは まっすぐみつめて いいました
「いま あなたを たすけようと いろんなひとが がんばってるの
あなたが たすかるのを まっているひとが いるの」
「まっているひと?」
こねこは くびをかしげました
「おんなのこが あなたと いっしょに あそびたがってる」
さびいろのこねこが いいました
「そとのせかいは さむかったけれど おうちには あたたかい もうふがある」
くろいこねこが いいました
「それに おうちには おいしい ごはんが まってるよ」
ちゃとらのこねこが うれしそうに いいました
「たのしい おもちゃだってある」
ぶちがらのこねこが いいました
「やさしく なでて もらえるよ」
はいいろのこねこが いいました
「だから あなたは いきるの」
しろいこねこは ゆっくりと いいました
「おねえちゃんたちも いっしょにいくよね?」
こねこは ききました
「わたしたちは いっしょにいけない」
しろいこねこは しずかに くびを ふりました
「そんなの いやだよ」
こねこのめから なみだが ぽろぽろ おちました
しろいこねこは そっと ほほえんで いいました
「あなたは ひとりじゃない
わたしたちが ずっと みまもっている
あなたを たいせつに してくれるひとがいる」
さびいろのこねこが ゆっくりと うなずきました
くろいこねこは うれしそうに ほほえみました
ちゃとらのこねこは にっこり わらいました
ぶちがらのこねこは 「だいじょうぶだよ」と いいました
はいいろのこねこは じっとみつめていました
「あなたは しあわせに いきるの
わすれないで あなたは ひとりじゃない」
しろいこねこが やさしくいいました
すると あたりは わあっと ひかりにつつまれました
まぶしくて こねこは めをつむってしまいました
いま こねこは おかあさんと おとおさんと おんなのこと おとこのこのあかちゃんと いっしょにげんきいっぱいに くらしています
まいにちが きらきら かがやいて たのしくて しかたありません
まどから はいってきた かぜに なつかしいこえが きこえたような きがしました
ふりかえると こねこを やさしく つつむように たいようの ひかりが ふりそそいでいました
こねこは まわりを みわたしました
きらきらとして やわらかい あたたかい ひかりのなかに こねこはいました
すると こえが きこえました
よく きこえません
こえが だんだん おおきくなってきました
うっすらと ひかりのなかに こねこがいました
1ぴきではありません
こねこを かこむように 6ぴきのこねこが すわって こちらをみつめています
ぼくの きょうだいだ
すぐにこねこが きづきました
こねこたちのからだは やわらかいひかりに つつまれています
「おねえちゃん」
こねこは しろいこねこに いいました
しろいこねこは やさしく うなずきました
「おねえちゃん、ここは どこなの?」
「ここは ひかりのせかい」
しろいこねこは ゆっくりといいました
「でも あなたのからだは いま どうぶつびょういんに いるの」
「どうぶつびょういん?」
こねこは ふしぎそうに ききました
「びょうきの どうぶつを なおすところよ」
しろいこねこは まっすぐみつめて いいました
「いま あなたを たすけようと いろんなひとが がんばってるの
あなたが たすかるのを まっているひとが いるの」
「まっているひと?」
こねこは くびをかしげました
「おんなのこが あなたと いっしょに あそびたがってる」
さびいろのこねこが いいました
「そとのせかいは さむかったけれど おうちには あたたかい もうふがある」
くろいこねこが いいました
「それに おうちには おいしい ごはんが まってるよ」
ちゃとらのこねこが うれしそうに いいました
「たのしい おもちゃだってある」
ぶちがらのこねこが いいました
「やさしく なでて もらえるよ」
はいいろのこねこが いいました
「だから あなたは いきるの」
しろいこねこは ゆっくりと いいました
「おねえちゃんたちも いっしょにいくよね?」
こねこは ききました
「わたしたちは いっしょにいけない」
しろいこねこは しずかに くびを ふりました
「そんなの いやだよ」
こねこのめから なみだが ぽろぽろ おちました
しろいこねこは そっと ほほえんで いいました
「あなたは ひとりじゃない
わたしたちが ずっと みまもっている
あなたを たいせつに してくれるひとがいる」
さびいろのこねこが ゆっくりと うなずきました
くろいこねこは うれしそうに ほほえみました
ちゃとらのこねこは にっこり わらいました
ぶちがらのこねこは 「だいじょうぶだよ」と いいました
はいいろのこねこは じっとみつめていました
「あなたは しあわせに いきるの
わすれないで あなたは ひとりじゃない」
しろいこねこが やさしくいいました
すると あたりは わあっと ひかりにつつまれました
まぶしくて こねこは めをつむってしまいました
いま こねこは おかあさんと おとおさんと おんなのこと おとこのこのあかちゃんと いっしょにげんきいっぱいに くらしています
まいにちが きらきら かがやいて たのしくて しかたありません
まどから はいってきた かぜに なつかしいこえが きこえたような きがしました
ふりかえると こねこを やさしく つつむように たいようの ひかりが ふりそそいでいました
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