怪奇短篇書架 〜呟怖〜

第513話 パテの下

引っ越したアパートの壁に謎のパテが盛ってあった。

それが絶妙に剥がれそうでカリカリと爪先で削る。
もし隣室から貫通した覗き穴だったら塞がれてても気持ち悪いし、と言い訳しつつ。

パテの下から自分の名前が出てきた。

…もう一度パテを被せておいたが、また引っ越すことになりそうだ。