怪奇短篇書架 〜呟怖〜

縁代まと

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第77話 異世界の向日葵

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蝉の声。
青空に、くっきりとした山の影。

目前に広がる向日葵畑に私は愕然としていた。
さっきまで、そう、ついさっきまで冬だったはず。

変な世界に迷い込んだのでは?

否、きっと記憶障害だ。
本来なら不幸であるはずのものに希望を抱きながら花を見ると、種の代わりに歯が敷き詰められていた。
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