呂布奉先、ローマを治める <序>

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第十七話 呂布奉先、ローマを治める <序>

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「この西の果てにある大国の名はなんと言うのですか」

 「大秦国という。安敦という王が治めておるときく」


 「この地図の外側はどうなっているのですか」

 「まだ分からぬ。だが地図の外側にもまた違う国々があるのだろう」

 呂布の疑問は尽きない。
 
 その一つ一つに呂大夫は答え続ける。

 質問が一息つき、短い沈黙の後呂布はすねた子供のように言った。

 「しかし、なんと…なんと我が国は小さいのだろう…」


 漢帝国は周り全ての国の盟主であり、中華こそ世の中心である。

 当然のことではなかったのか。

 だが見よこの地図を。世界というものの中では漢帝国ですら右下の一隅しか与えられぬのだ。

 「その漢がな、さらに小さく割れようとしておる」

 呂大夫の言葉に呂布は夢から覚めたように顔をあげた。

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