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第十六話 呂布奉先、ローマを治める <序>
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「世界…ですか」
呂布は紙から目をそらすことができない。
「人づてに聞いたものがほとんどですが、中には私が訪れた国もございます」
ラクレスが言う。
それはユーラシア大陸の殆どと北アフリカの一部が描かれた世界地図だった。
呂布の住む漢帝国を右下に置きそこから出た道が中央にある砂利のような小国の群れを通り、地図の左側ほとんどを占める大国に続いている。
他にも数多の国々や部族名が色を変えた筆で書かれている。
「世界とは…中華の外のことなのですか」
「そうではない…中華もまた世界の一部なのだ」
呂布の目は完全に少年に戻っていた。
ラクレスは呂布の顔を見て目を細めた。
その瞳には安堵と優しがあった。
呂布は紙から目をそらすことができない。
「人づてに聞いたものがほとんどですが、中には私が訪れた国もございます」
ラクレスが言う。
それはユーラシア大陸の殆どと北アフリカの一部が描かれた世界地図だった。
呂布の住む漢帝国を右下に置きそこから出た道が中央にある砂利のような小国の群れを通り、地図の左側ほとんどを占める大国に続いている。
他にも数多の国々や部族名が色を変えた筆で書かれている。
「世界とは…中華の外のことなのですか」
「そうではない…中華もまた世界の一部なのだ」
呂布の目は完全に少年に戻っていた。
ラクレスは呂布の顔を見て目を細めた。
その瞳には安堵と優しがあった。
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