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〜第2話〜 大暴走!?おしゃまな妹、愛央とうじょう!

3.サイテーのバカ

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―帰り道 道中


「らんらんららーん♪」

「ふふ…ご機嫌だね愛央」

「だって簡単に手に入っちゃったんだもーん♪ホント、少し媚びればすぐ落ちるんだから。あ~チョロかった~」

「ちょっと黒い黒い!」

「…あっ」


曲がり角に差し掛かったとき、ふと愛央が足を止め、壁際に身を隠す。


「…どうしたの?」

「あいつだ…!」


愛央の視線の先にはやんちゃそうな男子が一人で歩いているのが見える。

浅黒い肌と乱雑に着崩しをしているその風貌は、見るからに悪ガキという印象を抱かせる。


「あの子が…?」

「ようし。やってやるんだから!」

「がんばってね!私もやばくなったら助けるから!」

「うん!ありがとうおねえちゃん!」


愛央が少年の前に立ち向かう様子を私はひとまず物陰から見ていることにした。


「こんにちは。岸部くん」

「あ?なんだ泣きべそ女じゃん。てか気安く話しかけてんじゃねーよ」


「うっわ。アレは腹立つわ…!愛央がんば!」


愛央は少年に悪態をつかれながらも、物おじせず言葉を切り出す。


「…わたし岸部くんに言われて気付いたの」


「あ?」


「やっぱり女は男の子には敵わないって…」


そういうと愛央は地べたに座り込む。


「うええ!?愛央!?」


「なっ、急になんだよキモチわりぃ!」

「岸部くん…、わたしを…岸部くんのしもべにしてくれますか…?」


愛央は上目遣いになりながら、驚くような言葉を連ねる。


「……くくくっ…!」

「はははは!やっと自分の身分がわかったか!
 そうさ!お前みたいな泣きべそ女は俺に見下ろされるのがお似合いなんだよ!」

「いいぜ…。しもべにしてやる。
 安心しな。俺は従順な奴には優しいぜ?」

「ありがたき幸せです。あの…ひとつよろしいでしょうか…?」

「ああ?」


そういうと愛央はすっかり油断していた少年のズボンに飛びつき、

股を右手で握りしめる…!


「あひぃん!!」


「んなこと言うわけねーだろ」


愛央は用意していたボーイズホルダーを手早く少年にかけ…

そして…


「ダウンロード」


「ぐわあああああ!!」


バシュウン!!


少年は光に包まれ消えてしまった。


「………」


「ふん…クズめ…」


「怖ええええ!自分の妹怖ええええ!!」




~男の子データ~

岸部 進次きしべ しんじ

性格:乱暴
趣味:イタズラ
好きなもの:カレーライス


回想にでてきた4人のリーダー的存在。
腕力の強さを偉さの基準だと考えている節がある。



「おねえちゃん♡ひとりでできたよ♪」

「う、うん。正直予想以上だったわ…」

「確かこれを展開して…『アップロード』で出てくるんだよね~」

「そうだけど、今ここでやるの…?」

「アップロード!」

「って、もうだしてるし!?」


バシュウン!


ボーイズホルダーから少年が召喚される。


「あ…。」


少年の衣服は変更され、ブリーフ一枚の格好にされていた。


「うふふ…♡岸部くん。あなたはわたしのなぁに?」

「し、しもべです…」

「ふふ♡そうだよね?でもだとしたら頭が高いんじゃない?」

「え…?」

「地べたに頭つけろって言ってんの」

「う…、はい」


そういうと少年は先ほどまでの横暴さが嘘のように、しおらしく頭を地べたにつける。


「ほら、靴を舐めなさい」

「は、はい…」


少年が舌を出して靴に触れようとすると愛央は少年の頭を蹴りつける。


「ちょっと!下の部分に決まってるでしょ!あんたに上の方舐められたら弁償もんだし!」

「う…すみません」


少年の表情には不本意や悲哀の様相が見え隠れするが、私の妹君はそんなことはお構いなしだ。


「ちょ、ちょっと…、気持ちはわかるけど捕獲中の男の子にも感情があるんだし、ほどほどにね…?」

「わかってるわかってる♪ダイジョーブダイジョーブ♪」


ホントに大丈夫なのかな…?


「ホラ、次はそこの電柱で犬みたいに用を足しなさい」

「はひぃ…」


少年は電柱で片足を上げると、少し表情をこわばらせる。

しばらくして、少年のパンツがみるみるうちに濡れ始める。


「あっはっは!!もらしてんじゃん!そりゃパンツ脱がなきゃそうなるでしょ!
 ほんっとサイテーのバカね!」

「ううう…」

「まぁいいや。じゃあその恥ずかしいパンツ見せつけながら町内一周ね」


そういうと、どこから取り出したのか、

愛央はリードを首輪につけ、それを引っ張って少年を従わせる。


「あ、おねえちゃんはもう帰って良いから。今日はありがとね」

「う、うん。その…ほどほどにね」

「わかってるわかってる♪」


私は愛央を気にかけながら、その場を後にした。

まぁ愛央は私よりしっかりしてるし、大丈夫だろう。


とそのときは思った。


しかし、このことが間違いだったことに私はすぐに気がつくことになる。
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