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3 物語を構築するということ

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   小説の執筆指南の本は数多く出版されていて、webサイトやSNS、動画などでも小説の書き方を解説しているものが、今はたくさんあります。その気になれば、いろんなノウハウを得るのはそう難しくない時代になりました。

 しかも、まったくセオリーとか何にも知らなくても、いきなり素晴らしい作品を作り上げてしまう強者も、世の中にはたくさんいらっしゃるので、まったくこれが正解というものはないのかもしれません。

 プロの小説家として長くやっていくためには、それなりのノウハウがあり、そのための勉強は必須だと思いますし、一つ一つの作品に対しても、構想や取材の時間をたっぷりとった上で、書く段階においては、推敲、校正に労力を割くことになるので、そんなに気楽にはやってやれないかもしれませんね。

 ただ趣味として書く、自分の書きたいことを書く、というレベルでとどめるのならば、ネットに出回る書き方指南はかなりタメになることが多いです。

 基本的に共通しているのは、とにかく書き始めないと始まらないということです。「頭の中で色々ああでもない、こうでもないと捻り回した末に結局何も書けない」というのは実にもったいないし、あまり意味がないことだと思います。なぜなら、推敲していく作業は書いたあとにも出来るわけで、まず第一稿を書いてみるのは、目に見える形に残ることになり、思考の助けにもなるからです。

 頭の中で想像を巡らすこと自体は、とても素敵なことで、いろんな話がどんどん浮かんでくるのも気持ちは分かります。ですが、それを見える形にしておかないと、いつかは忘れてしまいます。いいアイディアも消えてしまうかもしれません。だから、メモでも、箇条書きでも、殴り書きでも、とにかく残しておくのがベストだと思います。

 もう一つ、指南する方たちが繰り返し強調するのはプロットの大切さです。「とにかく書き始める」ことと一見矛盾するようですが、プロットが出来てないと、最後までスムーズに書き切るのはなかなか高度な作業になります。頭の中で最後まで構想がしっかり出来ていれば可能でしょうが、出来れば書く前に完結までのプロットを作っていたほうが迷いなく書けると思います。一度、作ったプロットでも、書いてるうちに修正しても構わないと思います。

 「とにかく形にこだわらず書き始めること」と「プロットを作ること」。この2点は小説を書き始めようという人には念頭に置いてもらったほうがいいと思います。

 なお、後々のエッセイではまた逆の視点からの自分なりの考えも書いていきたいと思います。自分で書いておいてなんですが、この2点が必ずしも自分には当てはまらなかった理するからです。
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