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新たな役割について
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結局、その日の夜は、鶏肉と卵を組み合わせて親子丼になった。なんか、ひさびさにメニューらしいメニューを食べた気がする。
夜のミーティングでは、センセの紹介が主たる話題であったが、やはり遠征メンバーのことはみんな気になるらしく、何も新たな情報があったわけではないのにも関わらず、自然とそっちの話題になった。
「こんなに人がたくさんいるのに驚いたんですが、さらに十人もいるんですね。もう本当びっくりだわ」
センセの眼に映るものはなにもかも新鮮なのだろうが、特に今朝十人の仲間が遠征に出かけたのは予想外だったようだ。
ところで、僕は適当な言葉が見つからなくて、遠征と表現しているが、別に戦いに行くわけじゃないのに、これでいいのだろうか、とふと思った。まあ、誰からも指摘がないってことは、結局、ニュアンスさえ伝わればOKってことなのかもしれない。
「今頃はどこかでテント張って泊まってるんでしょうね」と料子さん。
「もう一日早く来てたら、センセも遠征メンバーに加えてたかもしれないですね」
どこででも順応出来そうなタフなセンセ。こちらとしては助かるが、遠征メンバーにもし入っていたら、大きな戦力になるだろう。
今日のミーティングの大事な案件として、残ったメンバーで新たに役割を確認せねばならなかった。十人も抜けると、仕事の優先度とかも考慮しないといけない。
釣りキチさんと保育士さんは今まで通り湖で魚の確保。農家さん、僕、ドクター、センセ、桂坂さんは畑仕事中心。料子さん、生果さん、介護さん、笑美さんで生活面を見ていくことに。宝泉さん、大工さんで営繕ほかその他諸々をみてもらう。宙はしばらく大工さんたちについて回り、助手兼弟子として少しずつ技術を身につけてもらう。
そんな風に割り振った。もちろん、僕は桂坂さんと一緒に迎えにも行くし、名簿も作るし、代表としての仕事もある。それぞれにみんなその仕事専念というわけでもなく、時と場合に応じて色んな仕事をやってゆくイメージだ。
「そうすると外を調査する人はいないってことですよね?」
僕の説明を聞き終えた宙が質問した。
「うん。そうだね。それから水汲みとか道路作りも一旦ストップだ。時々、誰かが湧き水を汲みに行かなくちゃならないな」
「もう理科さんも山菜さんもスカウトさんもいないから、とりあえず外の調査はもういいだろ」
大工さんが同意を求めるように言った。
「ええ、この周囲の地図はかなり完成していますし、調査関係は向こうの組の生活が安定したら、向こうに任せましょう」
夜のミーティングでは、センセの紹介が主たる話題であったが、やはり遠征メンバーのことはみんな気になるらしく、何も新たな情報があったわけではないのにも関わらず、自然とそっちの話題になった。
「こんなに人がたくさんいるのに驚いたんですが、さらに十人もいるんですね。もう本当びっくりだわ」
センセの眼に映るものはなにもかも新鮮なのだろうが、特に今朝十人の仲間が遠征に出かけたのは予想外だったようだ。
ところで、僕は適当な言葉が見つからなくて、遠征と表現しているが、別に戦いに行くわけじゃないのに、これでいいのだろうか、とふと思った。まあ、誰からも指摘がないってことは、結局、ニュアンスさえ伝わればOKってことなのかもしれない。
「今頃はどこかでテント張って泊まってるんでしょうね」と料子さん。
「もう一日早く来てたら、センセも遠征メンバーに加えてたかもしれないですね」
どこででも順応出来そうなタフなセンセ。こちらとしては助かるが、遠征メンバーにもし入っていたら、大きな戦力になるだろう。
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「そうすると外を調査する人はいないってことですよね?」
僕の説明を聞き終えた宙が質問した。
「うん。そうだね。それから水汲みとか道路作りも一旦ストップだ。時々、誰かが湧き水を汲みに行かなくちゃならないな」
「もう理科さんも山菜さんもスカウトさんもいないから、とりあえず外の調査はもういいだろ」
大工さんが同意を求めるように言った。
「ええ、この周囲の地図はかなり完成していますし、調査関係は向こうの組の生活が安定したら、向こうに任せましょう」
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