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おにぎり
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夕食時には、料子さんの宣言通り、塩のおにぎりが用意された。小さいおにぎりが一人一個程度であったが、皆から歓声が上がった。
「おにぎりなんて本当に久しぶりです!」
僕はおにぎりを頬張りながら、嬉しさを隠さず喜びを全開する。
「本当におにぎりがこんなにうまいなんて……」
「健太君や優子ちゃんは長いことここにいるからな。余計にそうだろうな」
僕や桂坂さんの様子を見ていたドクターが、自らも嬉しそうに言う。
「そもそもご飯を炊くところから大変なんだけどね」
料子さんが鍋を指して言う。確かに炊飯器とかもちろんないし、飯ごうだってないわけで、ご飯を炊くのだってコツがいるだろう。僕にはとてもやれる自信はない。僕だって一人暮らしで自炊してたから、炊飯器でご飯炊くぐらいはしていたけど。
「まあ、毎日飢えずに食事が出来てるだけで、ある意味奇跡みたいなものですよね」
保育士さんの言葉に、みなうなずいた。
そのあと話題は変わって、路木さんが言った。
「キャスターの件だけど、湖に持っていってもいいかな?」
夕食前に集まったときに路木さんがみんなに伝えていたので、今はそれの確認だ。
「構わないと思うわ。みんなどう?」
代表して最初に答えた生果さんが女性陣に訊く。
「今のところ、運ばなければならない重いものもないので、いいと思います」
そうナースさんが答えると、残りのメンバーも皆うなずいた。
「そういえばさあ。健太君、確かみんなの名簿作ってるって言ってたよね。進んでる?」
生果さんが急に話題を変えて、僕の方に話を振った。
「一応は。毎日新しい人が増えるんで、どんどん追加していかなきゃならないので常に未完成ですけど」
「その名簿を見ていて、何か気づいたこととかある?」
「気づいたことですか……」
「ほら、みんなの共通点とかさあ」
「共通点……」
僕が少し戸惑っていると、すかさずスカウトさんが助け舟を出してくれた。
「ここに来ることになったメンバーに何か共通点となる特徴がないか、ってことだと思う」
「ああ……」
「なぜ、我々が選ばれたのかという理由にもつながることだけど」
「なるほど。そうですね……」
急に話を振られたため、僕は困ってしまった。
「ちょっとそういう目で名簿を見ていたわけではないので、今急に問われても何も思いつきません……」
生果さんが尋ねたのは特に何か思うところがあったわけではないらしく、それ以上追及されることはなかった。
「明日の夜までには考えておきます」
僕はとりあえずそう返答しておいた。名簿を作るということはそういう役割も兼ねているわけか……
みんなそれぞれに様々なことを考えている。僕の至らなさを感じるとともに、僕はみんなと暮らしていることの有難さも感じていた。
「おにぎりなんて本当に久しぶりです!」
僕はおにぎりを頬張りながら、嬉しさを隠さず喜びを全開する。
「本当におにぎりがこんなにうまいなんて……」
「健太君や優子ちゃんは長いことここにいるからな。余計にそうだろうな」
僕や桂坂さんの様子を見ていたドクターが、自らも嬉しそうに言う。
「そもそもご飯を炊くところから大変なんだけどね」
料子さんが鍋を指して言う。確かに炊飯器とかもちろんないし、飯ごうだってないわけで、ご飯を炊くのだってコツがいるだろう。僕にはとてもやれる自信はない。僕だって一人暮らしで自炊してたから、炊飯器でご飯炊くぐらいはしていたけど。
「まあ、毎日飢えずに食事が出来てるだけで、ある意味奇跡みたいなものですよね」
保育士さんの言葉に、みなうなずいた。
そのあと話題は変わって、路木さんが言った。
「キャスターの件だけど、湖に持っていってもいいかな?」
夕食前に集まったときに路木さんがみんなに伝えていたので、今はそれの確認だ。
「構わないと思うわ。みんなどう?」
代表して最初に答えた生果さんが女性陣に訊く。
「今のところ、運ばなければならない重いものもないので、いいと思います」
そうナースさんが答えると、残りのメンバーも皆うなずいた。
「そういえばさあ。健太君、確かみんなの名簿作ってるって言ってたよね。進んでる?」
生果さんが急に話題を変えて、僕の方に話を振った。
「一応は。毎日新しい人が増えるんで、どんどん追加していかなきゃならないので常に未完成ですけど」
「その名簿を見ていて、何か気づいたこととかある?」
「気づいたことですか……」
「ほら、みんなの共通点とかさあ」
「共通点……」
僕が少し戸惑っていると、すかさずスカウトさんが助け舟を出してくれた。
「ここに来ることになったメンバーに何か共通点となる特徴がないか、ってことだと思う」
「ああ……」
「なぜ、我々が選ばれたのかという理由にもつながることだけど」
「なるほど。そうですね……」
急に話を振られたため、僕は困ってしまった。
「ちょっとそういう目で名簿を見ていたわけではないので、今急に問われても何も思いつきません……」
生果さんが尋ねたのは特に何か思うところがあったわけではないらしく、それ以上追及されることはなかった。
「明日の夜までには考えておきます」
僕はとりあえずそう返答しておいた。名簿を作るということはそういう役割も兼ねているわけか……
みんなそれぞれに様々なことを考えている。僕の至らなさを感じるとともに、僕はみんなと暮らしていることの有難さも感じていた。
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