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家出令嬢の入学準備①
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「まぁ、大変だわ。どうしようかしら」
たくさんの入学準備品が記載されたリストを前にメリアナは困っていた。
家出していても、伯爵令嬢家のお嬢様。
現在は公爵家に身を寄せており、お金に困り事なんてない、、、
周囲はそう思っているに違いないわね。
そう思いながら、先ほど届いた便箋5枚は使用しているであろう、準備品リストを前に小さくため息をついた。
メリアナは現状金策に大変困っていた。
と、いうのも伯爵家からは大部分荷物を持ち出したとはいえ、かなりの金額を引越しのために祖父に使わせてしまった。
これ以上、お願いするのは忍びない。
しかし、メリアナは貴族だ。
貴族の見栄はもちろんのこと、王立学園では貴族が高い学費を納めることで、平民や下位貴族の学費を賄うシステムとなっている。
取れるところから取って、取りづらいところからは相応の額を、取れないところからは成績優秀を条件にできるだけ取らないといった具合である。
「これ以上、お祖父様に甘えるのも忍びないわね、、どうしようかしら?」
そう、呟き、憂うお嬢様の横顔を放って置けないのが侍女というもの!
リーナは必死に頭を働かせていた。
下位貴族であるリーナは腐っても貴族ではあるが、生活はなかなかに苦しかった。
兄であるアルベルト・レイオが後を継いではいるものの、リーナの持参金を出せるほどレイオ家に余裕はなかった。
そのため、リーナは14歳の頃から下働きをしており、現在はメリアナ付きの侍女となった。
25歳とはシュメール国では行き遅れと言われ、結婚はもう考えてはいないため、妹のような、娘のような感情をメリアナには持っていた。
それに、働いている経験はわたしの方が持っているわ!
お金がない=働く
これはあまり余裕のない下級貴族や平民にとっては常識である!
何事も経験よね!!!
そう前向きに捉えるところは“主従は似てくる“その言葉通りであった。
「お嬢様、お金はなければ稼ぐものでございます!」
胸を張り、リーナは答えた。
「稼ぐ、、、その発想はなかったわ!」
リーナの方に向き直り、笑顔を見せたが、途端に顔が曇る
「でも、リーナ。私、お金を稼いだことがないわ、、、」
そういって、落ち込むメリアナにリーナは慌てて答えた。
「お、お嬢様、何か得意なことはございますか?」
「得意なこと?」
メリアナは思案顔を浮かべながら自分の得意なことを口に出す
「筋トレ、ストレッチ、魔物狩、野戦料理とかかしら???」
淑女にとっては大変物騒な特技だが、リーナは閃いた。
「魔物狩り!それですよお嬢様!下位貴族にとっては魔物を狩って素材を換金するお小遣い稼ぎがあります!」
「まぁ!それならわたしでもできそうだわ!」
そういってメリアナは顔を綻ばせた。
こうしてみると花の顔、父親譲りの美貌に気品溢れる仕草。
シュメール王国淑女誰もが羨むような細身の体型を持っているメリアナだが中身は脳筋、口に出す言葉は近頃物騒この上ない。
最近はすっかりこういう時の歯止め役となっていた師匠ことシード・ライアットは現在、メリアナの家庭教師がひと段落したため、騎士団の任務に行っている。
ツッコミ、もとい保護者不在のまま事は大きく進んでいくのであった。
「へぇ、してお嬢ちゃんらが魔物退治に来たってわけかぁ」
日に焼けた肌と年齢に似合わずがっしりとした大脚四頭筋が日常から下半身を特に使用する仕事をしていると推察できる。
中年男性が、疑いの目でメリアナ達を迎えてくれた。
とりあえず、魔物退治!あわよくば素材で金儲け!
と思い、職業紹介ギルドにやってきたメリアナ達は、自分にこなせそうな仕事を見繕って応募してみた。
王都の片田舎に大型の猫に似た“サーベルという魔物が畑や家畜を荒らすため対峙してほしい“という依頼に一も二もなく飛びついた。
幸い、メリアナは祖父との野営に慣れており、そんじょそこらの淑女とは違って、過酷な環境下での生活に慣れている。
そのため、野営の準備とお忍び用の衣類を何着か持って後は現地調達!
と意気込んではいたものの、村民が退治までは無償で宿を提供してくれるという好条件!
これは、野営に慣れていないリーナも同行予定であったため大変助かった。
しかも、報償金とサーベル退治後の素材を持ち帰って売れば、入学準備資金にお釣りが来る。
そうして、紋章なしの豪華な馬車で片田舎に向かったメリアナ達への反応は冒頭に戻るのだが、、、
「はい、メリアナと申します!よろしくお願いいたします。」
粗末な身なりをしているとはいえ、生まれた時から身についている所作は滲み出るもので、「村長だ」と紹介を受けた、大脚四頭筋の立派な男性は
胡散臭い奴らがきた、、、。
失敗したな、、。
と内心舌うちするのであった。
兎にも角にも、あまり歓迎はされていない様子だが、一応、宿に案内してもらい
明日現地に案内する。
と一言残し、足早に去っていった村長を見送り、人心地ついたメリアナとリーナは腹ごしらえの為に村の大衆居酒屋兼食堂に足を運んだ。
「いらっしゃい、席は空いてる所に座りな」
人の良さそうな女将がで迎えてくれた。
メリアナは初めての飲食店スタイルに若干戸惑ったが、カウンターの席にリーナと並んで座ることにした。
「こういったお店は初めてで、、、」
とメリアナが答えると、初めて気付いた様子で
「あんたら、村の外の人かい!やだねぇこんな村に何しにきたんだい?」
と笑顔で、頼んでもいないロールキャベツのような煮込み料理を2人の目の前に置いた。
「サーベル退治に来ました、この村周辺には魔物が出ると聞きましたがどんな感じか聞いてもいいですか?」
と初めてみる料理に夢中なメリアナの代わりにリーナが答えた。
「あんた達が?どっからどうみてもお嬢様じゃないか!」
驚いた様子の女将に驚いた。
どうみたらお嬢様に見えるのだ!かなり気を使って隠したのだが、、、
絶品な料理に舌鼓を打ちつつ、女将と楽しい会話をしつつ、得た情報では
・サーベルは村の西はずれによく出没する
・畑や家畜を荒らされて困っている
・一番被害に遭っているリリーという少女が住んでいる家は最近唯一の保護者である母が亡くなって大変そうだ
この3点であった。
大した情報は得られなかったが、料理は美味しく、明日はリリーという少女の家に行ってみようと指針も決まり
宿に戻った2人は、一体どうして変装が簡単に見破られたのか、反省会をして明日を迎えるのであった。
たくさんの入学準備品が記載されたリストを前にメリアナは困っていた。
家出していても、伯爵令嬢家のお嬢様。
現在は公爵家に身を寄せており、お金に困り事なんてない、、、
周囲はそう思っているに違いないわね。
そう思いながら、先ほど届いた便箋5枚は使用しているであろう、準備品リストを前に小さくため息をついた。
メリアナは現状金策に大変困っていた。
と、いうのも伯爵家からは大部分荷物を持ち出したとはいえ、かなりの金額を引越しのために祖父に使わせてしまった。
これ以上、お願いするのは忍びない。
しかし、メリアナは貴族だ。
貴族の見栄はもちろんのこと、王立学園では貴族が高い学費を納めることで、平民や下位貴族の学費を賄うシステムとなっている。
取れるところから取って、取りづらいところからは相応の額を、取れないところからは成績優秀を条件にできるだけ取らないといった具合である。
「これ以上、お祖父様に甘えるのも忍びないわね、、どうしようかしら?」
そう、呟き、憂うお嬢様の横顔を放って置けないのが侍女というもの!
リーナは必死に頭を働かせていた。
下位貴族であるリーナは腐っても貴族ではあるが、生活はなかなかに苦しかった。
兄であるアルベルト・レイオが後を継いではいるものの、リーナの持参金を出せるほどレイオ家に余裕はなかった。
そのため、リーナは14歳の頃から下働きをしており、現在はメリアナ付きの侍女となった。
25歳とはシュメール国では行き遅れと言われ、結婚はもう考えてはいないため、妹のような、娘のような感情をメリアナには持っていた。
それに、働いている経験はわたしの方が持っているわ!
お金がない=働く
これはあまり余裕のない下級貴族や平民にとっては常識である!
何事も経験よね!!!
そう前向きに捉えるところは“主従は似てくる“その言葉通りであった。
「お嬢様、お金はなければ稼ぐものでございます!」
胸を張り、リーナは答えた。
「稼ぐ、、、その発想はなかったわ!」
リーナの方に向き直り、笑顔を見せたが、途端に顔が曇る
「でも、リーナ。私、お金を稼いだことがないわ、、、」
そういって、落ち込むメリアナにリーナは慌てて答えた。
「お、お嬢様、何か得意なことはございますか?」
「得意なこと?」
メリアナは思案顔を浮かべながら自分の得意なことを口に出す
「筋トレ、ストレッチ、魔物狩、野戦料理とかかしら???」
淑女にとっては大変物騒な特技だが、リーナは閃いた。
「魔物狩り!それですよお嬢様!下位貴族にとっては魔物を狩って素材を換金するお小遣い稼ぎがあります!」
「まぁ!それならわたしでもできそうだわ!」
そういってメリアナは顔を綻ばせた。
こうしてみると花の顔、父親譲りの美貌に気品溢れる仕草。
シュメール王国淑女誰もが羨むような細身の体型を持っているメリアナだが中身は脳筋、口に出す言葉は近頃物騒この上ない。
最近はすっかりこういう時の歯止め役となっていた師匠ことシード・ライアットは現在、メリアナの家庭教師がひと段落したため、騎士団の任務に行っている。
ツッコミ、もとい保護者不在のまま事は大きく進んでいくのであった。
「へぇ、してお嬢ちゃんらが魔物退治に来たってわけかぁ」
日に焼けた肌と年齢に似合わずがっしりとした大脚四頭筋が日常から下半身を特に使用する仕事をしていると推察できる。
中年男性が、疑いの目でメリアナ達を迎えてくれた。
とりあえず、魔物退治!あわよくば素材で金儲け!
と思い、職業紹介ギルドにやってきたメリアナ達は、自分にこなせそうな仕事を見繕って応募してみた。
王都の片田舎に大型の猫に似た“サーベルという魔物が畑や家畜を荒らすため対峙してほしい“という依頼に一も二もなく飛びついた。
幸い、メリアナは祖父との野営に慣れており、そんじょそこらの淑女とは違って、過酷な環境下での生活に慣れている。
そのため、野営の準備とお忍び用の衣類を何着か持って後は現地調達!
と意気込んではいたものの、村民が退治までは無償で宿を提供してくれるという好条件!
これは、野営に慣れていないリーナも同行予定であったため大変助かった。
しかも、報償金とサーベル退治後の素材を持ち帰って売れば、入学準備資金にお釣りが来る。
そうして、紋章なしの豪華な馬車で片田舎に向かったメリアナ達への反応は冒頭に戻るのだが、、、
「はい、メリアナと申します!よろしくお願いいたします。」
粗末な身なりをしているとはいえ、生まれた時から身についている所作は滲み出るもので、「村長だ」と紹介を受けた、大脚四頭筋の立派な男性は
胡散臭い奴らがきた、、、。
失敗したな、、。
と内心舌うちするのであった。
兎にも角にも、あまり歓迎はされていない様子だが、一応、宿に案内してもらい
明日現地に案内する。
と一言残し、足早に去っていった村長を見送り、人心地ついたメリアナとリーナは腹ごしらえの為に村の大衆居酒屋兼食堂に足を運んだ。
「いらっしゃい、席は空いてる所に座りな」
人の良さそうな女将がで迎えてくれた。
メリアナは初めての飲食店スタイルに若干戸惑ったが、カウンターの席にリーナと並んで座ることにした。
「こういったお店は初めてで、、、」
とメリアナが答えると、初めて気付いた様子で
「あんたら、村の外の人かい!やだねぇこんな村に何しにきたんだい?」
と笑顔で、頼んでもいないロールキャベツのような煮込み料理を2人の目の前に置いた。
「サーベル退治に来ました、この村周辺には魔物が出ると聞きましたがどんな感じか聞いてもいいですか?」
と初めてみる料理に夢中なメリアナの代わりにリーナが答えた。
「あんた達が?どっからどうみてもお嬢様じゃないか!」
驚いた様子の女将に驚いた。
どうみたらお嬢様に見えるのだ!かなり気を使って隠したのだが、、、
絶品な料理に舌鼓を打ちつつ、女将と楽しい会話をしつつ、得た情報では
・サーベルは村の西はずれによく出没する
・畑や家畜を荒らされて困っている
・一番被害に遭っているリリーという少女が住んでいる家は最近唯一の保護者である母が亡くなって大変そうだ
この3点であった。
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