いつかまた、桜の木の下で

私には、前世の記憶というものがある。それを思い出したのは、中学生の頃。
前世の時代はおそらく大正時代ごろ。その当時は体が弱かった私だけど、桜が大好きで、死期を悟った私は旦那様に連れて行ってもらって、『来世、でもまた、愛を誓いあってくれますか?』といって、そのまま亡くなるのだ。
前世を思い出してから桜の時期になると、この小さな神社にある樹齢何十年の桜の木のもとに通う。ただ、あの人が来るのを私は待ち続けているのだ。
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,033 位 / 193,033件 恋愛 57,937 位 / 57,937件

あなたにおすすめの小説

春の言わんとする処

おりぃ
青春
春。 頭に残る出会いも、心に残る別れもあるけれど、 なにもそれがすべてじゃないんだ。 新しい社会へ出る人たち、 桜や梅の小さくても大きく膨らむつぼみ、 闇の中で眠り続けてやっと今目覚めるいのち。 何事も始まりと終わりが必然的に結びついているように、 その間を一生懸命生きる僕たちには、 春の存在はとても大きく、とても強く、ときには苦しめるようにそばにいた。

オフィーリアへの献歌

夢 浮橋(ゆめの/うきはし)
恋愛
「成仏したいの。そのために弔いの歌を作ってほしい」 俺はしがないインディーズバンド所属の冴えない貧乏ギタリスト。 ある日部屋に俺のファンだという女の子……の幽霊が現れて、俺に彼女のためのオリジナルソングを作れと言ってきた。 祟られたら怖いな、という消極的な理由で彼女の願いを叶えることにしたけど、即興の歌じゃ満足してもらえない。そのうえ幽霊のさらなる要望でデートをするはめに。 けれど振り回されたのも最初のうち。彼女と一緒にあちこち出掛けるうちに、俺はこの関係が楽しくなってしまった。 ――これは俺の、そんな短くて忘れられない悪夢の話。 *売れないバンドマンと幽霊女子の、ほのぼのラブストーリー。後半ちょっと切ない。 *書いてる人間には音楽・芸能知識は微塵もありませんすいません。 *小説家になろうから出張中

ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。

イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。 きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。 そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……? ※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。 ※他サイトにも掲載しています。

献身

nao@そのエラー完結
歴史・時代
時は大正時代から昭和初期でございます。身寄りのない私が里子として引き取られたのは、伊豆の国の山奥に佇む洋館でございました。 ※男色的な表現あり ***  旦那様は不幸なお方です。  大変な美男でありましたが、両の足を悪くしてからは、そのご尊顔は不機嫌が常で、一日中書斎に閉じ籠るようになりました。  そんな旦那様の僅かなサインに気がつけるのは、私ぐらいのものでしょう。 「手水ですか」  恥じるように頬を染めて頷く美男に、私はどうしようもなく心が乱されてしまうのです。 *** つぶやき短編集 『不機嫌』×『サイン』より 朗読動画あります。 https://twitter.com/nao83466377/status/1484468214545338375?t=GKBY63poqZLHoA8N9-lmxg&s=19 表紙作成は、羽多奈緒さん(@hata_nao_)です。 ありがとうございます。

今年も綺麗に咲いたねって、一緒に桜を見上げてくれる人と。

羽月☆
恋愛
小さいころ毎日庭の桜を見上げて泣いていた。 桜の咲くころには・・・・・。 そんなのいつだか分からない、まだ本当に小さいころ。 すっかり悲しい思いでは遠い過去になっているはずなのに、まだまだ割り切れずに引きづる思い。 今年、駅までの道に大きな桜の木を見つけました。 あと少し、もう少し待てば綺麗な花を見せてくれると思い、見上げる朝。 少し立ち止まった私は家の人に不審に思われたみたいで。 綺麗に桜が咲いた日、その日に出会った人々はとても素敵な人たちでした。 社会人二年目になる私、池田 由利乃が出会った人たちと作る新しい記憶。 いつかずっと先の春に懐かしんで語れる思い出になるといいと思います。 桜の記憶がつなげてくれた優しい恋愛の話です。

四季を彩るアルビノへ

夜月 真
恋愛
「なあ、アルビノって知ってる?」 「あー、身体が真っ白なんだっけ?」 「そうそう、最近この辺にアルビノがいるらしいぜ」 「何のアルビノ?」 「それが、わからないんだよ。噂で広まっただけだからそこまでは確認できてないんだ。……もし人間だったら、お前どうする?」  大学の広い講義室で、後ろの席に座る名前も知らない男子ふたりの会話が耳に着く。他人の話を盗み聞きするのは趣味じゃないが、授業を聞くよりかはまだ面白味があった。  バイトは辞めた。辞めさせてもらいます、と突然に僕が言うものだから、店長は酷く驚いていた。辞めた理由は酷く単純で、ただ他人の日用品や食料に音を鳴らしてお金を貰うだけの作業に窮屈さを感じていた。そしてもう一つ、このバイトをしていると目が渇き、痛むのだ。仕事中は忙しいと目薬を注すことができず、耐えるしかない。  週末には眼科に向かい、ドライアイ用の目薬を購入する。この費用だって、意外と嵩んでくる。しばらくの間は、親からの仕送りに頼るしかない。運の良いことに僕は大学デビューに失敗し、友達もいないから人付き合いなどによる出費はなかった。 暇つぶしに始めてみた読書も長くは続かなかった。昔はよく読んでいたのに、いつからか本も苦手になっていた。数日前に本屋で購入した数冊の小説や辞典、自己啓発本は今となってはどこに仕舞ったのかも忘れてしまった。  このまま何の楽しいことも起きず、それなりの成績で、何となく就活をして、卒業式にも出るか悩んだまま大学生活を終えるのだろう。終わりというのは、いつも唐突だとわかっているにも関わらず。 ※小説家になろう、魔法のiらんど、エブリスタ、カクヨムにて重複投稿

【完結済】姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです

鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。 十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。 そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり────── ※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。 ※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。

桜花

依久
恋愛
一方通行をバイクで逆行したアタシは、同じようにして捕まった背の高い彼と警察官に連行された。 桜の季節に、偶然から始まる甘酸っぱい恋愛ストーリー。

処理中です...