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電話ボックス
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「道の先にある公園って、ここしかないけど、この茂みの奥にあるんだよね?」
美代は男に言われた通り、公園を訪れていた。そして茂みの奥を眺める。茂みの中は当然、街灯はなくとても暗い。
「やっぱり、帰ろうかな……」
不安になった美代は、公園を出る。だが、足を止めた。
「どんな願いも、叶えてくれる……。試すだけ。そう、いたずらかもしれないし!」
美代は再び公園の中に入り、茂みをかき分けて奥へと進んだ。少しすると、開けた空間があり、ポツンと電話ボックスがそこにあった。
「これが、あの人が言っていた、電話ボックス?」
美代はおそるおそるドアに手をかけ、手前に引く。ドアは金具が古びたキィーと音と共に開いた。電話には硬貨を入れる場所やテレホンカードを入れる場所がないほか、救急に連絡を入れるためのボタンもなかった。
『使い方は簡単。受話器を取って、願い事を口にするだけです』
「受話器を取って、願い事を、口にするだけ」
男の言葉を復唱するように美代は呟き、受話器を取って耳に当てた。
スピーカーからはツーツーツーという、電子音が聞こえるだけ。
(本当に叶うかどうかわからないんだから、まずは試しに)
美代は息を吸った。
「明日の数学の小テストで、満点が取れますように」
『ピーッ』
突然の電子音に、美代は驚いて受話器を耳から離す。するとスピーカーから声が聞こえた。
『承りました』
ガチャ。ツーツーツー。
美代は震える手で、受話器を置き、電話ボックスから出た。辺りはゆっくりと、夜が近づいてきている。美代は暗くなる前にと、足早にその場を後にした。
美代は男に言われた通り、公園を訪れていた。そして茂みの奥を眺める。茂みの中は当然、街灯はなくとても暗い。
「やっぱり、帰ろうかな……」
不安になった美代は、公園を出る。だが、足を止めた。
「どんな願いも、叶えてくれる……。試すだけ。そう、いたずらかもしれないし!」
美代は再び公園の中に入り、茂みをかき分けて奥へと進んだ。少しすると、開けた空間があり、ポツンと電話ボックスがそこにあった。
「これが、あの人が言っていた、電話ボックス?」
美代はおそるおそるドアに手をかけ、手前に引く。ドアは金具が古びたキィーと音と共に開いた。電話には硬貨を入れる場所やテレホンカードを入れる場所がないほか、救急に連絡を入れるためのボタンもなかった。
『使い方は簡単。受話器を取って、願い事を口にするだけです』
「受話器を取って、願い事を、口にするだけ」
男の言葉を復唱するように美代は呟き、受話器を取って耳に当てた。
スピーカーからはツーツーツーという、電子音が聞こえるだけ。
(本当に叶うかどうかわからないんだから、まずは試しに)
美代は息を吸った。
「明日の数学の小テストで、満点が取れますように」
『ピーッ』
突然の電子音に、美代は驚いて受話器を耳から離す。するとスピーカーから声が聞こえた。
『承りました』
ガチャ。ツーツーツー。
美代は震える手で、受話器を置き、電話ボックスから出た。辺りはゆっくりと、夜が近づいてきている。美代は暗くなる前にと、足早にその場を後にした。
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