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電話ボックス
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ある日、その日は練習が早く切り上げられ、まだ日のある夕方には帰路につくことが出来た。
時間が合えば愛華に内緒で勝也と一緒に帰ることが増えてきたが、今日は仲間と近くのストリートバスケコートに行くらしく、先ほど「ごめん」とわざわざ謝りに来た。美代は「大丈夫ですよ。でも、練習はほどほどに」と笑って勝也と別れ、久々に一人で家に帰る。
「どうすれば、愛華先輩を遠ざけることが、できるのかなぁ」
勝也の愚痴を聞いてからというもの、美代はずっとそのことだけを考えていた。
あからさまに手を出すのはまずい。騒ぎを大きくされるだけでなく、返り討ちに遭う可能性もある。今まで辞めてしまった子の中には、愛華によって消された子もいるのだろう。慎重に動かなくてはならない。
「こんにちは。よい夕方ですね」
「え?」
突然声をかけられ、美代は足を止めた。そこには、夕日を背に立つ黒いスーツを着た細目の男が、胸元に手を当てて立っていた。
「こ、こんにちは。あの、なにか、ご用ですか?」
不審がる美代に、男はニッコリと笑みを深める。
「夕方を示す言葉、あなたは何を知っていますか?」
「へ?」
男の突然の質問に、美代は答えられずにいると、男はズイッと美代に近づいた。
「よく言われるのは、日暮れ、夕暮れ。中には黄昏時というのもあります」
「は、はぁ」
「ですが、こんな言葉を聞いたことはありませんか? 人と人ならざるモノたちが出会う時、逢魔が時というのを」
男の言葉に美代は息をのむ。
時間が合えば愛華に内緒で勝也と一緒に帰ることが増えてきたが、今日は仲間と近くのストリートバスケコートに行くらしく、先ほど「ごめん」とわざわざ謝りに来た。美代は「大丈夫ですよ。でも、練習はほどほどに」と笑って勝也と別れ、久々に一人で家に帰る。
「どうすれば、愛華先輩を遠ざけることが、できるのかなぁ」
勝也の愚痴を聞いてからというもの、美代はずっとそのことだけを考えていた。
あからさまに手を出すのはまずい。騒ぎを大きくされるだけでなく、返り討ちに遭う可能性もある。今まで辞めてしまった子の中には、愛華によって消された子もいるのだろう。慎重に動かなくてはならない。
「こんにちは。よい夕方ですね」
「え?」
突然声をかけられ、美代は足を止めた。そこには、夕日を背に立つ黒いスーツを着た細目の男が、胸元に手を当てて立っていた。
「こ、こんにちは。あの、なにか、ご用ですか?」
不審がる美代に、男はニッコリと笑みを深める。
「夕方を示す言葉、あなたは何を知っていますか?」
「へ?」
男の突然の質問に、美代は答えられずにいると、男はズイッと美代に近づいた。
「よく言われるのは、日暮れ、夕暮れ。中には黄昏時というのもあります」
「は、はぁ」
「ですが、こんな言葉を聞いたことはありませんか? 人と人ならざるモノたちが出会う時、逢魔が時というのを」
男の言葉に美代は息をのむ。
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