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電話ボックス
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愛華は肩をすくめ、当時のことを話しだす。
「あたしが入ったときは、先輩マネージャーがいてね。その人から教わったんだけど、途中で自分なりに効率のいいやり方でやってたら、よく違うでしょ! って叱られて」
「え? それってなんだか、理不尽な気が」
「でしょ? だから美代ちゃんも、独自のやり方でやっていいからね!」
「はい。ありがとうございます」
美代はぺこりと、頭を下げた。
「でさ、美代ちゃんも目的は、勝也だったりするの?」
「へ!?」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、愛華が美代に近寄りながら尋ねる。そのとき愛華から、化粧品と香水の混ざった、甘ったるくそれでいて鼻につくにおいに、美代は一瞬だけ顔をしかめた。
だが、愛華にはそれが答えにくい質問の顔だと捉えたらしく、すぐに身を引いた。
「まぁ、真面目に仕事をしてくれれば、あたしは文句を言わないから、安心して!」
「え? あ、はい」
「改めて、これからよろしくね!」
「はい。よろしくお願いします」
差し出された愛華の手を、美代は握りかえした。
「あたしが入ったときは、先輩マネージャーがいてね。その人から教わったんだけど、途中で自分なりに効率のいいやり方でやってたら、よく違うでしょ! って叱られて」
「え? それってなんだか、理不尽な気が」
「でしょ? だから美代ちゃんも、独自のやり方でやっていいからね!」
「はい。ありがとうございます」
美代はぺこりと、頭を下げた。
「でさ、美代ちゃんも目的は、勝也だったりするの?」
「へ!?」
ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、愛華が美代に近寄りながら尋ねる。そのとき愛華から、化粧品と香水の混ざった、甘ったるくそれでいて鼻につくにおいに、美代は一瞬だけ顔をしかめた。
だが、愛華にはそれが答えにくい質問の顔だと捉えたらしく、すぐに身を引いた。
「まぁ、真面目に仕事をしてくれれば、あたしは文句を言わないから、安心して!」
「え? あ、はい」
「改めて、これからよろしくね!」
「はい。よろしくお願いします」
差し出された愛華の手を、美代は握りかえした。
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