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電話ボックス

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 ダンッ! とバスケットボールがゴールリングに叩きつけられる音と同時に、試合終了のブザーが鳴る。
 一年マネージャーの山路美代やまじみよは、洗濯が終わったタオルが入ったカゴを持ったまま、ほぅっと息をついた。 

「やっぱり勝也かつや先輩、かっこいいなぁ」

 美代がマネージャーとして入部するきっかけを作ったバスケ部エースで三年生の御堂みどう勝也が、仲間たちに先ほどのダンクシュートを賞賛され、じゃれ合っている様子が、どこか可愛かわいらしく、美代は小さく微笑んだ。

「って、いけない。仕事しなきゃ!」

 美代は急いで、洗濯物を乾燥機にかけに、体育館を出た。

「勝也ー! みんなー! お疲れさま! ドリンクだよー!」

 その時、どこか媚びるような声が聞こえ、美代はチラリと、体育館に視線を向ける。
 そこには三年生で先輩マネージャーの星宮愛華星宮愛華ほしみやあいかが、ニコニコと笑いながら、勝也にドリンクを手渡していた。
 美代は眉をひそめるも、自分の仕事を優先するために、背を向けた。
 濡れたタオルも、本数が多ければそれなりの重労働だ。ましてや乾燥機がある場所は、体育館から離れている。

「よいっしょっと」

 カゴを床に置いて、タオルを乾燥機に入れていく。すべてを入れ終え、スイッチを押したらまた体育館に戻って、別の仕事をしなければならない。

「よし。次!」

 美代は気合いを入れて、体育館に足早に戻った。  
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