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四ノ巻 剣術指南はお任せを 虎之介
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「そうかい。それはご苦労だったね。ところで、怪我はないかい?」
「その心配癖は直らないのかにゃ? 俺が怪我をするわけないのにゃ」
「そう言って隠していて、怪我を悪化させたのはどこのどいつだい? あとで診察するからね」
「だ、だ、大丈夫だにゃ!」
明らかに動揺する虎之介に、お蘭はじと目を向ける。
あまりに強い視線に、虎之介の頭はだんだんと下がっていき、ついにぽつりとこぼした。
「か、烏の集団に、襲われたにゃ」
「よりによって烏かい。ならなおのこと、診察するよ」
「で、でも、お蘭が持たせてくれた薬を塗ったから、大丈夫だにゃ!」
「大丈夫じゃない。虎之介が気づいていないだけで、小さな傷があるかもしれないからね」
「にゃあ……」
虎之介はか細い声をあげた。その様子に、お蘭は呆れたように、ため息をつく。
「相変わらず、虎之介は医者嫌いだねぇ」
「ほっとけにゃ。武士たるもの、多少の傷はつきものだにゃ」
「はいはい」
そのとき、ガラリと乱暴に戸が開かれた。
「その心配癖は直らないのかにゃ? 俺が怪我をするわけないのにゃ」
「そう言って隠していて、怪我を悪化させたのはどこのどいつだい? あとで診察するからね」
「だ、だ、大丈夫だにゃ!」
明らかに動揺する虎之介に、お蘭はじと目を向ける。
あまりに強い視線に、虎之介の頭はだんだんと下がっていき、ついにぽつりとこぼした。
「か、烏の集団に、襲われたにゃ」
「よりによって烏かい。ならなおのこと、診察するよ」
「で、でも、お蘭が持たせてくれた薬を塗ったから、大丈夫だにゃ!」
「大丈夫じゃない。虎之介が気づいていないだけで、小さな傷があるかもしれないからね」
「にゃあ……」
虎之介はか細い声をあげた。その様子に、お蘭は呆れたように、ため息をつく。
「相変わらず、虎之介は医者嫌いだねぇ」
「ほっとけにゃ。武士たるもの、多少の傷はつきものだにゃ」
「はいはい」
そのとき、ガラリと乱暴に戸が開かれた。
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