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終ノ章 またのご利用をお待ちしております

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『化け猫亭』の主人、お蘭は三毛柄のしっぽを、ゆらゆらとご機嫌に揺らす。

「さて、お客さんの役に立ちそうな子は、うちにいいたかい? まだまだこれから、猫又たちいの子は増える予定だから、時折、店を覗いてくれるとうれしいねぇ」

 お蘭が言い終わると、紅丸、白菊、月夜、虎之介の四匹が主張を始めた。

「俺様は小物の修理や、瓦の修理も、請け負うにゃ」
「白菊は家事手伝いもいたしますにゃあ」
「ぼくは、ぼくは、えっと……小さい荷物なら運べるにゃ!」
「鍛えてやることはできるにゃ」

 力説する四匹に、お蘭は苦笑した。

「こらこらおまえたち。お客さんを困らせるようなことを、するんじゃないよ」

 そして四匹を優しくいさめた。
 お蘭は客に向き直る。

「まぁそういうわけだから、困ったときはいつでもこの店、『化け猫亭』においで。困っている人や忙しい人に、化け猫の手を貸すのが、うちの売りだからね」
「にゃあにゃ!」

 お蘭と四匹はそう言って、出ていく客を見送った。
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