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一ノ巻 大工仕事はお任せを 紅丸
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喜助が現場につくと、すでに仕事が始まっていた。
「親方ー! お待たせしました! 『化け猫亭』で紅丸さんを、借りてきましたー!」
「遅ぇ! いつまでかかってんだ!」
「すんません!」
元気よく謝る喜助。仁平は渋い顔をした。潔く謝られると、怒るに怒れないからだ。
そんな仁平に、紅丸が声をかける。
「おう、仁平。来てやったにゃ」
「おう、紅丸。いつも悪いな
「にゃ」
紅丸はしっぽで、喜助を示す。
「俺様はこいつに、大工のいろはを教えてやればいいんだにゃ?」
「あぁ。おまえに頼んだほうが、手っ取り早いしな。それと悪かったな。喜助に金を持たすのを、忘れてた」
「そうだと思ったにゃ」
「支払い額はいつも通り、銀六匁でいいな?」
「にゃあ。仕事終わりにくれればいいにゃ」
「あいよ。いいか喜助、紅丸にしっかり大工の仕事の大切さを教われよ」
「はいっす! 親方!」
仁平に挨拶を終えて、喜助は紅丸を肩に乗せたまま、自分の担当場所に向かう。
「親方ー! お待たせしました! 『化け猫亭』で紅丸さんを、借りてきましたー!」
「遅ぇ! いつまでかかってんだ!」
「すんません!」
元気よく謝る喜助。仁平は渋い顔をした。潔く謝られると、怒るに怒れないからだ。
そんな仁平に、紅丸が声をかける。
「おう、仁平。来てやったにゃ」
「おう、紅丸。いつも悪いな
「にゃ」
紅丸はしっぽで、喜助を示す。
「俺様はこいつに、大工のいろはを教えてやればいいんだにゃ?」
「あぁ。おまえに頼んだほうが、手っ取り早いしな。それと悪かったな。喜助に金を持たすのを、忘れてた」
「そうだと思ったにゃ」
「支払い額はいつも通り、銀六匁でいいな?」
「にゃあ。仕事終わりにくれればいいにゃ」
「あいよ。いいか喜助、紅丸にしっかり大工の仕事の大切さを教われよ」
「はいっす! 親方!」
仁平に挨拶を終えて、喜助は紅丸を肩に乗せたまま、自分の担当場所に向かう。
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