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第10環「白銀の懐中時計」
⑩-2 夢を腕に抱き、涙を流す②
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マリアに促され、レオポルトとサーシャが退出すると、部屋は静けさを迎えていた。
ティトーは銀の懐中時計の傷を人差し指で撫でながら、アルブレヒトを見つめていた。その瞳に宿る意思の強さに、7歳の少女とは思えぬ意思を持ち合わせている。
「ティトー。どうしたんだ」
「僕ね」
「どうした?」
「落城したお城を見たくないって、アルブレヒトさんのいいわけでしょ? きっとそれは本心じゃないと思ったの」
「…………」
「何があったのか、僕は知らなかったけど。アルブレヒトさんは、ずっと祖国の事を想ってたと思うから」
ティトーは尚も視線を外そうとはせず、目線が合ってしまった男はそれを逸らせずにいた。ティトーは迷いのないような表情を浮かべると、真っ直ぐとアルブレヒトを見据えている。
「お母さまが亡くなったのなら、そこへ行って花を供えたいと思っているのでは?」
「…………」
「ここからなら、お父さまが亡くなったフェルド平原に近い。そこへ行って花を手向けたいと思っているのでは?」
ティトーはアルブレヒトの赤い瞳を見つめながら、その青い瞳を煌めかせていく。
「愛する国民の下に、すぐにでも駆けつけたいのでは? セシュール国でしているような、復興の手助けをしたい。そう思っているでしょ?」
ティトーの指摘に、男はただただ言葉を飲み込む。ティトーはそれでも言葉や口調を緩めることなく、子供らしくはきはきと続けていく。
「僕は、再会の町でアルブレヒトさんに初めて会いました」
ティトーは見透かすようにアルブレヒトを見つめたままだ。瞳の奥を、どこまで少女が見ているのか。何を見ているのかは、少女にしかわからない。
「アルブレヒトさんがあの町で、何を思って、いろんな話をして、どういう行動をしていたのか。僕にはわかりませんし、知りません」
手に握る白銀の懐中時計が光り、アルブレヒトの視線をティトーの瞳から解放していく。それでも、ティトーは真っ直ぐアルブレヒトを見つめていた。
「でも、復興してる人たちと笑いあって、同じことを共有していました。それを苦痛に感じているとは思えなかったです。それは」
そこで漸く、アルブレヒトはティトーの真意を知るのだ。彼女は幼いながらも、祖国へ帰るように、自身を説得しようとしているのだと。
「祖国でも、同じことをしたいのではありませんか?」
生まれ育った国へ帰るように、と。
「アルブレヒトさんが夜を眠れずにいるのを、僕は知っています。夢に、悪いことが出てくるんだよね。苦しそうに唸っているのを、何度か聞いてます。父上や母上という寝言も、僕は何度か聞いていたから」
「ティトー……」
「アルブレヒトさん。僕は何もわかりませんが、アルブレヒトさんが祖国を愛しているってことはわかっています。その為にセシュール国へ行って、祖国へ帰れるように努めて欲しいんです。僕は、ここまで連れて来てくれた貴方に、恩を返したい」
ティトーは瞳を潤ませると、瞬きと共に右眼から一滴の涙を零した。
「だから、ここでお別れです。僕は、ルゼリア国に行きます。行って、どうしてあんな戦争をしたのか、ルゼリア側からの理由も勉強してきます」
「それはダメだ……」
「……どうしてですか?」
「危険だからだ。相手は情報もほとんどない、ルゼリア国なんだぞ」
アルブレヒトは再びティトーに視線を合わせると、ティトーから大粒の涙が頬を伝っていく。
「僕は今、ここにいます。ここはフェルド共和国です。セシュール国内にいたら、迷わずにセシュール国へ行って、お父さんに会いに行っていたと思います。でも、ここはフェルド共和国なんです。霊峰ケーニヒスベルクからは、とっても遠いです」
ケーニヒスベルクという言葉に、アルブレヒトは視線を再び泳がせてしまう。それでも、ティトーは訴えかけるように、その赤い瞳を見つめた。
「でも、ここからアンセム国は近いです。だから、アルブレヒトさんの気持ちが祖国へ向いている今だからこそ、アルブレヒトさんに訴えたいんです。あなたは、祖国へ帰るべきなんです。故郷を見るのが辛いのはわかりますが、アルブレヒトさんは自分のことより国民の事を想っているでしょう?」
「…………」
「何でも欲張るとうまくいかないです。でも、夢を掴むために夢を見るのは、間違ったことではないと思います。アルブレヒトさんは、とってもとっても優しい人です。だから、その苦しみを一人で抱え込まないでください」
「ッ…………。ティトー……」
「本当の事を言うと、僕はお兄ちゃんやアルブレヒトさん、マリアさんたちとずっと一緒にいたいです。だから、それだけを考えたらセシュール国にいってお父さんにも会いたい。でもすべきことは、それじゃないんです」
アルブレヒトは胸を掴みながら俯いた。そのまま、グッと堪えるかのように、こぶしを握って胸へ押し当てていた。
「アルブレヒトさんはお強いです。でも、辛い時に泣かないで我慢するのはよくないです。泣いたっていいと思います。ここにいるのは、子供の僕だけです。親友のお兄ちゃんも、婚約者だったマリアさんも、義理の妹のサーシャさんもいません」
ティトーは頷きながら、何度も頷きながら言葉を繋いでいく。
「我慢しないでください。強がったって、辛いだけでしょう。強く進むためにも、その本音を隠さないで欲しいです。真意っていうんですよね。それを、忘れちゃダメです。自分の思いも大切にしてください、アルブレヒトさん!」
ティトーはそういうと、白銀の懐中時計をアルブレヒトへ向けた。
「交換していたのは知っていました。どうしてそんなことをしたのか、僕はあえて聞きません。言わなくてもいいです。これは、アルブレヒトさんにとって、特別なものなのでしょう?」
「それは、そうだが……」
ティトーはベッドから起き上がると、立ちすくむアルブレヒトの足元で、縋りつくように抱きしめた。
「ごめんなさい。僕まだちっちゃいから、頼りないですけど……。でも、でもね!」
ティトーが顔を上げたとき、その頬に雫がしたたり落ちた。アルブレヒトが瞳を潤ませているのを見ると、ティトーは微笑みながらその涙に自身の涙を重ねた。
「大巫女で役に立てるなら、立ってみせます。僕に出来ることはありませんか、アルブレヒトさん。ううん。アルブレヒト、アンセム王子」
「ティトー、お前……」
「僕はこれでも、大巫女なんです。もしかしたら、ルゼリアの王女でもあるかもしれません。僕に出来ることはやります。お願いです、ルゼリア側にだって、何か譲れない何かがあったのかもしれないんです。僕は、それを調べます」
アルブレヒトはティトーを抱きしめるように体を屈ませると力強くティトーを抱きしめた。
「アルブレヒト王子は一人じゃありません。お友達のレオポルトさん、頼りになるマリアさん、それから聖女のアレクサンドラさんがいます。大丈夫です、一人じゃありません。大巫女の、僕もいます!」
ティトーは微笑みながら、アルブレヒトの目の前に白銀の懐中時計を持ってくると、男の手に握らせた。
「これ、アルブレヒトさんが持っていて。僕はもう大丈夫だから。これを持って、お父さんに僕の気持ち、伝えて欲しいんです。お父さんのこと、何も知らないけれど、大好きだって」
「お前はそれでいいのか?」
「うん!」
ティトーは涙を零しながら、万遍の笑みを浮かべた。それはティトーらしい微笑みだ。
「アル。銀時計さんのこと、よろしくね!」
強く抱きしめる手に、腕に力が入った。ティトーは苦しいと言いながら、笑って見せた。そんなティトーと、アルブレヒトは別れなければならないのだ。
「伝える。ルクヴァさんにお前のことを、ちゃんと……」
「うん! お父さんに、会うの楽しみにしてるからねって!」
ティトーが言い終わらぬうちに、再び強く抱きしめられた。ティトーは顔を赤らめながらその小さな手を背中に回した。
ティトーは銀の懐中時計の傷を人差し指で撫でながら、アルブレヒトを見つめていた。その瞳に宿る意思の強さに、7歳の少女とは思えぬ意思を持ち合わせている。
「ティトー。どうしたんだ」
「僕ね」
「どうした?」
「落城したお城を見たくないって、アルブレヒトさんのいいわけでしょ? きっとそれは本心じゃないと思ったの」
「…………」
「何があったのか、僕は知らなかったけど。アルブレヒトさんは、ずっと祖国の事を想ってたと思うから」
ティトーは尚も視線を外そうとはせず、目線が合ってしまった男はそれを逸らせずにいた。ティトーは迷いのないような表情を浮かべると、真っ直ぐとアルブレヒトを見据えている。
「お母さまが亡くなったのなら、そこへ行って花を供えたいと思っているのでは?」
「…………」
「ここからなら、お父さまが亡くなったフェルド平原に近い。そこへ行って花を手向けたいと思っているのでは?」
ティトーはアルブレヒトの赤い瞳を見つめながら、その青い瞳を煌めかせていく。
「愛する国民の下に、すぐにでも駆けつけたいのでは? セシュール国でしているような、復興の手助けをしたい。そう思っているでしょ?」
ティトーの指摘に、男はただただ言葉を飲み込む。ティトーはそれでも言葉や口調を緩めることなく、子供らしくはきはきと続けていく。
「僕は、再会の町でアルブレヒトさんに初めて会いました」
ティトーは見透かすようにアルブレヒトを見つめたままだ。瞳の奥を、どこまで少女が見ているのか。何を見ているのかは、少女にしかわからない。
「アルブレヒトさんがあの町で、何を思って、いろんな話をして、どういう行動をしていたのか。僕にはわかりませんし、知りません」
手に握る白銀の懐中時計が光り、アルブレヒトの視線をティトーの瞳から解放していく。それでも、ティトーは真っ直ぐアルブレヒトを見つめていた。
「でも、復興してる人たちと笑いあって、同じことを共有していました。それを苦痛に感じているとは思えなかったです。それは」
そこで漸く、アルブレヒトはティトーの真意を知るのだ。彼女は幼いながらも、祖国へ帰るように、自身を説得しようとしているのだと。
「祖国でも、同じことをしたいのではありませんか?」
生まれ育った国へ帰るように、と。
「アルブレヒトさんが夜を眠れずにいるのを、僕は知っています。夢に、悪いことが出てくるんだよね。苦しそうに唸っているのを、何度か聞いてます。父上や母上という寝言も、僕は何度か聞いていたから」
「ティトー……」
「アルブレヒトさん。僕は何もわかりませんが、アルブレヒトさんが祖国を愛しているってことはわかっています。その為にセシュール国へ行って、祖国へ帰れるように努めて欲しいんです。僕は、ここまで連れて来てくれた貴方に、恩を返したい」
ティトーは瞳を潤ませると、瞬きと共に右眼から一滴の涙を零した。
「だから、ここでお別れです。僕は、ルゼリア国に行きます。行って、どうしてあんな戦争をしたのか、ルゼリア側からの理由も勉強してきます」
「それはダメだ……」
「……どうしてですか?」
「危険だからだ。相手は情報もほとんどない、ルゼリア国なんだぞ」
アルブレヒトは再びティトーに視線を合わせると、ティトーから大粒の涙が頬を伝っていく。
「僕は今、ここにいます。ここはフェルド共和国です。セシュール国内にいたら、迷わずにセシュール国へ行って、お父さんに会いに行っていたと思います。でも、ここはフェルド共和国なんです。霊峰ケーニヒスベルクからは、とっても遠いです」
ケーニヒスベルクという言葉に、アルブレヒトは視線を再び泳がせてしまう。それでも、ティトーは訴えかけるように、その赤い瞳を見つめた。
「でも、ここからアンセム国は近いです。だから、アルブレヒトさんの気持ちが祖国へ向いている今だからこそ、アルブレヒトさんに訴えたいんです。あなたは、祖国へ帰るべきなんです。故郷を見るのが辛いのはわかりますが、アルブレヒトさんは自分のことより国民の事を想っているでしょう?」
「…………」
「何でも欲張るとうまくいかないです。でも、夢を掴むために夢を見るのは、間違ったことではないと思います。アルブレヒトさんは、とってもとっても優しい人です。だから、その苦しみを一人で抱え込まないでください」
「ッ…………。ティトー……」
「本当の事を言うと、僕はお兄ちゃんやアルブレヒトさん、マリアさんたちとずっと一緒にいたいです。だから、それだけを考えたらセシュール国にいってお父さんにも会いたい。でもすべきことは、それじゃないんです」
アルブレヒトは胸を掴みながら俯いた。そのまま、グッと堪えるかのように、こぶしを握って胸へ押し当てていた。
「アルブレヒトさんはお強いです。でも、辛い時に泣かないで我慢するのはよくないです。泣いたっていいと思います。ここにいるのは、子供の僕だけです。親友のお兄ちゃんも、婚約者だったマリアさんも、義理の妹のサーシャさんもいません」
ティトーは頷きながら、何度も頷きながら言葉を繋いでいく。
「我慢しないでください。強がったって、辛いだけでしょう。強く進むためにも、その本音を隠さないで欲しいです。真意っていうんですよね。それを、忘れちゃダメです。自分の思いも大切にしてください、アルブレヒトさん!」
ティトーはそういうと、白銀の懐中時計をアルブレヒトへ向けた。
「交換していたのは知っていました。どうしてそんなことをしたのか、僕はあえて聞きません。言わなくてもいいです。これは、アルブレヒトさんにとって、特別なものなのでしょう?」
「それは、そうだが……」
ティトーはベッドから起き上がると、立ちすくむアルブレヒトの足元で、縋りつくように抱きしめた。
「ごめんなさい。僕まだちっちゃいから、頼りないですけど……。でも、でもね!」
ティトーが顔を上げたとき、その頬に雫がしたたり落ちた。アルブレヒトが瞳を潤ませているのを見ると、ティトーは微笑みながらその涙に自身の涙を重ねた。
「大巫女で役に立てるなら、立ってみせます。僕に出来ることはありませんか、アルブレヒトさん。ううん。アルブレヒト、アンセム王子」
「ティトー、お前……」
「僕はこれでも、大巫女なんです。もしかしたら、ルゼリアの王女でもあるかもしれません。僕に出来ることはやります。お願いです、ルゼリア側にだって、何か譲れない何かがあったのかもしれないんです。僕は、それを調べます」
アルブレヒトはティトーを抱きしめるように体を屈ませると力強くティトーを抱きしめた。
「アルブレヒト王子は一人じゃありません。お友達のレオポルトさん、頼りになるマリアさん、それから聖女のアレクサンドラさんがいます。大丈夫です、一人じゃありません。大巫女の、僕もいます!」
ティトーは微笑みながら、アルブレヒトの目の前に白銀の懐中時計を持ってくると、男の手に握らせた。
「これ、アルブレヒトさんが持っていて。僕はもう大丈夫だから。これを持って、お父さんに僕の気持ち、伝えて欲しいんです。お父さんのこと、何も知らないけれど、大好きだって」
「お前はそれでいいのか?」
「うん!」
ティトーは涙を零しながら、万遍の笑みを浮かべた。それはティトーらしい微笑みだ。
「アル。銀時計さんのこと、よろしくね!」
強く抱きしめる手に、腕に力が入った。ティトーは苦しいと言いながら、笑って見せた。そんなティトーと、アルブレヒトは別れなければならないのだ。
「伝える。ルクヴァさんにお前のことを、ちゃんと……」
「うん! お父さんに、会うの楽しみにしてるからねって!」
ティトーが言い終わらぬうちに、再び強く抱きしめられた。ティトーは顔を赤らめながらその小さな手を背中に回した。
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