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第二輪「例え鳴り響いた鐘があったとしても」
②-19 なんて悪い冗談を①
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「な、な、な………………ッ」
自宅に戻ったマリアは、当然孤児院に立ち寄って帰宅している。孤児院では、午後になるとすぐにティニアは用事があると言って孤児院を後にしたという。前々からその様な発言があったと聞き、最小限の心配で済んでいたのだ。
「なんで………………」
だからこそ、この状況には驚愕したのである。想像の斜め上を突破し、月まで到達してしまったであろう。
「なんで、あんたがここにいるのよ!!」
わかりやすい程、わなわなと人差し指で遠慮なく指をさす、赤い朱色の長髪をたなびかせる20代前半と思われる女性マリア。自分よりも茶色で黒く、より赤毛の男を指さしていた。男は出会った時と豹変しており、かなり気の抜けた服装で、住み慣れた彼女たちの住処でソファーに座り、寛ぎながら読書をしていたのだ。
「あ~、なりゆき。ですかね」
「適当なこと、言ってんじゃないわよ。どうやって入ったの? 衛兵呼ぶわよ!?」
男、アルベルトは特に視線を合わせようとはせず、その瞳はゆっくりを文字を追って横へと動くと、次のページをめくっていた。
「うーん。別に呼んでもらっても、構わないですよ。困るのはそちら、かと」
「はああ!? ちょっと待って、あんた本当にアルベルトなの?」
「ええ、そうですよ。ちゃんと、アルベルトさんですよ」
「うそでしょ、だって…………」
「あ~、ティニアが言ってましたよ」
尚も目線を合わせず、口元だけニヤつかせる男に対し、怒りと恥ずかしさだけがこみあげる。
「貴女は、ちょっと世間に疎くて、危なっかしくて、そして酷くちょろいって」
「んなッ………………………………」
「ああ、丁度。彼も言ってますね」
「………………」
「ヘッセも、女友達が当たり前のように依存してきて、重たいってさ」
自宅に戻ったマリアは、当然孤児院に立ち寄って帰宅している。孤児院では、午後になるとすぐにティニアは用事があると言って孤児院を後にしたという。前々からその様な発言があったと聞き、最小限の心配で済んでいたのだ。
「なんで………………」
だからこそ、この状況には驚愕したのである。想像の斜め上を突破し、月まで到達してしまったであろう。
「なんで、あんたがここにいるのよ!!」
わかりやすい程、わなわなと人差し指で遠慮なく指をさす、赤い朱色の長髪をたなびかせる20代前半と思われる女性マリア。自分よりも茶色で黒く、より赤毛の男を指さしていた。男は出会った時と豹変しており、かなり気の抜けた服装で、住み慣れた彼女たちの住処でソファーに座り、寛ぎながら読書をしていたのだ。
「あ~、なりゆき。ですかね」
「適当なこと、言ってんじゃないわよ。どうやって入ったの? 衛兵呼ぶわよ!?」
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「うーん。別に呼んでもらっても、構わないですよ。困るのはそちら、かと」
「はああ!? ちょっと待って、あんた本当にアルベルトなの?」
「ええ、そうですよ。ちゃんと、アルベルトさんですよ」
「うそでしょ、だって…………」
「あ~、ティニアが言ってましたよ」
尚も目線を合わせず、口元だけニヤつかせる男に対し、怒りと恥ずかしさだけがこみあげる。
「貴女は、ちょっと世間に疎くて、危なっかしくて、そして酷くちょろいって」
「んなッ………………………………」
「ああ、丁度。彼も言ってますね」
「………………」
「ヘッセも、女友達が当たり前のように依存してきて、重たいってさ」
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