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「クロエ。どう、憧れた塔を見て」
外国の大都市。
私の隣には、笑顔を浮かべるナタリアが立っていた。
彼女に顔を向けると、私は子供のようにはしゃいだ声で言う。
「最高……こんなに高いなんて思わなかった」
「ふふ、そうでしょう? 私も最初すごく驚いたの」
私たちの目の前には、街の象徴である塔が建てられていた。
遥か古代に建てられたそれは、今でも当時の雰囲気を纏い、堂々とそこに建立している。
「夢が叶ったんだ……」
私は塔の先端を掴むように、手を上に伸ばした。
ナタリアと一緒に住んでいる家に帰ると、執事が私に手紙を渡してくる。
「クロエ様。ハズバンド公爵よりお手紙が届いております」
「え? ハズバンド公爵から?」
それは街でも一番と言われる大貴族の名前だった。
私はナタリアと顔を見合わせると、緊張した手つきで手紙を開封する。
そして中身を見て、唖然とした。
「なになに、何が書かれているの?」
ナタリアが興味津々な声で手紙を覗き込む。
途端に、彼女がにんまりと悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「縁談じゃない! やったわねクロエ!」
それは縁談を申し込む手紙だった。
相手はハズバンド公爵家の長男のアーサー様。
端正な顔立ちと優しい性格で評判高い青年だった。
「どうするの!? 受けるのでしょう!!」
興奮気味にナタリアが私の肩を揺する。
少し迷った挙句に、私はコクリと頷いた。
……自室に入ると、手紙を机の上に置いて、息をはく。
今日は色んなことがありすぎて、少し疲れてしまった。
もちろん嬉しいのは明白だけれど。
「縁談か……」
以前のように愛されない日々がまた訪れたらどうしようか。
今更になってそんな不安が胸を過る。
おもむろに窓に近づいた私は、雲一つない青空を見つめた。
数羽の鳥が気持ちよさそうに天空を滑空している。
その様子を見ていたら、不安がどこかへ吹き飛んでしまい、自然と笑みがこぼれた。
「まあ、何とかなるわよね」
昔の私だったならば、変化することが怖くて、何も行動できなかっただろう。
しかし今の私は違う。
幸せが満ちた今の私は、きっと誰よりも変化することを望んでいる。
それが幸せになれる方法だと知っているのだ。
「さて、お返事書かないとね」
私は嬉しそうに息をはくと、手紙の返事を書き始めた……
外国の大都市。
私の隣には、笑顔を浮かべるナタリアが立っていた。
彼女に顔を向けると、私は子供のようにはしゃいだ声で言う。
「最高……こんなに高いなんて思わなかった」
「ふふ、そうでしょう? 私も最初すごく驚いたの」
私たちの目の前には、街の象徴である塔が建てられていた。
遥か古代に建てられたそれは、今でも当時の雰囲気を纏い、堂々とそこに建立している。
「夢が叶ったんだ……」
私は塔の先端を掴むように、手を上に伸ばした。
ナタリアと一緒に住んでいる家に帰ると、執事が私に手紙を渡してくる。
「クロエ様。ハズバンド公爵よりお手紙が届いております」
「え? ハズバンド公爵から?」
それは街でも一番と言われる大貴族の名前だった。
私はナタリアと顔を見合わせると、緊張した手つきで手紙を開封する。
そして中身を見て、唖然とした。
「なになに、何が書かれているの?」
ナタリアが興味津々な声で手紙を覗き込む。
途端に、彼女がにんまりと悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「縁談じゃない! やったわねクロエ!」
それは縁談を申し込む手紙だった。
相手はハズバンド公爵家の長男のアーサー様。
端正な顔立ちと優しい性格で評判高い青年だった。
「どうするの!? 受けるのでしょう!!」
興奮気味にナタリアが私の肩を揺する。
少し迷った挙句に、私はコクリと頷いた。
……自室に入ると、手紙を机の上に置いて、息をはく。
今日は色んなことがありすぎて、少し疲れてしまった。
もちろん嬉しいのは明白だけれど。
「縁談か……」
以前のように愛されない日々がまた訪れたらどうしようか。
今更になってそんな不安が胸を過る。
おもむろに窓に近づいた私は、雲一つない青空を見つめた。
数羽の鳥が気持ちよさそうに天空を滑空している。
その様子を見ていたら、不安がどこかへ吹き飛んでしまい、自然と笑みがこぼれた。
「まあ、何とかなるわよね」
昔の私だったならば、変化することが怖くて、何も行動できなかっただろう。
しかし今の私は違う。
幸せが満ちた今の私は、きっと誰よりも変化することを望んでいる。
それが幸せになれる方法だと知っているのだ。
「さて、お返事書かないとね」
私は嬉しそうに息をはくと、手紙の返事を書き始めた……
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