21 / 22
第2章 魔法の獲得
2-12 日曜日
しおりを挟む
六人は歩いて十分ほどの法輝台駅前にやってきた。日曜とだけあって人であふれている。キャリーケースを転がしながら改札を探す人、スマホを見ながら人とぶつかっている人、楽しそうにはしゃぐ中学生グループ。さっきまでの閑散とした様子は一変して、騒がしい駅前だ。
「じゃあさっそくカラオケいこー!」
「もう、しょうがないわね」
あまり乗り気ではなかったはずのリリであるが、ヒカリに手を引かれ柔らかい表情をしていた。
「こら待てー!」
その後をつけてルナと紗香が走り出す。四人の髪や衣服は暖かな日差しを浴びて揺らいでいる。その歩道の混沌に紛れた秩序ある輪郭に思わず見とれてしまうほどだった。
「ほら、俺らも行くぞ俊斗」
「あ、ああ」
ふと我に戻された俊斗は四人の後を追ってカラオケ店に入る。
紗香が予約を取っておいてくれたからスムーズに入出することができた。
六人には丁度の広さの室内。外からは他の客の歌声が重低音とともに微かに響いてくる。一番最後に入室した俊斗は友法の隣の一番端の席に座ろうとした。
「どけ友法!」
すると、その小さな体を生かして俊斗と友法の間にルナが割り込んできた。
「ちょっと狭くない?」
どう反応していいかわからない俊斗は苦笑いを浮かべておく。
「それなら友法、もっとあっちにいけ」
「はいはいわかりやしたよ、みんな、もう少しそっちにずれてくれ」
俊斗の左隣から円を描くようにして、みなが少しずつ間隔をとって移動する。
「それなら私もそっちに行かないといけないわね」
そう言って俊斗の向かいに座っていたリリが、俊斗の右隣りに座ろうとしてきた。
「え、待って待ってもう座れないって」
「いいから」
俊斗の右側にあるほんの十センチほどしかないソファーの隙間にリリが身体を押し付けるようにして座った。
その勢いでリリの胸が俊斗の腕に当たりそうになる。
(近い近い!)
一気に鼓動を速くさせ、身動きが取れなくなってしまう。両側から小柄な女子に密着され、無意識にリリの胸に視線が向いてしまった。
「俊斗、顔赤いわね、もしかして興奮してるの?」
暗がりの中、微笑んだリリはより身体を近づけてきた。俊斗は慌てて視線を正面の黒テーブルに当てた。
「し、してないしてない、絶対にしてないから」
肩に力が入り、呼吸が乱れてしまう。うなじの辺りにはリリの艶やかなツインテールがその動きに合わせてさらさらと当たっている。その感覚も相まって、余計に緊張してしまった。
「リリ、お前俊斗に近づきすぎだ!」
ルナは俊斗の右腕を掴んだ。
「ちょっと!」
俊斗は一言を発したまま、ルナの若干の柔らかな感触に頭が熱くなる。
「近づきすぎ? そんなことないわよ」
今度はリリが俊斗の左腕を掴んだ。俊斗はもう何も話せない。左腕にかかる隠しきれない感触に理性を保つので精いっぱいだ。
俊斗の両脇で赤い目同士が睨み合う。
「まったく、羨ましいわ」
「俊斗くん、相変わらずはしたないね、ヒカリちゃん」
「あ、あはは、そうだねー」
呆れた表情でその様子を眺める友法と紗香に、ヒカリは苦笑いをするしかなかった。
入口近くから、リリ・俊斗・ルナ・友法・紗香・ヒカリの順に半円の形に座っている。
「それじゃあ、まずはその三人から歌ってもらいましょう!」
友法はそのまま二本のマイクを俊斗のまえに置いた。
「それなら、私と俊斗で歌うわよ」
リリがマイクを二本とも取って、片方を俊斗に渡した。徐にそのマイクを受け取る俊斗。
「おい! 私が俊斗と歌うんだ!」
ルナが俊斗の太ももに手をついて、リリが持つマイクを奪おうとする。必死に腕を伸ばして勢いをつけるが、リリはそのたびにマイクを遠ざける。
「なら、初めは私とルナで歌って、それを聴いた俊斗が歌いたいと思った方と歌えばいいわ」
「んー! しょうがないわかった!」
(なんでこうなるんだよ)
いじけた様子のルナは俊斗のマイクを奪いリリを睨む。それに対してリリは余裕の表情だ。
「じゃあ、曲は俊斗が選んで」
「え! 俺⁉」
「あんたが判定者なんだから仕方ないわ」
「仕方ないって……」
「早く」
「はい」
急いでタッチパネルを手に取り、選曲に取り掛かる。
曲名を探している暇はなさそうだから月間ランキングから二人が歌えそうなボーカロイドの曲を選んだ。
「これで大丈夫?」
「いいわ」
「よし頑張るぞ!」
その曲は丁度パートが二つに分かれている。
「私は黄色のパートにするぞ!」
「なら、私は赤のパートね」
こうして分担が決定し、室内に一瞬の静寂と再びの緊張が訪れた。
「かけるぞ」
俊斗が開始のボタンをタップすると、曲が流れ始めた。歌う二人以外はみなタンバリンやマラカスなどを手に取っているが、俊斗は二人の間に挟まれ何も手にしていない。
十秒ほどの前奏のあとに、リリが歌い始めた。
「え、意外とうまいじゃん」
ふとこぼした俊斗の声が聞こえたのかはわからないが、満足そうな表情で歌っている。いつものとがった声とは違った、透き通った華やかな歌声に状況を忘れて思わず聴き入ってしまう。乗り気ではなかったはずなのに、なぜか裏切られた気持ちだ。
その歌声に、室内は盛り上がる。
「すごいすごーい!」
ヒカリはタンバリンをこれでもかと振り回した。
そうこうしているうちに、ルナのパートが回ってきた。リリの歌声にも動じず、しっかり息を吸って歌い始めた。
「やば……」
いつもは口が悪く怒鳴ってばかりのルナだが、室内に響いたのはいつもの様子からは想像がつかないほどの女子の萌える歌声だった。しっかりとした芯をもち彩のある歌声に、俊斗は感動してしまった。
「いいぞルナー!」
マラカスを持った紗香は曲のリズムに合わせてそれを振る。
その後も演奏は続き、五分もしないうちに終了した。
「「「いえーい!」」」
「はぁー、余計な気張っちゃったわ」
「本当だまったく、これから俊斗と歌うのに」
向かいで聴いていた三人は、その終了とともに音を鳴らす。しかし、俊斗にそのような余裕はない。これから、この二人の歌姫の中から片方を選ばなければならないのだ。
「おー‼ 九十九点‼ 二人ともすごいじゃん‼」
友法が指さした画面には確かに高得点が表示されていた。ますます場が盛り上がる。
「さあ俊斗、どっちがいいか選ぶんだ」
(やめてくれ友法……)
両脇の二人は何も言わず、マイクを握って俊斗を見つめている。室内には外から聴こえる音楽だけが静かに響き、みな緊張の面持ちで俊斗の答えを待っている。
この状況からはやく脱したい俊斗は、急いで意を決した。
「リリで……」
「「「うおぉー‼」」」
再び場が盛り上がりをみせ、俊斗はいたたまれない気持ちだ。
「ふん、ルナには悪かったわね」
「んー‼ なんで、なんでなの俊斗‼」
ルナは俯いて涙目になりながら俊斗の右腕をポコポコと叩く。
「この後一緒に歌うから、ルナもすごい上手かったよ」
「そんなお世辞いらない! ひどいよ俊斗!」
なぜかルナの口調がいつものような悪さを保っていなかった。ますます申し訳なくなってしまった俊斗は弁解を試みる。
「ルナがロリ声だったから――」
「ドサッ」
「いでっ‼」
(なんで褒め言葉じゃん!)
ルナの心を汲み取れない俊斗の腹部は、鈍い音を立ててルナの右腕に打たれた。
その後、猛烈な痛みに耐えながらリリと歌い、続けてルナと歌った。美声に支えられ何とか歌い切った俊斗だが、ルナも俊斗と歌えたことで機嫌が少しずつ回復していった。
ほかの皆も順々に歌い、六人の絆がなんだかんだ深まっていったように感じる。両脇に女子の温もりを感じながらもどうにか理性を保つ俊斗であった――。
「じゃあさっそくカラオケいこー!」
「もう、しょうがないわね」
あまり乗り気ではなかったはずのリリであるが、ヒカリに手を引かれ柔らかい表情をしていた。
「こら待てー!」
その後をつけてルナと紗香が走り出す。四人の髪や衣服は暖かな日差しを浴びて揺らいでいる。その歩道の混沌に紛れた秩序ある輪郭に思わず見とれてしまうほどだった。
「ほら、俺らも行くぞ俊斗」
「あ、ああ」
ふと我に戻された俊斗は四人の後を追ってカラオケ店に入る。
紗香が予約を取っておいてくれたからスムーズに入出することができた。
六人には丁度の広さの室内。外からは他の客の歌声が重低音とともに微かに響いてくる。一番最後に入室した俊斗は友法の隣の一番端の席に座ろうとした。
「どけ友法!」
すると、その小さな体を生かして俊斗と友法の間にルナが割り込んできた。
「ちょっと狭くない?」
どう反応していいかわからない俊斗は苦笑いを浮かべておく。
「それなら友法、もっとあっちにいけ」
「はいはいわかりやしたよ、みんな、もう少しそっちにずれてくれ」
俊斗の左隣から円を描くようにして、みなが少しずつ間隔をとって移動する。
「それなら私もそっちに行かないといけないわね」
そう言って俊斗の向かいに座っていたリリが、俊斗の右隣りに座ろうとしてきた。
「え、待って待ってもう座れないって」
「いいから」
俊斗の右側にあるほんの十センチほどしかないソファーの隙間にリリが身体を押し付けるようにして座った。
その勢いでリリの胸が俊斗の腕に当たりそうになる。
(近い近い!)
一気に鼓動を速くさせ、身動きが取れなくなってしまう。両側から小柄な女子に密着され、無意識にリリの胸に視線が向いてしまった。
「俊斗、顔赤いわね、もしかして興奮してるの?」
暗がりの中、微笑んだリリはより身体を近づけてきた。俊斗は慌てて視線を正面の黒テーブルに当てた。
「し、してないしてない、絶対にしてないから」
肩に力が入り、呼吸が乱れてしまう。うなじの辺りにはリリの艶やかなツインテールがその動きに合わせてさらさらと当たっている。その感覚も相まって、余計に緊張してしまった。
「リリ、お前俊斗に近づきすぎだ!」
ルナは俊斗の右腕を掴んだ。
「ちょっと!」
俊斗は一言を発したまま、ルナの若干の柔らかな感触に頭が熱くなる。
「近づきすぎ? そんなことないわよ」
今度はリリが俊斗の左腕を掴んだ。俊斗はもう何も話せない。左腕にかかる隠しきれない感触に理性を保つので精いっぱいだ。
俊斗の両脇で赤い目同士が睨み合う。
「まったく、羨ましいわ」
「俊斗くん、相変わらずはしたないね、ヒカリちゃん」
「あ、あはは、そうだねー」
呆れた表情でその様子を眺める友法と紗香に、ヒカリは苦笑いをするしかなかった。
入口近くから、リリ・俊斗・ルナ・友法・紗香・ヒカリの順に半円の形に座っている。
「それじゃあ、まずはその三人から歌ってもらいましょう!」
友法はそのまま二本のマイクを俊斗のまえに置いた。
「それなら、私と俊斗で歌うわよ」
リリがマイクを二本とも取って、片方を俊斗に渡した。徐にそのマイクを受け取る俊斗。
「おい! 私が俊斗と歌うんだ!」
ルナが俊斗の太ももに手をついて、リリが持つマイクを奪おうとする。必死に腕を伸ばして勢いをつけるが、リリはそのたびにマイクを遠ざける。
「なら、初めは私とルナで歌って、それを聴いた俊斗が歌いたいと思った方と歌えばいいわ」
「んー! しょうがないわかった!」
(なんでこうなるんだよ)
いじけた様子のルナは俊斗のマイクを奪いリリを睨む。それに対してリリは余裕の表情だ。
「じゃあ、曲は俊斗が選んで」
「え! 俺⁉」
「あんたが判定者なんだから仕方ないわ」
「仕方ないって……」
「早く」
「はい」
急いでタッチパネルを手に取り、選曲に取り掛かる。
曲名を探している暇はなさそうだから月間ランキングから二人が歌えそうなボーカロイドの曲を選んだ。
「これで大丈夫?」
「いいわ」
「よし頑張るぞ!」
その曲は丁度パートが二つに分かれている。
「私は黄色のパートにするぞ!」
「なら、私は赤のパートね」
こうして分担が決定し、室内に一瞬の静寂と再びの緊張が訪れた。
「かけるぞ」
俊斗が開始のボタンをタップすると、曲が流れ始めた。歌う二人以外はみなタンバリンやマラカスなどを手に取っているが、俊斗は二人の間に挟まれ何も手にしていない。
十秒ほどの前奏のあとに、リリが歌い始めた。
「え、意外とうまいじゃん」
ふとこぼした俊斗の声が聞こえたのかはわからないが、満足そうな表情で歌っている。いつものとがった声とは違った、透き通った華やかな歌声に状況を忘れて思わず聴き入ってしまう。乗り気ではなかったはずなのに、なぜか裏切られた気持ちだ。
その歌声に、室内は盛り上がる。
「すごいすごーい!」
ヒカリはタンバリンをこれでもかと振り回した。
そうこうしているうちに、ルナのパートが回ってきた。リリの歌声にも動じず、しっかり息を吸って歌い始めた。
「やば……」
いつもは口が悪く怒鳴ってばかりのルナだが、室内に響いたのはいつもの様子からは想像がつかないほどの女子の萌える歌声だった。しっかりとした芯をもち彩のある歌声に、俊斗は感動してしまった。
「いいぞルナー!」
マラカスを持った紗香は曲のリズムに合わせてそれを振る。
その後も演奏は続き、五分もしないうちに終了した。
「「「いえーい!」」」
「はぁー、余計な気張っちゃったわ」
「本当だまったく、これから俊斗と歌うのに」
向かいで聴いていた三人は、その終了とともに音を鳴らす。しかし、俊斗にそのような余裕はない。これから、この二人の歌姫の中から片方を選ばなければならないのだ。
「おー‼ 九十九点‼ 二人ともすごいじゃん‼」
友法が指さした画面には確かに高得点が表示されていた。ますます場が盛り上がる。
「さあ俊斗、どっちがいいか選ぶんだ」
(やめてくれ友法……)
両脇の二人は何も言わず、マイクを握って俊斗を見つめている。室内には外から聴こえる音楽だけが静かに響き、みな緊張の面持ちで俊斗の答えを待っている。
この状況からはやく脱したい俊斗は、急いで意を決した。
「リリで……」
「「「うおぉー‼」」」
再び場が盛り上がりをみせ、俊斗はいたたまれない気持ちだ。
「ふん、ルナには悪かったわね」
「んー‼ なんで、なんでなの俊斗‼」
ルナは俯いて涙目になりながら俊斗の右腕をポコポコと叩く。
「この後一緒に歌うから、ルナもすごい上手かったよ」
「そんなお世辞いらない! ひどいよ俊斗!」
なぜかルナの口調がいつものような悪さを保っていなかった。ますます申し訳なくなってしまった俊斗は弁解を試みる。
「ルナがロリ声だったから――」
「ドサッ」
「いでっ‼」
(なんで褒め言葉じゃん!)
ルナの心を汲み取れない俊斗の腹部は、鈍い音を立ててルナの右腕に打たれた。
その後、猛烈な痛みに耐えながらリリと歌い、続けてルナと歌った。美声に支えられ何とか歌い切った俊斗だが、ルナも俊斗と歌えたことで機嫌が少しずつ回復していった。
ほかの皆も順々に歌い、六人の絆がなんだかんだ深まっていったように感じる。両脇に女子の温もりを感じながらもどうにか理性を保つ俊斗であった――。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年
カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。
「収納魔術師だって戦えるんだよ」
戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

いちGo! らぶイーたん
光海ひろあき。
ファンタジー
栃ノ木苺愛は生まれも育ちもトチギの小学生。
ある日苺愛は、亡くなった大好きなおばあちゃんのタンスから偶然、
苺レリーフの鍵をみつけ、お庭にある開かずの蔵に入りました。
蔵をあけるとそこは、
甘くて可愛いがたくさん詰まった不思議な魔法の世界、「いちごのくに」でした。
足を踏み入れたいちごのくにの住人たちはとても優しく、
お城に招かれた苺愛は、
たくさんのいちごスウィーツをご馳走になりました。
そしていちごのくにの王子、「いちごショート王子」から次のことを伝えられました。
・実は苺愛は、いちごのくにの伝説のプリンセス、「いちごのくにのイーたん」のひとりだということ。
・伝説では、いちごのくにのプリンセスは、
異世界であるトチギ生まれのトチギを愛する女の子がなれること。
・そして、実はいま、「いちごのくに」は謎の暗雲に包まれ、
国中の草花や川、大切ないちごが枯れかけて困っていること。
・「いちごのくに」を救うには、トチギの人々から生まれる希望のエネルギー「ストロベリスタル」が必要なこと。
つまりトチギに住む人々が元気になれば、「いちごのくに」も元気になること。
おもてなしをしてくれた、優しくて素敵ないちごの国のために、
伝説の「いちごのくにのイーたん」のひとり…
「らぶイーたん」になることを決意する苺愛。
大好きなトチギのみんなと、いちごのくにを元気にするために、
らぶイーたんの活躍が始まります!
「今日もベリーがんばりまぁす!」
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる