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第2章 魔法の獲得
2-11 帰宅
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西の稜線は深く現れ、街にはキラと車のヘッドライトがうごめき始める。高台から望む街はますます活気にあふれていた。
俊斗は、先を行くヒカリとリリの後をついていく。生ぬるい風を受け、空を見上げる。薄い雲の合間から星が覗く。重くなった瞼に堪えながら、不安定な足元に注意した。
ヒカリとリリも疲れているのか、阿須盾山に来た時よりも口数が少ない。
「俊斗くーん、魔法上手に使えるようになったの?」
桃色の片目を後ろの俊斗に向けた。桃色の髪が肩にかかり乱れている。
「うん、まあまあかな」
「そっかー、よかったね」
「あ、うん……ヒカリも見張っててくれてありがとね」
「うん、オッケー」
どこか力がない。そう感じざるを得ないヒカリの声に、戸惑いを隠せなかった。
「ここかた帰るまで結構あるのね」
「うーん、まあまあな距離かな」
このようなだらしない会話を繰り返し交わしながら、気づいた頃にはアパートに着いていた。部屋には明かりが灯っている。
(え、電気消し忘れたのか……)
そんな恐怖のなか、リリが玄関を開けると、アオイが料理を作っていた。
「みなさん、お帰りなさいです!」
「あ、アオイだったのか、そう言えば今日いなかったな」
「そういえばってひどいです! ちょっとお出かけしてただけです!」
フライパンの柄を握っていた手を離し、両腕を下に張って怒ったように見せるアオイ。肩を過ぎて伸びた銀髪が波打つように躍動した。
「アオイの分の合鍵も作っておいたわ」
「なんで勝手に増やしてるの」
「なんか問題あるの?」
その赤いまなざしがより一層強さを増し、眠気と戦う俊斗にとっては抗えないものであった。
「いいえ、なんでもないです」
こうして夕飯への支度が始まった。日が伸びてきたこの頃ではあるが、既にアパートは暗闇の中にある。街の中心から離れたこの法輝台では、車の通りこそ多いが住宅が地域のほとんどを占めているため路地に入れば人気はほぼない。夜中はあまり出歩かない方がいいと親からも言われているほどだった。
アオイの作った夕食ももちろん美味しく、楽しい夕飯の時間となった。どうやら俊斗を除いた三人は相性がよく、俊斗は自ら話に参加しようとしないからいじられてばかりである。また、それを楽しんでいる俊斗もいるのであるが。
夕食の香り残る中、この生活が日常として定着していったのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ドサッ――」
「グハッ‼」
時刻は午前八時。日曜の朝の騒がしい室内の中に男のうめき声が一つ。仰向けに寝ていた俊斗の腹部は何かによって殴られた。
何が起きたのかわからず、ただひたすらに痛い腹部を抑えながらうつ伏せに寝返った。変なところに力が入ったり反対に抜けたり、気を失うくらいの衝撃だった。
「やっと起きたのね」
背後からの威を張った声に気づき、俊斗は悲痛の表情をその方へ向けた。
「やっ……やっぱりか」
「なによやっぱりかって、いい加減にしなさいよね」
日光を反射して輝く赤い目だけが俊斗の方を向いていた。不機嫌そうにしている。
言い返そうとするが、呼吸が安定せず上手く声が出せない。
「今日はみんなで遊ぶんでしょ、早く起きなさいよ」
すでに整った赤い前髪を気にしながら、俊斗の腹部を殴った犯人はそのまま洗面所の方に向かってく。
かすれ切った声で、なんとか独り言をつぶやく。
「お……起こし方ってものがあるだろ……」
「あ?」
微かな独り言でつきっぱなしのテレビよりも小さな音であったはずなのに、その声はリリの耳に届いていた。左目だけで睨んでくるリリに俊斗は為す術なく、
「いえ、なんでもないです」
としか言えなかった。そのままリリはヒカリがいるであろう洗面所の扉を開けた。
その様子の一部始終を見ていた人物がいた。人物といっていいのかわからないが、このコミュニティの一員であるアオイだ。アオイは口を半開きにしたまま、椅子に座って二人の様子を見ていた。俊斗がアオイの存在に漸く気づき、目を合わせた。その潤った唇が静かに動く。
「俊斗さんも大変ですね……」
見せられたのは満面の苦笑い。俊斗はその同情をどう受け止めていいのかわからなかった。
「あ、あはは、ありがと」
なんとかひきつった笑顔でそれに応じ、俊斗はうつ伏せのままベッドに身を任せた。
爽やかに澄み渡った青空。珍しくカラッとした空気に包まれ、草木の香りをまとった街。外からは小さな子供たちの笑い声が聞こえてくる。俊斗の心はここに在らず。このメンバーで過ごす初めての日曜日が到来した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俊斗はあのあともう一度寝てしまい、リリが戻ってくる前にアオイが優しく起こしてくれた。そのあとしっかりと朝食をとり、出発の準備をした。パッとしない私服をまとった俊斗はシャツを羽織り、部屋を後にする。
「いってらっしゃです!」
アオイの普段通りの元気な挨拶に応じた三人は、階段下で待つ紗香とルナのところに向かった。しかし、そこで待っていたのは小学生のような黄色基調のダボっとした服をまとったルナと落ち着いた白と寒色で色づいた服装の紗香だけではなかった。
「お、モテる男はやっぱ違うな」
「な、なんでお前もいるんだ」
そこにいたもう一人の人物は、俊斗と同じクラスで黒髪短髪の鈴井友法だった。
さすがに女子四人と男子一人では苦しいと思っていたから、俊斗にとっては嬉しい追加要員だ。
階段を降りると、俊斗は友法に左肩を叩かれる。
「折角ハーレムのところごめんな」
「別に喜んでたわけじゃないわ、逆にいてくれた方が助かるし」
「ホントかー?」
「ホントだ」
馬鹿にした視線を送られた俊斗は、それを右手で払いのけながら視線をその方向に外す。
「実は昨日紗香ちゃんとルナちゃんに会って、誘われたから来てみたんだ。ホントは俊斗に『邪魔』って言われたら素直に帰るつもりだったんだけど、どうだ、今からでも遅くないぞ」
「いいです、いてください」
「そう言われちゃ仕方ないなー、俊斗だけだと危険だしな」
「危険? 何がだよ」
「あー何でもない何でもない、ほらみんな、時間ももったいないし早速出発するぞ!」
友法は五人の後方に回り、先に進むように急かした。
「よーし、出発!」
ヒカリが先陣を切って歩き出した。今日のメンバーは六人。天気は快晴、日差しが直に刺さる。車の走行音の中に小鳥のさえずりが混ざり、春が遠ざかっていくのを感じる。
横断歩道の前で信号に引っかかった。
「男子二人とも私服ダサー」
俊斗の右前を歩くルナが口にした言葉は、地味に二人の心を突いた。
「まあ、男子だからしょうがないよな、俊斗」
「あ、ああ、そうだな」
苦笑いの友法に向けていた視線をルナに戻し、
「それに、小学生に言われても――グハッ‼」
その言葉を聞いたルナは、表情一つ変えず俊斗の腹部を思いっきり殴った。今朝リリに殴られた場所と同じだ。
そのまま俊斗はその場でうずくまる。
「おい、俊斗、大丈夫か」
「だ……大丈夫に見えるか」
俊斗が顔を上げると、ルナの履く黒のハイソックスと短いスカートの中から絶対領域が覗いていた。ルナは正面を向いてしまっている。
焦って視線を地面に向けて悶える俊斗は、自分の犯した罪を悔いた。
「ルナ……さん……ごめんなさい……」
「……後でなんか奢ってくれたら許してやらなくもない」
「承知しました……」
未だ響く痛みに堪えながら、どうにか許しを請う。頭にも鼓動がこだまし、周囲の音が遮断された。
この出来事を初めから見ていた周りの皆は、かける言葉もなく互いに苦笑い。
初めてのこのメンバーでの休日。俊斗にとっては波乱の幕開けとなったが、今日は始まったばかりだ。
俊斗は、先を行くヒカリとリリの後をついていく。生ぬるい風を受け、空を見上げる。薄い雲の合間から星が覗く。重くなった瞼に堪えながら、不安定な足元に注意した。
ヒカリとリリも疲れているのか、阿須盾山に来た時よりも口数が少ない。
「俊斗くーん、魔法上手に使えるようになったの?」
桃色の片目を後ろの俊斗に向けた。桃色の髪が肩にかかり乱れている。
「うん、まあまあかな」
「そっかー、よかったね」
「あ、うん……ヒカリも見張っててくれてありがとね」
「うん、オッケー」
どこか力がない。そう感じざるを得ないヒカリの声に、戸惑いを隠せなかった。
「ここかた帰るまで結構あるのね」
「うーん、まあまあな距離かな」
このようなだらしない会話を繰り返し交わしながら、気づいた頃にはアパートに着いていた。部屋には明かりが灯っている。
(え、電気消し忘れたのか……)
そんな恐怖のなか、リリが玄関を開けると、アオイが料理を作っていた。
「みなさん、お帰りなさいです!」
「あ、アオイだったのか、そう言えば今日いなかったな」
「そういえばってひどいです! ちょっとお出かけしてただけです!」
フライパンの柄を握っていた手を離し、両腕を下に張って怒ったように見せるアオイ。肩を過ぎて伸びた銀髪が波打つように躍動した。
「アオイの分の合鍵も作っておいたわ」
「なんで勝手に増やしてるの」
「なんか問題あるの?」
その赤いまなざしがより一層強さを増し、眠気と戦う俊斗にとっては抗えないものであった。
「いいえ、なんでもないです」
こうして夕飯への支度が始まった。日が伸びてきたこの頃ではあるが、既にアパートは暗闇の中にある。街の中心から離れたこの法輝台では、車の通りこそ多いが住宅が地域のほとんどを占めているため路地に入れば人気はほぼない。夜中はあまり出歩かない方がいいと親からも言われているほどだった。
アオイの作った夕食ももちろん美味しく、楽しい夕飯の時間となった。どうやら俊斗を除いた三人は相性がよく、俊斗は自ら話に参加しようとしないからいじられてばかりである。また、それを楽しんでいる俊斗もいるのであるが。
夕食の香り残る中、この生活が日常として定着していったのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ドサッ――」
「グハッ‼」
時刻は午前八時。日曜の朝の騒がしい室内の中に男のうめき声が一つ。仰向けに寝ていた俊斗の腹部は何かによって殴られた。
何が起きたのかわからず、ただひたすらに痛い腹部を抑えながらうつ伏せに寝返った。変なところに力が入ったり反対に抜けたり、気を失うくらいの衝撃だった。
「やっと起きたのね」
背後からの威を張った声に気づき、俊斗は悲痛の表情をその方へ向けた。
「やっ……やっぱりか」
「なによやっぱりかって、いい加減にしなさいよね」
日光を反射して輝く赤い目だけが俊斗の方を向いていた。不機嫌そうにしている。
言い返そうとするが、呼吸が安定せず上手く声が出せない。
「今日はみんなで遊ぶんでしょ、早く起きなさいよ」
すでに整った赤い前髪を気にしながら、俊斗の腹部を殴った犯人はそのまま洗面所の方に向かってく。
かすれ切った声で、なんとか独り言をつぶやく。
「お……起こし方ってものがあるだろ……」
「あ?」
微かな独り言でつきっぱなしのテレビよりも小さな音であったはずなのに、その声はリリの耳に届いていた。左目だけで睨んでくるリリに俊斗は為す術なく、
「いえ、なんでもないです」
としか言えなかった。そのままリリはヒカリがいるであろう洗面所の扉を開けた。
その様子の一部始終を見ていた人物がいた。人物といっていいのかわからないが、このコミュニティの一員であるアオイだ。アオイは口を半開きにしたまま、椅子に座って二人の様子を見ていた。俊斗がアオイの存在に漸く気づき、目を合わせた。その潤った唇が静かに動く。
「俊斗さんも大変ですね……」
見せられたのは満面の苦笑い。俊斗はその同情をどう受け止めていいのかわからなかった。
「あ、あはは、ありがと」
なんとかひきつった笑顔でそれに応じ、俊斗はうつ伏せのままベッドに身を任せた。
爽やかに澄み渡った青空。珍しくカラッとした空気に包まれ、草木の香りをまとった街。外からは小さな子供たちの笑い声が聞こえてくる。俊斗の心はここに在らず。このメンバーで過ごす初めての日曜日が到来した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俊斗はあのあともう一度寝てしまい、リリが戻ってくる前にアオイが優しく起こしてくれた。そのあとしっかりと朝食をとり、出発の準備をした。パッとしない私服をまとった俊斗はシャツを羽織り、部屋を後にする。
「いってらっしゃです!」
アオイの普段通りの元気な挨拶に応じた三人は、階段下で待つ紗香とルナのところに向かった。しかし、そこで待っていたのは小学生のような黄色基調のダボっとした服をまとったルナと落ち着いた白と寒色で色づいた服装の紗香だけではなかった。
「お、モテる男はやっぱ違うな」
「な、なんでお前もいるんだ」
そこにいたもう一人の人物は、俊斗と同じクラスで黒髪短髪の鈴井友法だった。
さすがに女子四人と男子一人では苦しいと思っていたから、俊斗にとっては嬉しい追加要員だ。
階段を降りると、俊斗は友法に左肩を叩かれる。
「折角ハーレムのところごめんな」
「別に喜んでたわけじゃないわ、逆にいてくれた方が助かるし」
「ホントかー?」
「ホントだ」
馬鹿にした視線を送られた俊斗は、それを右手で払いのけながら視線をその方向に外す。
「実は昨日紗香ちゃんとルナちゃんに会って、誘われたから来てみたんだ。ホントは俊斗に『邪魔』って言われたら素直に帰るつもりだったんだけど、どうだ、今からでも遅くないぞ」
「いいです、いてください」
「そう言われちゃ仕方ないなー、俊斗だけだと危険だしな」
「危険? 何がだよ」
「あー何でもない何でもない、ほらみんな、時間ももったいないし早速出発するぞ!」
友法は五人の後方に回り、先に進むように急かした。
「よーし、出発!」
ヒカリが先陣を切って歩き出した。今日のメンバーは六人。天気は快晴、日差しが直に刺さる。車の走行音の中に小鳥のさえずりが混ざり、春が遠ざかっていくのを感じる。
横断歩道の前で信号に引っかかった。
「男子二人とも私服ダサー」
俊斗の右前を歩くルナが口にした言葉は、地味に二人の心を突いた。
「まあ、男子だからしょうがないよな、俊斗」
「あ、ああ、そうだな」
苦笑いの友法に向けていた視線をルナに戻し、
「それに、小学生に言われても――グハッ‼」
その言葉を聞いたルナは、表情一つ変えず俊斗の腹部を思いっきり殴った。今朝リリに殴られた場所と同じだ。
そのまま俊斗はその場でうずくまる。
「おい、俊斗、大丈夫か」
「だ……大丈夫に見えるか」
俊斗が顔を上げると、ルナの履く黒のハイソックスと短いスカートの中から絶対領域が覗いていた。ルナは正面を向いてしまっている。
焦って視線を地面に向けて悶える俊斗は、自分の犯した罪を悔いた。
「ルナ……さん……ごめんなさい……」
「……後でなんか奢ってくれたら許してやらなくもない」
「承知しました……」
未だ響く痛みに堪えながら、どうにか許しを請う。頭にも鼓動がこだまし、周囲の音が遮断された。
この出来事を初めから見ていた周りの皆は、かける言葉もなく互いに苦笑い。
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