魔物好きゲイテイマーの異世界転生記

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第3章 シュルトーリア

オーク騎士団結成?

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「どうすんだよ……。この人数養う金は直ぐには用意できないぞ。」

ガルドが減らしたとはいえ生き残ってガルドの配下になったのは20匹。いや、ガルドの配下になった以上ガルドを1人と言っているのだから20人と言うべきか。

そのうち無傷、軽傷で跪いているのは弓、杖持ちの後衛組とそこに向けて投げられた武器を持たないオークの合わせて8人。傷の深さは色々だが軽傷とは言えない傷から血を流しながら跪いているのが剣、槍持ちと素手かこん棒を持ったオークが合わせて12人。

食欲旺盛なオークが一度に20人も配下になれば食料の確保だけでも一仕事だ。

「はぁ、配下にしたものはしょうがないか。今後の稼ぎに期待しよう。」
「ブヒブヒィ。(我が主からのお言葉だ。『今後の働きに期待する。』とのことだ。)」
「「「「ブヒッ!」」」」

俺のつぶやきをガルドが拾い、オーク達に伝えると、上げていた頭を一斉に下げて短く返事を返した。

「それじゃあ検証の続きな。ガルドの支配スキルと俺のテイムが両立できるか確認するぞ。少なくともテイムできないと経験値の分配ができないしからな。」
「(うむ、では一人前に出させよう。)」

ガルドが呼ぶと先頭で跪いていた槍持ちが立ち上がり前に出た。さらにガルドが声を掛けると俺のすぐ目の前で跪いて頭を下げる。

「(いいぞ。テイムしてみるがいい。)」
「よし、テイム。」

俺の手から放たれた光が目の前で跪く槍持ちオークに拒まれることなく吸い込まれていく。

「鑑定。」

名前 :無し
種族 :オークランサー(Lv2)
状態:支配
HP :1700
MP :80
STR :140
VIT :120
DEX :40
INT :40
MEN :30
AGL :50
スキル :
槍術(Lv1)  嗅覚上昇(Lv1)  精力増加(Lv1)  射精量微増(Lv2) 
備考 :ガルドの配下、タカシの従魔

「成功だな。支配とテイムがちゃんと両立してる。ステータス的にはテイムした時のガルドより少し低いくらいか。」
「(では、全員をテイムするということでいいのか?)」
「そうだな。一部だけ突出して成長するのは防ぎたいし。テイムして経験値は分配させる。」
「(わかった。)」

その後、一人ずつ前に出させて、テイムをしてから鑑定で状態と能力の確認を残り19人分繰り返す。テイムをしたオークが戻り、直立姿勢で整列しているが不思議なことにテイムを繰り返す中でだれからも念話が飛んでこない。

ちなみに種族と彼らの特徴、有用そうなスキルの内訳はこんな感じだ。

・オークランサー1人
槍持ちのオークで槍術(Lv1)のスキル持ち

・オークメイジ2人
それぞれ火魔法(Lv1)と風魔法(Lv1)のスキル持ち
持っていた汎用性魔法発動補助媒体の杖は冒険者から奪った物らしい。

・オークアーチャー2人
どちらも弓術(Lv1)のスキル持ちで一人だけ解体(Lv1)を持っていた。

・オークナイト3人
全員剣術(Lv1)のスキル持ちだが2人は長剣、1人は短剣を使っていた。
こちらの短剣持ちも解体(Lv1)を持っている。

・オークファイター1人
素手だったのでただのオークだと思っていたら拳闘術(Lv1)という格闘に長けたオークだった。

・オーク11人
特筆するスキルはなし

おそらく今後はバランスを考慮した2グループか4グループに分けて狩りや野営の見張りなんかをやってもらうことになりそうだ。

それから名前はまだ付けていない。さすがに20人分の名前はすぐには思いつかないし、ガルドの配下と言うことでガルド達との差別化を考えれば簡単に名前を付けない方がいいだろう。それに指示はなるべくガルドを通してするつもりだ。

「ブヒィ。(これからは我と我が妻のため存分に励め。)」
「「「「ブヒッ!(はっ!)」」」」

ガルドが支配する前とは違い一糸乱れぬ動きで跪き、返事を返すと初めて念話が聞こえた。ガルドが支配する前とはあまりに違う動きに俺は目を丸くする。

「……なぁ、ずっと疑問だったんだが、ガルドがオークジェネラルか?敵のリーダーを倒してからこいつらの動きが明らかに違うんだがこれもスキルの影響か?」
「(うむ、どうやら奴を倒した時点で支配権が我に移ったようだ。そして支配か指揮かどちらのスキルの効果か分からぬが配下に統率に我の性格かイメージかそんなものが影響していそうだ。我が配下に臨む統率の取れた動きがしっかりと取れている。)」
「なるほど。」

支配スキルは性格まで変えるのかと俺が戸惑っているとオークランサーが一歩前に出て跪いた。

「ブヒィ(主君、質問をお許しください。)」
「ブヒ。(許す、何だ。)」
「ブヒブヒィ。(先ほどから頭に響くこの声は一体なんなのでしょうか?)」
「ブヒィ。ブヒィブヒィ。(我が妻のスキルだ。妻の配下であれば種族に関係なく言っている事、考えていることが理解できる言葉で頭に届く。)」
「ブヒィ。ブヒィィ。(承知致しました。では、奥方様、改めまして御挨拶させていただきます。)」

オークランサーが一度顔を上げ、視線を俺に向けてから再び頭を下げた。

「ブヒィィ。(我ら一同、主君と奥方様に忠誠を誓い、精いっぱい務めさせていただきます。)」
「あ、あぁ、期待してる。頑張ってくれ。」
「ブヒッ。(はっ、身に余る光栄。)」
「……騎士団かなんかかよ。ガルドの影響を受けすぎててオークらしくないんだが。」

あまりの変わりように呆れ果ててため息が漏れる。

「とりあえず、ケガしてるやつは回復させるから、そしたら死体を回収して街に戻るぞ。」

目の前のオークランサーにMモンスターヒールを掛けると出血していた傷が塞がっていく。それを見たオークランサーを含め他のオーク達からもどよめきが上がった。

「ブヒブヒィ。(奥方様手づから癒しの力を振るって頂けるとは、有難き幸せ。)」
「あ、うん。」

仰々しいお礼を言われながら塞がった傷口を見ると綺麗に完治とはいかないまでも多少動いても問題ないくらいには止血できていそうだ。

その後もお礼を言われながら血を流しているオーク全員の治療を終えると、倒したオーク達の死体を異空間収納に仕舞い、オーク達をディメンジョンルームに入れて街に戻ることにした。
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