魔物好きゲイテイマーの異世界転生記

タスク

文字の大きさ
上 下
63 / 108
第3章 シュルトーリア

環境整備①

しおりを挟む
「それじゃあこれが残りです。」

俺は教会を出るとそのままギルドに向かい、昨日の残り142匹のファイアアントとクイーンを取り出して解体を依頼した。

「確かにお預かりします。こちらもすべて買い取りでいいですか?」
「あっ、クイーンの殻と魔石は戻してください。あとファイアアントの殻も42匹分は戻しでお願いします。」

ランクBの魔石は装備の強化に使えるだろう。殻もファイアアントの殻と合わせてガルドの鎧を作るのに使う予定だ。42匹分も要らないだろうがきりよく100匹分の買い取りになるように引き取っておく。

「クイーンの殻と魔石、ファイアアントの殻を42匹分は戻しですね。わかりました。この量ですと……明後日の朝までかかってしまいそうです。それ以降に来てもらえますか?」
「わかりました。ではよろしくお願いします。」

俺は最初の80匹分の清算書と今預けた分の控えを受け取った総合カウンターに向かった。
カウンターで80匹分の精算と討伐証明の提出をしてまとまった金額を受け取るとギルドを出て商業地区に向かう。



屋台で買った串焼きをかじりながら通りを歩く。今日の目的は諸々の資材購入だ。聞き込みをしながらいくつかの店を回ってみた所、木材やインゴット、布のような資材は基本的には商業ギルドでしか売っていないらしい。

ちょうど串焼きを食べ終わったところで商業ギルドに着いた。

ゴミを異空間収納に仕舞い、ギルドに入ると入り口のすぐ脇にカウンターがあったのでまずはそっちに行ってみる。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用向きでしょうか?」

カウンターに近づくと受付嬢はすぐにこちらに気が付いて声をかけてきた。

「こちらで木材やインゴットなんかの資材が購入できると聞いてきたのですが。」
「資材の購入ですね。かしこまりました。お客様は商業ギルドに登録されていますでしょうか?」
「いえ、登録してないですけど。」
「そうしますと購入できる種類や量に制限があります。」

そう言って差し出された用紙には購入できる種類と量、金額が記載されていた。

「木材ですと約50kgまででサイズは板材は厚さ5mm、縦横1m単位。角材は縦横1cm、長さ1m単位でご希望の大きさに調整します。木材の種類は固さ別で4種類あります。インゴットは錫、銅、鉄が購入可能で錫が50kg、銅と鉄はそれぞれ30kgまでです。インゴットのサイズは500g、1kg、5kgがあります。」

風呂のスペースは角材と板材で床を作って浴槽を埋め込むけどとりあえず角材を限界まで買っておいて適当なサイズに調整して使えばいいか?角材を割って組み合わせれば床にも使えるだろうし。インゴットは色々作ってみたいし限界まで購入しよう。

俺は記載された金額と量から制限いっぱいに購入した時の値段を考え、とりあえず購入制限いっぱいまで購入しておくことにする。

「一番硬い木で50kg分の角材とインゴットを各種制限いっぱいまでください。」
「角材50kgと各インゴットを制限いっぱいまでですか?そんなに保管できますか?」
「異空間収納とディメンジョンルームがあるので大丈夫です。」
「わかりました。サイズにご希望はありますか?」

とりあえず床下に使えるように太めに縦横15cm、長さ2mで用意してもらおう。インゴットはサイズに関係ない加工をするのでサイズ指定はいらないな。

料金の支払いと一緒にそれを伝える。

「かしこまりました。用意に少々時間が掛かりますので次の鐘が鳴る頃にもう一度来ていただけますでしょうか。」
「わかりました。またあとできます。」

俺はそう言ってギルドを出ると太陽の位置を確認する。まだ太陽はほぼ真上にあり、次の3時の鐘まで2時間以上ある。

「時間までどうするかな……。」

俺は辺りを見渡すと近くにある3階建ての大きな商店が目に留まった。

「あれがオティリオ商会の店か。」

先日、薬屋で聞いた商会の店がすぐそばだったので時間潰しのためにその店に向かった。

広い店内は冒険者や主婦らしき人でにぎわっていた。冒険者の方を見ると薬瓶が並んだ棚があり、主婦らしき人の方を見ると様々な食材が並んでいる。

薬瓶が並んだ棚で先日買ったポーション類を見ると確かに先日買った薬屋よりも安かったが説明にある効果は薬屋の物の6割ほどの効果だった。

「確かに安いけど…。」

命を預けるものならケチるのは良くないんじゃないか?そう考えながら売り場を見渡すとどうやら2階にも上がれるになっているようで上がってみる。

2階に上がると階段のすぐそばにはカウンターがあり、その奥で職人たちが木材や布と格闘していた。

「いらっしゃいませ。家具のご注文でしょうか?」

声がした方を見ると縫物をしていた女性が作業の手を止め、カウンターに駆け寄ってきた。

「あぁ、邪魔をしてすみません。こちらには始めてきたので2階がなんの売り場かわからずに上がってきたんです。」
「そうでしたか。2階は家具などのオーダーや服の仕立ての受付を行っています。」
「家具のオーダーですか。」

そういえばディメンジョンルームで寝るならちゃんとしたベッドがいるな。バラムもガルドも大きくなったしロアも一緒に寝るなら特注のマットレスを用意した方がいいかもしれないな。

「なにかご注文するものがありましたか?」

俺が黙って考え込んでいたのを不審に思ったのか女性が聞いてきた。

「ベッドのマットレスだけの注文はできますか?サイズが通常のサイズではないんですけど。」
「できますがベッドの方はよろしいんですか?」
「はい、マットだけ見積もりしてもらえますか?」
「かしこまりました。ではおかけになって少々お待ちください。」

そういうと女性はカウンターの下から筆記具を取り出していく。

「お待たせいたしました。ベッド用マットレスのオーダーとのことですがサイズはお決まりでしょうか?」
「そうですね……。」

一番大きいロアが丸くなって一緒に寝る分なら5×5mもあれば大丈夫だろうがロアが進化して大きくなったり、今後従魔が増えると心許ない。倍ぐらいあった方がいいいだろう。

「縦横10m位にできますか?」
「じゅ、10mですか。可能ですが、最低ランクの中材でも金貨5枚になりますよ。」

金貨5枚ってことは50万位か。シングルのマットレスが100cm×180cm位だったか?100㎡だと五十数倍くらいだから7、8000円位のマットレス50枚分としたらそんなもんか。

「大丈夫ですからそのサイズでお願いします。」
「かしこまりました。当店で扱ってる中材のランクは4種類です。そのサイズですと最低ランクの中材で金貨5枚です。その次の中ランクですと、金貨10枚になります。高ランクで金貨25枚、最高ランクで金貨50枚になります。」

女性はメモ用紙に計算式を書きながら4種類の見積りを出した。

資材を色々買ったがまだまだ資金に余裕はあるし高ランクのマットレス。
といきたいところだがロアが乗るのにいつまで持つかわからないまま金貨25枚は流石に躊躇する。

「中ランクの中材でお願いします。」
「かしこまりました。完成は3日後になります。前金で半額を頂戴していますがよろしいでしょうか?」
「はい、これでお願いします。」

俺は硬貨用の袋から金貨5枚を取り出してカウンターに積んだ。

「確かにお預かりします。では、こちらが引き換え証になります。3日後以降にこちらと残金の金貨5枚をお持ちください。」

引き換え証を受け取った俺は1階に降りると適当に時間を潰して店を出た。
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ
ファンタジー
猫たちと布団に入ったはずが、気がつけば異世界転生! せっかくの異世界。好き放題に思いつくままモノ作りを極めたい! 魔法アリなら色んなことが出来るよね。 無自覚に好き勝手にモノを作り続けるお話です。 第一巻 2022年9月発売 第二巻 2023年4月下旬発売 第三巻 2023年9月下旬発売 ※※※スピンオフ作品始めました※※※ おもちゃ作りが楽しすぎて!!! ~転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい! 外伝~

処理中です...