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第1章 転生

後始末と報酬

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その後バラムは俺とゴブリンに付いた精液と血と精液が混ざった水溜まりを吸いとり、後始末をしてくれた。

「ありがとな。」
「~~~♪」 

撫でてやるとバラムは震えて答えた。

俺はゴブリンの死体を異空間収納に落とすと、力が抜ける感じがしてステータスを開いて確認する。

名前 :タカシ(Lv2)
職業 :テイマー(Lv2)
状態 : 精液吸収変換(残り時間:5分)
HP :1100
MP :150/320
STR :55(+3)
VIT :55(+3)
DEX :23
INT :34
MEN :34
AGL :27(+3)
スキル :
体力増加(Lv5)  精力増加(Lv5)  超回復(Lv5)  超再生(Lv5)  適応(Lv5)  痛覚変換(快)(Lv5)  射精量増加(Lv5)  鑑定(Lv5)  空間魔法(Lv1)  魔物魅了(雄・無)(Lv5)  精液吸収変換(Lv5)  妊娠(Lv5)  剣術(Lv1)
制約 :女神との契約

「レベルが上がってるな。括弧の内側が精液吸収変換で上がった分か。たいして上がってないがゴブリンならこんなもんか。MPが半分位に減ってるのはゴブリンを収納したからか。剣術は剣でゴブリンを倒したからか?」

俺はいくつか確認を済ませるとステータスを閉じてバラムを抱えた。

「あとはバラムを連れて歩く時だな。いつも抱えてると何かあったときの反応が遅れるからな。バラムを入れるカバンでも買うか? 」
「~~~?~~~!」

バラムは首傾げるように捻ると何か思い付いたのか、プルプルと震えて左腕の肘から先、手首までを包みこんだ。触ってみるとポール状の部位を作ったときのようにシリコンのような弾力のある固さだった。

「その状態でついてくるのか?」
「~~~♪」
「その状態を長く維持できるか?」
「~~~♪」

その後、腕を降って走ったり剣を降ったりして問題無いことを確認すると、これからは休憩時以外は常にこの状態でいることにした。

「依頼分の討伐は終わったし、お昼も持ってきてないから帰るか。」
「~~~♪」

帰りに1体のゴブリンと遭遇したが腕に巻き付いたバラムが活躍した。走って間合いを詰める間に腕をゴブリンに向けると酸弾吐きかけ、怯んだ所を俺が袈裟斬りにしてあっさり終わってしまった。



俺は待ち戻ると屋台て遅めの昼食を取ってギルドに来ていた。

「ゴブリン6体の討伐ですね。それでは報酬の大銅貨1枚と銅貨10枚です。ありがとうございました。」

報酬を受け取ると買取カウンターに向かう。

「未解体のゴブリン6体の買取をお願い致します。死体は空間魔法で収納してます。」
「ゴブリン6体だな。倉庫に出してもらうからこっち来な。」

俺は買取カウンターのおっさんに続いて倉庫に入ると作業台にゴブリンをすべて出した。

「解体できたら呼ぶからこの札持って表で待ってな。」

俺はおっさんから5と彫られた木札を受け取ると待合室の椅子に腰かけた。

「よう、タカシ。依頼は無事に終わったか?」
「ガッツさん。えぇ、さっき完了報告が終わって今は買取の解体待ちです。」
「そうか、無事で何よりだ。討伐依頼勧めてアッサリ帰って来なくなったら後味悪いからな。」
「ガッツさんは今日は依頼は?」
「今日は目ぼしい依頼がなかったから休みにした。そういえば、連れてたスライムはどうしたんだ?」
「バラムならここにいるぞ。」

俺は左手に巻き付いているバラムを見せる。

「スライムはこんな風にもなるのか。もう少し細かく形を整えられれば手甲になるな。」
「なるほど。でもバラムがダメージを受けるのはなぁ。」
「そうか、タカシは魔物想いだな!」

ガッツさんはガッハッハッと笑って俺の背中をバンバン叩く。今朝も肩を組まれたけど結構スキンシップが過剰な人だ。

「そうだ、ガッツさん。この辺りの地理や生息してる魔物が知りたいんですけど図書館とかありませんか?」
「図書館ならあるが、この辺りの地理と魔物を調べるならギルドの資料室で十分だろ。あそこから2階に上がれば資料室だ。」

ガッツさんは総合カウンター横の階段を指差す。

「ランクによって閲覧できる内容が変わるがこの辺りのことなら誰でも閲覧できるぞ。」
「そうなんですか。ありがとうございます。」

ちょうどそこで解体が終わり、カウンターに呼ばれたのでガッツさんと別れた。

「待たせたな。ゴブリン6体で銅貨3枚だ。こいつを持って総合朝カウンターに行きな。」
「ありがとうございます。」

俺はカウンターで精算を済ませると2階に上がり、地図と魔物が載っている資料を探した。資料室には各武器の戦闘技術の本や野営術、解体術と色々な本があった。

「あった。これだな。」

目的の資料を開くとどうやらこの辺りは今日行った林と草原、馬車で数時間の距離に俺が最初にいた森があり、険しい環境ではないようだ。森からさらに数時間で小さな村があるみたいだった。

林と草原にはゴブリン、コボルト、スライム等弱い魔物が、森ではそれらに加え、フォレストベア、オーク、ブラックウルフ、ワーウルフ等、低ランク冒険者には少し厳しいモンスターがいるようだ。

「今日の稼ぎ最低限の宿で割引無し1泊分だったからな。ランクが上がればすぐに暮らしていけなくなる。林で戦闘訓練とレベル上げをして、森に行けるようにならないとな。」

俺は直近の方針を決めると資料を戻し、他に目ぼしい資料がないか見て回る。

「ん?これは……魔術を習う前の基礎知識?」

俺はスキルから流れてくる情報と感覚だけで空間魔法を使っていたので基礎知識は皆無だった。自然とその本に手が伸び、時間を忘れて読み耽っていた。

「もう、こんな時間か。」

俺は鐘の音で顔を上げると窓の外ではちょうど日が沈むところだった。

「結構俺に必要な情報があったな。」

効率的に魔力を動かしてMPを節約する魔力操作スキル、MPの自然回復力を増やすMP回復量上昇スキル、最大MPを増やすMP上昇スキル。

「異空間の厩舎を作るためにも空間魔法のスキルも鍛えないとな。

俺はその日から夜は宿で自身の魔力を感じ、体内を循環させることで魔力操作スキル、MPを枯渇寸前まで使うことでMP上昇スキル、MPを自然回復させることでMP回復量上昇スキルの取得を目指し、異空間収納を使うことで空間魔法のスキルレベル上げを目指した。平行して、昼間のうちに依頼を受けて近くの林と草原で魔物を狩って資金貯めとレベル上げに勤しんだ。
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