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2、異物の権限

主人の貫徹⑴

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ここは、名家【榑林家】が所有する数ある御屋敷の内の一つ。


時間のサイクルが狂う、外界と隔たれた様な異質な場所。


お伽話の一コマに出てきそうな、素敵な造形物は、贅を尽くされたものばかり。


そんな大自然の中に佇む洋館から、少し距離を置いた森の中。

簡易的に作られた小さな建物には、そこで働く者たちが暮せる住居が存在していた。




主人たちが住まう豪邸とは、打って変って質素なその場所には、少数精鋭の内のそのまた少数が暮している。


時刻は夕刻を指した頃、ただの若いメイドである夏芽の部屋では、本来ここに居るべきでは無い御方が、極自然に紛れ込んでおりました。




「ぅ”....もう.....たべられ....なぃっ....。」



悪夢でも見ているのでしょうか、眉間に皺を寄せながら苦しむ表情を浮かべた夏芽。


そして、そんな彼女の体を圧迫する温もりの正体は、迷惑にも彼女を苦しませる様に、手足をその体へと絡みつかせ動きを封じ込めていた。






寝言から察するに、夏芽は食事の真っただ中で御座いましょう。



食べられない。食べられない。と連呼する夏芽の声に、次第に天真は意識を取り戻していく。



すっかり薄暗くなった室内で、色気もへったくれも無い女の呻き声。


だがしかし、漂う香りは夏芽のものなのだと確認が出来れば、何も怖くは無い。


只々、笑いが込み上げてくるのみ。




無意識に絡みついて、雁字搦めにしていた手足を意地悪にも力を強めてみれば....



「坊ちゃま....もっ...許して...くだ..さ....」


「....俺は許してあげるよ。」




それは甘々と耳元に唇を寄せて囁く。


吐息を吹きかければ、擽ったいのでしょうか、夏芽の体が震え上がり始め、その振動が密かに伝わってくる。


その一連に、何を想い付いたのでしょうか、口内で唾液を分泌させた天真は、しっかりと濡らした舌先を夏芽の耳へと伸ばし、溝を舐め上げた。


ひと舐めすると、次は窄めて穴へと侵入を始める。


ぐちゃぐちゃに舐めまわしてみれば、瞼を閉じながら身を捩り始める夏芽。


寝ている彼女を無理矢理に起こす強攻手段。



「ふぅっぁあっ....あっ......。」



喘ぐ声に、いつの間にか、衣類を丁寧に剥がしていく天真の厭らしい手付き。


前面を保護していた衣類が肌蹴ると、そこに手を潜らせて、二つの内の一つを優しく包み込む。


柔らかな胸を揉みながら、耳を執拗に攻め続ければ、夏芽は完全に眠りから覚めて、体を起き上がらせようとする。

だが、それを許さない天真は、唾液をより耳の穴へと流し込み、厭らしい水音で夏芽を翻弄し始めた。



可愛らしい嬌声を挙げながら、口を半開きにし、薄らと開く瞼。


誰がこんな事をしているのだろうか....。寝起きの夏芽は考えるが、意識を失う前を思い出すと、蒼真の姿しか思い浮かばない。


昼時に誤ってやらかした罰の続きが、執り行われているのだろうか。


ゾクゾクと下半身が疼き出して、徐々に体中を駆け巡る熱。



止めてと思っても、その快感に体が反応を示し、漏れ出たモノが、下着をしっかりと濡らし始める。



蠢く手が、乳房から離れると、降下していきスカートを捲し上げ、その布切れへと侵攻を遂げると、一枚越しに指先が優しく溝を撫でて、入口を強く押し込んだ。




その所為で、のめり込んだ下着と微かな指の挿入感に、もどかしさが走る。



焦れったい愛撫に、夏芽は自然と次を求め始めていた。



自ら腰を振るい、両膝を曲げて露わとする。


その指が濡れた下着の上を走り回り、徐々に液を侵食させていく。


ぬるぬるとした不快感、迸る高揚感。


蕾の上を滑った時に走る、ビリビリとした電撃。


上も下も、びちゃびちゃに濡れた夏芽は、軽く果てると、腰が上を向き始めた。


すると、厭らしい舌が耳の穴から抜かれて、横に居た人物が体を起こすと、夏芽の上へと覆い被さる。



腹部に感じる圧、そして上を見上げれば、涎を滴らせた色気漂う雄が自身を見下ろしている。



「続き、する?」



中途半端に触られて、湧き立った興奮を冷ますには、どうしたらいいのか....そんな答えを夏芽は理解してしまっている。


求めるのものは、過ち。だけど、欲してしまう。


誘惑してくる主人様。欲しい、もう欲しくて堪らない。


疼きを治めて....。そんな感情を込めて頷けば、獣は夏芽の頬に手を添えて顔を近づけると、そのまま唇を乱雑に喰らった。



舌を絡め合い、呼吸をする事も忘れて無我夢中に身を預ける。



「ぁっ......んん....」


互いの唾液が絡み合い、その異常な甘さは、頭を可笑しくしていく。


一頻りの深いキスの後、天真はついに夏芽の下着の中へと指を滑らせる。

すっかり濡れてしまったソコは、そのまま秘部へと一直線へ導いた。



一本が埋まると、その反動で夏芽は、喘ぎ声を一発放つ。


熱くて窮屈な場所が、指を締め付け始め、続けざまにもう一本を挿入し始めると、面白いぐらいに夏芽の体が跳ね上がった。




指を入れただけの刺激で、一度果て....。


「気持ちいい?」


呼吸の荒くなった夏芽へと、そんな言葉を掛けながら、意地悪に指を曲げて上側を押し上げる。



ふっくらとするその部分をトントンと圧迫すれば、奥の方から湧き出る厭らしい蜜。


その溢れ出た蜜を舐めようと、一度引き抜いて舐めてみれば、実に甘美なものだ。




「夏芽....美味しいよ。」


それはそれは大袈裟に、密を舐めとった天真は、次に自分のモノを曝け出してみせる。

すっかり興奮して反り勃ったモノを夏芽の顔面へと近づけると、


「舐めて....。」


これは強要なのか、それともお願いなのか....。


だがしかし、従順にも口を開いた夏芽に、天真は嬉しさの余り、ソレを夏芽の口の中へと突っ込んだ。



唾液が纏わりついた夏芽の中は想像以上に気持ちが良い。天真のモノを収めた夏芽の顔からは、必死さが伝わってくる。


可愛い....俺のを必死に歯を立てない様に、咥えている夏芽が愛おしい。


天真はそのまま腰を落とし、喉の奥へと押し込む。


そしてゆっくりと律動を開始し、夏芽の口内を犯していった。


この女の初めてを奪った時には、感じなかった感覚。


兄に奪われて、もう二度と味わう事が出来ないと思っていた。


だがしかし、今この女は自分のモノを必死に咥えている。


俺を必要としている。



これ程までに嬉しい事はあるだろうか....。




激しく腰を揺らし、夏芽が苦しみながらも必死な姿に、もう我慢は出来ない。


律動の速度が速まり、喉奥へと押し付けて、欲をぶちまければ、痙攣する天真の下半身。



「ぁあ.....はぁ...ぁ.....。」


出された衝撃で、その苦味に瞳孔を開き、嗚咽を繰り返す夏芽。


ゆっくりと引き抜くと、そのまま夏芽の口元を押えて、吐き出さない様に促す。


「飲み込んで、俺の愛を....。」


臭い台詞だとは分かっている。普段だったら絶対に言わない様な願い。


要求しながら、強制を計らえば、諦めた様に顔を歪ませた夏芽は、ごくりと喉を鳴らした。



その行為に、天真は一度下唇を噛み締めて、感極まった様に口角を上げながら開く。


解放してあげた口へと指を指し込み無理矢理開く。そして中を覗き見れば確かに天真の欲は、見事に姿を消していた。




「美味しかった?」

「....ぅん。」


それが強要したものだと丸分かりだが、嘘でも夏芽が言えば勘違いをしてしまう。


次は夏芽を気持ちよくしてあげよう。そんな気分に至った。


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