ヒーローは爆発だ2020

ウルトラマンのルーツ

『ガリヴァー旅行記』は1726年の風刺小説である。作者はアイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフト。平賀源内はこの２年後に生まれ、僕の家にも享保時代の墓がある。その物語は当時、農家であったろうご先祖の子孫である僕に海を超え時を超えて大きな影響を及ぼしたと思われる。その墓が見える家の近くの集落への道を少年の僕は歩いていた。太陽光線をたくさん浴びればウルトラマンになれるという本の記述を信じて。そもそも巨人のヒーローという発想はどこから来たのか。『ビッグX』（ビッグエックス）は、1963年11月から1966年2月まで集英社『少年ブック』に連載されていた手塚治虫の漫画作品だが、ウルトラマンが放送されたのが1966年。ビッグＸとは液体状の薬品で、注射針を内蔵した特殊なシャープペンシルに仕込んである。そして主人公の朝雲昭はその分量を目盛りに合わせて変えながら注射することで巨大化できる。手塚治虫はガリヴァー旅行記からビッグＸの着想を得て、さらに円谷英二たちウルトラマンの作り手はビッグＸからウルトラマンを思いついたように感じている。