上 下
26 / 26

エピローグ

しおりを挟む
 みんなで1つのトイレを分け合った翌日、華水黄杏女学園のあるクラスの教室で、生徒たちは口々に前日のことを話していた。

「菜奈絵ちゃん、昨日はありがとう。先生にトイレ行きたいって言ってくれて……」

 美奈がそう言うと、菜奈絵は、

「ぜんぜん感謝されることじゃないよ~! あたしはどうしてもおしっこしたかったから先生に言っただけだし!」

と答えた。

「菜奈絵ちゃん、あの後学校に着いてからもまたおトイレ急いで行ってたもんね」

「……実は私も、バスに戻った後またおしっこしたくなっちゃって。おしっこいっぱいした後って、不思議とすぐにまたいっぱい出そうになっちゃうよね」

「それ私もそうだったよ!」

 美優の話に、梨沙とはるかも同意する。

「あの、梨々花さん、昨日は本当にありがとうございました!」

「福井さん、そんな何回も感謝しなくても大丈夫だよ?」

「なになに~、梨々花ちゃん、栞ちゃんに何かしてあげたの~?」

「私も気になる♪ よければ教えて」

 2人の会話に彩葉が眠そうにまぶたを擦りながら、野乃華が少し前のめりに参加するそのすぐそばで、

「「あやちゃん、昨日は本当にごめんね」」

「もう、謝らなくていいよって、何回も言ってるでしょ? 2人ともおしっこ我慢限界だったんだし、私も結局お漏らししちゃわなかったんだから」

結菜と美宇があやに謝っていた。

「優希ちゃん、昨日は帰った後大丈夫だった?」

「ごめんね、私がもっと早く代わってあげてたら……」

 舞美と成美が優希に話しかけた。

「ううん、成美ちゃん、謝らないで。お母さんにスカート汚れちゃったって言ったら、すぐに洗濯してくれたから」

 優希が元気そうに振舞うその後ろで、

「柚月ちゃん、昨日は本当にありがとう!」

「ほら、澪ちゃんも柚月ちゃんに感謝しなきゃでしょ」

「ふふっ、そうですね。昨日は、本当にありがとうございました。隅野さん」

「そんな、堅苦しくなくていいよ~!?」

 明日香のフランクな感謝に対して澪の感謝が堅かったからか、柚月は少しびっくりしていた。

「澪ちゃん、ちょっと固すぎだよ~」

「す、すみません……」

 すぐさま沙織が澪に突っこんだ。

「真央ちゃん、あのね、実は……」

「美紀ちゃん、どうしたの?」

「……ううん、やっぱり何でも」

「美紀ちゃん、外でおしっこするのが気持ちよかったから、もう1回一緒にしようって言いたいの?」

「えっ⁉ なんでわかったの⁉」

「だって昨日あんなに気持ちよさそうだったじゃん!」

 真央にそう言われて美紀が赤面していると、早紀先生が教室に入ってきた。

「それじゃあ、朝のホームルームを始めるよ~!」

 いつも通り早紀先生の元気な声が教室に響き、騒がしかった教室が静かになってホームルームが始まった。

 そして、そんな教室の中で、杏は昨日のことを思い出しては妄想にふけるのであった。

 ~ Fin ~

===============

というわけでIFシリーズこと続編(?)にてお会いしましょう!
それではまた!(感想やリクエストもよろしく!)
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

処理中です...