校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命

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CASE3 榎本 彩葉の場合

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(さっきのトイレ休憩、ちゃんとトイレ行っておけばよかった……)

 いくら後悔しても、おしっこがしたいのが収まるわけもなく、むしろだんだんおしっこが出そうになる間隔が短くなってるのが分かって、私は眠いのに眠れない、変な感じになってしまっていた。

 トイレ休憩の時間、私はトイレが混んでるのを見て、その列に並ぶのをやめた。

(あんなに混んでるなら、学校まであと1時間くらいだし、寝ちゃった方がいいよね……)

 そうしてそのまま夢の中に一直線だった私は、しばらくしてお腹の下の方に違和感を覚えて目を覚ました。

(んぅ……、なんだかおしっこしたくなってきた……。えっと、時間は……)

 重いまぶたを上げて腕時計を確認すると、もう学校に着いていてもおかしくない時間だった。

(あれ……? まだ学校着いてないの……?)

 ゆっくりと体を起こしてカーテンを開けると、バスは渋滞の中にあった。

(うわぁ……、すごい渋滞してる……。学校着くの、いつになるのかな……?)

 そんなことを考えていると、近くの席の子が

「学校まではあと1時間くらいかかるみたいですね……」

と小さな声で話しているのが聞こえた。

(い、1時間……)

 その時、お腹の下の方、おしっこの溜まってるあたりが、きゅうぅぅって痛くなり始めた。

(うぅ……、おしっこ結構ピンチかも……)

 私のおしっこ我慢があと1時間ももたないことは、眠気でぼーっとしていた私の頭でも容易に想像できた。

(誰も見てないし……、恥ずかしいけど、こっちのほうが我慢しやすいから……)

 私は万が一おしっこが出ちゃいそうになってもいいように、両手でハンカチをおしっこの出口のあたりに押し当てた。

(……眠い……けど、寝たらそのままおしっこ我慢できなくなっちゃいそう……)

 なんだか変な感じになりながら、私はおしっこを我慢し続けた。

 やがてバスは渋滞を抜けて、先生がトイレ休憩を取ってくれた。バスが止まって扉が開くと、私は前の方に座っていた子がトイレに駆け出していくのに続いて、急いでトイレに向かった。

(……すごい音してる……。気持ちよさそう……。私も、早くおしっこしたい……)

 お腹の下の方の痛みが段々と強くなってきて、私のおしっこ我慢の限界が近いことがはっきりとわかる。

 水の流れる音がして、目の前の扉が開いた。私はおしっこの出口を両手で押さえながらトイレに入ると、できるだけ膀胱を刺激しないようにゆっくり鍵をかけて、スカートを持ち上げてパンツを下ろした。

 ぷしゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!

 和式トイレにしゃがむと、勢いよくおしっこが出始めた。

「ふあぁぁぁぁぁ……気持ちいいぃぃ……」

 あまりの気持ちよさにだらしない声が出ていることに気付かないまま、私は放心状態でおしっこを出し続けた。

 おしっこを全部出し終わって、身体が小さく震えたことで、私は正気に戻った。慌ててトイレの水を流して、私はトイレを出た。

「彩葉ちゃん、大丈夫だった?」

 バスに戻る途中で先生が話しかけてきた。私が小さくうなずくと、

「それならよかった。彩葉ちゃん、バスの中で寝てていいからね」

と先生が言ってくれた。

 バスに戻った後、私はすぐに眠りに落ちた。限界まで我慢したおしっこを気持ちよく出したおかげか、いつもよりよく眠れたような気がした。
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