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入学式の日① ~中等部1年 上原明日香の場合~(一人称視点)
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今日は中等部の入学式。私の通ってる学校は中等部からの編入はほとんどないから、知らない子ばっかりのクラスになっちゃうかもしれないみたいな不安はないけど……
──おしっこ、我慢できるかな……
私は昔からトイレが近くて、小学部の頃も時々おしっこを漏らしちゃうことがあった。クラスには他にも時々お漏らししちゃう子はいたけれど、中学生にもなってお漏らししちゃうということを考えると、私はとても不安になっていた。
真新しい制服に身を包んで、きちんとトイレを済ませてからお母さんに学校まで送ってもらった。
「明日香ちゃん、おはよう!」
新しい教室に入ると、初等部の頃からの友達の春奈ちゃんが元気よく挨拶してきた。
「おはよう、春奈ちゃん」
私が挨拶を返すと、春奈ちゃんは私の隣の席に座った。
しばらくして教室に新しい担任の先生が入ってきて、少し話をしたあと、
「それじゃあ、もうすぐ入場だから、トイレを済ませて並んでください」
と言った。
「明日香ちゃん、一緒におトイレ行こう!」
春奈ちゃんが私をトイレに誘ってくれて、私は春奈ちゃんと一緒にトイレに向かった。
* * *
「うわぁ……トイレ混んでるね……」
想定外のトイレの込み具合に、私は思わずそう零した。
「明日香ちゃん、2年生のおトイレも使っていいみたいだから、そっちに行かない?」
春奈ちゃんがそう提案してくれたけれど、他の子たちは誰も列を離れて2年生のフロアに向かおうとはしていなかった。けれど、最後に家でおしっこをしてから1時間くらい経ってすでにおしっこしたいと感じるくらいにはおしっこが溜まっている私の膀胱は、私に2年生のトイレに行く決断をさせた。
「そうだね。そっちに行こうか」
そう言って誰もいない2年生のフロアのトイレに私は春奈ちゃんと一緒に向かった。
トイレに着いて、まだ新しい制服のスカートとお気に入りのピンク色のパンツを下ろすと、たくさんのおしっこがトイレの中に流れ込んでいった。
「明日香ちゃん、間に合った?」
ドアの向こう側から春奈ちゃんの声が聞こえる。きっと私がおしっこを我慢してたのに気付いてここのトイレに連れてきてくれたのだろう。
私の学校は中等部と高等部の入学式は始業式の前の日に1年生だけで行われる。だから2年生のトイレが空いてたわけだけれど、もしもそうじゃなかったらあの長い列に並んでいたと思うと恐ろしい。もしかしたらパンツに少し漏らしちゃってたかもしれない……
私は春奈ちゃんに心の中で感謝しながら、教室の前でクラスメイトたちが並んでいた列に入った。
* * *
──どうしよう、おしっこしたくなってきちゃった……。
1時間くらいだから直前にトイレに行っておけば大丈夫だと思っていたけれど、入学式が始まって30分も経たないうちに私の身体はおしっこの危険信号を出してしまっていた。
椅子に座ったまま私は両手で股を軽く押さえて、少し内股になっておしっこを我慢していた。
「明日香ちゃん、大丈夫?」
隣で春奈ちゃんが心配そうに私に小声で聞いてきた。春奈ちゃんも少しトイレに行きたくなっているのか、片手で押さえるような仕草をしていたけど、それよりも私の尿意はきっと強いに違いない。
「おしっこ、したくなっちゃった……」
私が小声で返すと、春奈ちゃんは、
「私も、ちょっとおトイレ行きたい……。終わったら、一緒におトイレ行こう?」
と言ってくれた。なんだかほんの少しおしっこが引いた感じがして、私は頑張って我慢しようと心に決めた。
しかし、やっぱりおしっこはだんだん私の膀胱を満たしていって、あと20分くらいというときには私はすっかり「おしっこしたい」から「おしっこ漏れちゃいそう」に変わってしまっていた。
──うう……早くおしっこ、おしっこしたいよぉ……っ……。
──ガタン。
遠くのほうで音がして、視界の端で1人の女の子が動くのが見えた。その女の子は、くの字に体を曲げて両手で股のあたりを押さえながら小走りで先生の方に向かうと、何かを先生に話して、そのまま苦しそうにもじもじしながら体育館から出ていった。
──私も先生に言っておしっこさせてもらおうかな……でも……あの子みたいに端の席じゃないし……目立っちゃうよね……うぅ……おしっこぉ……漏れちゃうよぉ……。
じゅわ……じゅわわわっ
ぴくんと体が震えて、おしっこの出口を押さえる手がじわっと温かく濡れた。
ちびっちゃった。と言うには多すぎるくらいのおしっこが出てきちゃって、私は少しパニックになる。慌てて両手でおしっこの出口を強く押さえるけれど、もうおしっこはすぐそこまで来てしまっていた。
──おしっこ……もう、我慢できない……。早く……おしっこ……したいよぉ……。
吹奏楽部の人たちが校歌を演奏しているのも耳に入ってこないくらい、私はおしっこしたいということで頭がいっぱいになっていた。私の体はじわじわとおしっこをちびり続けていて、もうトイレまで我慢できるかも分からなくなってしまっていた。
いつの間にか吹奏楽部の演奏は終わっていて、
「新入生、起立」
と先生の声が聞こえた。
立たなきゃ。そう思って立ち上がろうとしたその時、今までで一番強いおしっこの波が私を襲った。
──あっあっ、駄目っ、おしっこ出ちゃ駄目ぇっ……。
心の中でそう思った頃には、もうわたしのおしっこの出口は言うことを聞かなくなっちゃってて、しゅいいっと大きな音を立てながらおしっこが噴き出してしまった。
ほどなくしてびちゃびちゃと床におしっこが落ちる大きな音が響いて、私の方に周りの子たちの視線が向いた。恥ずかしさのあまり、私はその場で泣いちゃって、担任の先生に声をかけられて、保健室に連れて行ってもらった。
* * *
「あら、明日香ちゃん」
保健室に入ると、優しい保健室の先生の声が聞こえた。
「えっと……その……」
「大丈夫よ。昨日の初等部の入学式でも6年生の子がお漏らししちゃってたし、毎年中等部でもお漏らししちゃう子は結構いるんだから」
そう言って先生が優しく私の頭をなでてくれた。
私がカーテンの裏で着替えていると、何人かの女の子が泣きながら保健室に入ってくる声が聞こえた。
──あの子たちも私と同じようにお漏らししちゃったのかな……。
そんなことを考えていると、なんだか少し心が楽になった気がした。
──おしっこ、我慢できるかな……
私は昔からトイレが近くて、小学部の頃も時々おしっこを漏らしちゃうことがあった。クラスには他にも時々お漏らししちゃう子はいたけれど、中学生にもなってお漏らししちゃうということを考えると、私はとても不安になっていた。
真新しい制服に身を包んで、きちんとトイレを済ませてからお母さんに学校まで送ってもらった。
「明日香ちゃん、おはよう!」
新しい教室に入ると、初等部の頃からの友達の春奈ちゃんが元気よく挨拶してきた。
「おはよう、春奈ちゃん」
私が挨拶を返すと、春奈ちゃんは私の隣の席に座った。
しばらくして教室に新しい担任の先生が入ってきて、少し話をしたあと、
「それじゃあ、もうすぐ入場だから、トイレを済ませて並んでください」
と言った。
「明日香ちゃん、一緒におトイレ行こう!」
春奈ちゃんが私をトイレに誘ってくれて、私は春奈ちゃんと一緒にトイレに向かった。
* * *
「うわぁ……トイレ混んでるね……」
想定外のトイレの込み具合に、私は思わずそう零した。
「明日香ちゃん、2年生のおトイレも使っていいみたいだから、そっちに行かない?」
春奈ちゃんがそう提案してくれたけれど、他の子たちは誰も列を離れて2年生のフロアに向かおうとはしていなかった。けれど、最後に家でおしっこをしてから1時間くらい経ってすでにおしっこしたいと感じるくらいにはおしっこが溜まっている私の膀胱は、私に2年生のトイレに行く決断をさせた。
「そうだね。そっちに行こうか」
そう言って誰もいない2年生のフロアのトイレに私は春奈ちゃんと一緒に向かった。
トイレに着いて、まだ新しい制服のスカートとお気に入りのピンク色のパンツを下ろすと、たくさんのおしっこがトイレの中に流れ込んでいった。
「明日香ちゃん、間に合った?」
ドアの向こう側から春奈ちゃんの声が聞こえる。きっと私がおしっこを我慢してたのに気付いてここのトイレに連れてきてくれたのだろう。
私の学校は中等部と高等部の入学式は始業式の前の日に1年生だけで行われる。だから2年生のトイレが空いてたわけだけれど、もしもそうじゃなかったらあの長い列に並んでいたと思うと恐ろしい。もしかしたらパンツに少し漏らしちゃってたかもしれない……
私は春奈ちゃんに心の中で感謝しながら、教室の前でクラスメイトたちが並んでいた列に入った。
* * *
──どうしよう、おしっこしたくなってきちゃった……。
1時間くらいだから直前にトイレに行っておけば大丈夫だと思っていたけれど、入学式が始まって30分も経たないうちに私の身体はおしっこの危険信号を出してしまっていた。
椅子に座ったまま私は両手で股を軽く押さえて、少し内股になっておしっこを我慢していた。
「明日香ちゃん、大丈夫?」
隣で春奈ちゃんが心配そうに私に小声で聞いてきた。春奈ちゃんも少しトイレに行きたくなっているのか、片手で押さえるような仕草をしていたけど、それよりも私の尿意はきっと強いに違いない。
「おしっこ、したくなっちゃった……」
私が小声で返すと、春奈ちゃんは、
「私も、ちょっとおトイレ行きたい……。終わったら、一緒におトイレ行こう?」
と言ってくれた。なんだかほんの少しおしっこが引いた感じがして、私は頑張って我慢しようと心に決めた。
しかし、やっぱりおしっこはだんだん私の膀胱を満たしていって、あと20分くらいというときには私はすっかり「おしっこしたい」から「おしっこ漏れちゃいそう」に変わってしまっていた。
──うう……早くおしっこ、おしっこしたいよぉ……っ……。
──ガタン。
遠くのほうで音がして、視界の端で1人の女の子が動くのが見えた。その女の子は、くの字に体を曲げて両手で股のあたりを押さえながら小走りで先生の方に向かうと、何かを先生に話して、そのまま苦しそうにもじもじしながら体育館から出ていった。
──私も先生に言っておしっこさせてもらおうかな……でも……あの子みたいに端の席じゃないし……目立っちゃうよね……うぅ……おしっこぉ……漏れちゃうよぉ……。
じゅわ……じゅわわわっ
ぴくんと体が震えて、おしっこの出口を押さえる手がじわっと温かく濡れた。
ちびっちゃった。と言うには多すぎるくらいのおしっこが出てきちゃって、私は少しパニックになる。慌てて両手でおしっこの出口を強く押さえるけれど、もうおしっこはすぐそこまで来てしまっていた。
──おしっこ……もう、我慢できない……。早く……おしっこ……したいよぉ……。
吹奏楽部の人たちが校歌を演奏しているのも耳に入ってこないくらい、私はおしっこしたいということで頭がいっぱいになっていた。私の体はじわじわとおしっこをちびり続けていて、もうトイレまで我慢できるかも分からなくなってしまっていた。
いつの間にか吹奏楽部の演奏は終わっていて、
「新入生、起立」
と先生の声が聞こえた。
立たなきゃ。そう思って立ち上がろうとしたその時、今までで一番強いおしっこの波が私を襲った。
──あっあっ、駄目っ、おしっこ出ちゃ駄目ぇっ……。
心の中でそう思った頃には、もうわたしのおしっこの出口は言うことを聞かなくなっちゃってて、しゅいいっと大きな音を立てながらおしっこが噴き出してしまった。
ほどなくしてびちゃびちゃと床におしっこが落ちる大きな音が響いて、私の方に周りの子たちの視線が向いた。恥ずかしさのあまり、私はその場で泣いちゃって、担任の先生に声をかけられて、保健室に連れて行ってもらった。
* * *
「あら、明日香ちゃん」
保健室に入ると、優しい保健室の先生の声が聞こえた。
「えっと……その……」
「大丈夫よ。昨日の初等部の入学式でも6年生の子がお漏らししちゃってたし、毎年中等部でもお漏らししちゃう子は結構いるんだから」
そう言って先生が優しく私の頭をなでてくれた。
私がカーテンの裏で着替えていると、何人かの女の子が泣きながら保健室に入ってくる声が聞こえた。
──あの子たちも私と同じようにお漏らししちゃったのかな……。
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