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028・川端澪その2

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 梨沙のお漏らしに影響され、動揺してしまうクラスメイトたち。その中でも、クラス委員長として梨沙のことを気にかけていた澪は、他の生徒と比べてより激しく心を乱してしまっていた。

(い、井上さんが、お、おしっこを、も、漏らしてしまうなんて……)

 澪は責任感の強い、委員長に向いているような少女であるが、その反面、自分で背負いすぎてしまうという短所もあった。

(……私が、先生にお手洗いのための休憩を提案していたら……。井上さんがお手洗いに行きたそうにしていると、ちゃんと先生に伝えておくことができたら、井上さんはこんなことにならなかったのかもしれないのに……。私のせいだ……、私のせいで、井上さんは今こうして、みんなが乗ってるバスの中で、お漏らししちゃったんだ……)

 斜め前の席で、おしっこを漏らしてしまっている梨沙の姿が澪の目に映る。それと同時に、その姿に誘引され、澪の膀胱が悲鳴を上げる。

(ん、うぅぅっ……、わ、私も、お手洗い、そろそろ、限界……)

 澪の大事な部分に、澪自身が溜め込み、押さえ込んでいる黄色い濁流が内側からぶつかる。

「澪ちゃん、大丈夫?」

 澪の隣から、沙織が心配そうに話しかける。

「……だ、大丈夫……」

 なんとか絞り出すような声で澪が言う。実際はまったく大丈夫ではなく、今にも澪の小さなダムは決壊してしまいそうだ。

 もちろん、沙織も澪が限界を迎えていることを察している。しかし、すでに梨沙のお漏らしで動揺を隠せない澪をこれ以上刺激してしまってはいけないということを、澪の1番の友人である沙織は理解していた。

(……っ、梨沙さんのこと、今からでも、先生に言わなきゃ……っ……)

 梨沙のお漏らしの音が小さくなり、澪はゆっくりと、自身の膀胱を刺激しないように立ち上がると、バスの前方、担任の早紀のところへと、「クラス委員長」として、歩き始めた。

「……先生、井上さんが、お漏らし、しちゃいました……」

 クラス委員長として、クラスメイトの失敗を、先生に伝える。その間も、澪の膀胱の中では、黄色い濁流が梨沙と同じように澪自身の小さな水門を決壊させて外に出ようと激しくぶつかり続けた。

(井上さん……、スカートも靴下も、びしょびしょになってる……)

 早紀に手を引かれバスの前方に歩いていく梨沙の姿を見ながら、澪は自分の姿をそこに重ねてしまう。

(……っ! だ、だめだめだめっ! 委員長なのに、クラスのみんなの前でお漏らしなんて、そんなの、絶対に……っ!)

 澪の小さなダムに、大きな衝撃が走る。自分の席に戻る途中だった澪は、思わずその場でしゃがみ、かかとで大事な部分を押さえてしまった。

(やだやだやだっ、私、みんなの前で、かかとで押さえちゃってるっ……)

 幸い、梨沙のお漏らしに心を惑わされていたクラスメイトたちは澪の姿を見て何かを話すことはなかったが、おしっこ我慢の究極形とも言える体勢をクラスメイトの前で取ってしまったという事実が、澪の心をさらに惑わせてしまった。

(お、お手洗い……っ。早くっ、はやく、お手洗いに行きたいっ……。もう、漏れちゃうぅっ……)

 澪の心の中は、すでにクラス委員長としてのプライドよりも、少女としての排泄欲求に支配されてしまっていた。
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