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015・榎本彩葉その1
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延々と続く渋滞と高まり続ける尿意に段々とバスの中の生徒たちが焦りを覚える状況は、天然でマイペースな生徒であっても同じであった。
(う……結構おしっこしたい……さっきのトイレ休憩、ちゃんとトイレ行っておけばよかった……)
榎本彩葉、普段から眠そうにしているマイペースな彼女も、今ではすっかり尿意に体を支配されてしまっていた。
彩葉は菜奈絵やあやなどと同じくトイレ休憩をスルーした生徒のうちの1人であるが、その理由も実に彼女らしいものであった。
時はトイレ休憩のサービスエリアにバスが到着した頃に遡る。のんびりした性格の彼女は、他の生徒がトイレに行くためにバスを降りたその後で自分もバスを降りようと考えていた。しかし、
(うへぇ……トイレすごい混んでる……)
彼女がバスの窓越しに見たのは、女性用トイレの長い行列であった。
(あんなに混んでるなら、学校まであと1時間くらいだし、寝ちゃった方がいいよね……)
マイペースな彩葉は、寝ていれば尿意を我慢できると思い、トイレに行かないまま夢の中へと落ちていった。
そして、それから約1時間後。
(んぅ……、なんだかおしっこしたくなってきた……。えっと、時間は……)
下腹部に違和感を覚え目を覚ました彩葉の目に飛び込んできたのは、窓の外に広がる赤いテールランプの列だった。
(うわぁ……、すごい渋滞してる……。これじゃあ、学校着くの、いつになるのかな……?)
彩葉が不安な気持ちを抱く中、その不安をさらに掻き立てる言葉が彩葉の耳に届いた。
「この渋滞だと、しばらく動きそうにありませんね……」
近くの席の生徒が小さな声で呟いたその一言が、彩葉の尿意の引き金を引いてしまった。
(うそ……しばらく動けないの……?)
いつ開放されるか分からない不安を感じた彩葉の身体は、一気に彩葉に尿意を意識させた。
(うぅ……、おしっこ結構ピンチかも……)
寝起きでぼーっとしていた彩葉の頭でも、自分が置かれてしまった状況と最悪の結末は容易に想像することができた。
(……とりあえず、おしっこ我慢しなきゃ……)
彩葉は尿意に抗う決意をすると、小さなハンカチを鞄から取り出した。
(誰も見てないし……、恥ずかしいけど、こうしてたほうが我慢しやすいし、もし出ちゃいそうになっても止めれるから……)
ハンカチを持った手を、彩葉は柔らかい太ももで挟み込む。そして、彼女の大事な部分に、ハンカチを押し当てた。
(……やっぱり眠い……けど、寝ちゃったらそのままおしっこ我慢できずにおねしょしちゃうかも……)
自らの判断でより恥ずかしい失敗をしてしまいたくないという思いが、彩葉の睡魔と戦い始めた。
そして、彩葉自身のハンカチの援助を受けた小さなダムと黄色い濁流の戦いも、とうとう始まってしまったのだった。
(う……結構おしっこしたい……さっきのトイレ休憩、ちゃんとトイレ行っておけばよかった……)
榎本彩葉、普段から眠そうにしているマイペースな彼女も、今ではすっかり尿意に体を支配されてしまっていた。
彩葉は菜奈絵やあやなどと同じくトイレ休憩をスルーした生徒のうちの1人であるが、その理由も実に彼女らしいものであった。
時はトイレ休憩のサービスエリアにバスが到着した頃に遡る。のんびりした性格の彼女は、他の生徒がトイレに行くためにバスを降りたその後で自分もバスを降りようと考えていた。しかし、
(うへぇ……トイレすごい混んでる……)
彼女がバスの窓越しに見たのは、女性用トイレの長い行列であった。
(あんなに混んでるなら、学校まであと1時間くらいだし、寝ちゃった方がいいよね……)
マイペースな彩葉は、寝ていれば尿意を我慢できると思い、トイレに行かないまま夢の中へと落ちていった。
そして、それから約1時間後。
(んぅ……、なんだかおしっこしたくなってきた……。えっと、時間は……)
下腹部に違和感を覚え目を覚ました彩葉の目に飛び込んできたのは、窓の外に広がる赤いテールランプの列だった。
(うわぁ……、すごい渋滞してる……。これじゃあ、学校着くの、いつになるのかな……?)
彩葉が不安な気持ちを抱く中、その不安をさらに掻き立てる言葉が彩葉の耳に届いた。
「この渋滞だと、しばらく動きそうにありませんね……」
近くの席の生徒が小さな声で呟いたその一言が、彩葉の尿意の引き金を引いてしまった。
(うそ……しばらく動けないの……?)
いつ開放されるか分からない不安を感じた彩葉の身体は、一気に彩葉に尿意を意識させた。
(うぅ……、おしっこ結構ピンチかも……)
寝起きでぼーっとしていた彩葉の頭でも、自分が置かれてしまった状況と最悪の結末は容易に想像することができた。
(……とりあえず、おしっこ我慢しなきゃ……)
彩葉は尿意に抗う決意をすると、小さなハンカチを鞄から取り出した。
(誰も見てないし……、恥ずかしいけど、こうしてたほうが我慢しやすいし、もし出ちゃいそうになっても止めれるから……)
ハンカチを持った手を、彩葉は柔らかい太ももで挟み込む。そして、彼女の大事な部分に、ハンカチを押し当てた。
(……やっぱり眠い……けど、寝ちゃったらそのままおしっこ我慢できずにおねしょしちゃうかも……)
自らの判断でより恥ずかしい失敗をしてしまいたくないという思いが、彩葉の睡魔と戦い始めた。
そして、彩葉自身のハンカチの援助を受けた小さなダムと黄色い濁流の戦いも、とうとう始まってしまったのだった。
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