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012・奥田美奈その1
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渋滞で動かなくなったバスの中、尿意を感じてしまった現状に過去の同じような経験を反芻してしまているのは、梨沙だけではなかった。
(うぅ……このままじゃ、あの時みたいに、また……)
奥田美奈、バスの前方の座席に座る彼女もまた、過去の経験から他の生徒よりもいっそう強い不安を感じていた。
(今日は大丈夫って思ってたのに……)
脚の間に片手を差し込み、大事な部分を押さえる。その手に伝わる感触は、他の生徒とは異なる、もこもことしたものだった。
(おむつは穿いてきたけど……高校生にもなって、おむつにしちゃうなんてやだよぉ……)
美奈は、おむつを穿いて来ていた。その理由は単純なもので、穿いていないと余計に不安になってしまうからである。
遡ること2年ほど前、美奈は中学2年生の時に、校外学習の帰りのバスで1度お漏らししてしまったことがあるのだ。
その日は今日のようにバスが渋滞につかまってしまったわけではないが、1時間ほどのバス移動の中で、早い段階で尿意を催してしまった美奈は、学校まで我慢することができずにバスの中でお漏らししてしまった。
それ以来、美奈は車やバスで遠出するときは前述のお漏らしの不安を拭うため、おむつを穿くようになった。
(修学旅行の時は、みんなにおむつバレないか心配だったな……)
そんなこともあり、美奈は今日もおむつを穿いて来ていたのだ。
(みんなはちゃんと普通のパンツ穿いてると思うけど……私だけ、おむつなんて……)
自分のダムの決壊が近づくにつれて、美奈の心には同じようにおしっこを我慢しているであろうクラスメイトに対する申し訳なさが芽生え始める。思春期の少女にとって、自分だけお漏らしを回避できる手段があるというのは、みんながお漏らししてしまっても自分だけ傷付かずに済んでしまうということであり、それは本人からすればクラスメイト達を裏切る行為であると感じてしまうものだった。
(ちゃんと、おトイレまで、我慢、しなきゃ……)
大事な部分を押さえる手により力を込めて、美奈は小さなダムの決壊を防ごうとする。
しかし、美奈はそれが悪手であることを知らなかった。
美奈は元々トイレは近くないどころか膀胱の容量は同年代の女子に比べても比較的大きい方であった。頻尿になってしまったのも精神的な要因によるものであり、限界まで我慢すればおしっこの量はきちんと美奈自身の膀胱の容量一杯まで溜まる。
そして、その量は美奈の穿いているおむつの容量を軽く超えてしまうものだった。
(ちゃんと我慢しなきゃ……っ)
じわじわと迫る黄色い濁流に彼女が耐えなければならない理由は、実は他の生徒たちと大して変わらない理由なのであった。
(うぅ……このままじゃ、あの時みたいに、また……)
奥田美奈、バスの前方の座席に座る彼女もまた、過去の経験から他の生徒よりもいっそう強い不安を感じていた。
(今日は大丈夫って思ってたのに……)
脚の間に片手を差し込み、大事な部分を押さえる。その手に伝わる感触は、他の生徒とは異なる、もこもことしたものだった。
(おむつは穿いてきたけど……高校生にもなって、おむつにしちゃうなんてやだよぉ……)
美奈は、おむつを穿いて来ていた。その理由は単純なもので、穿いていないと余計に不安になってしまうからである。
遡ること2年ほど前、美奈は中学2年生の時に、校外学習の帰りのバスで1度お漏らししてしまったことがあるのだ。
その日は今日のようにバスが渋滞につかまってしまったわけではないが、1時間ほどのバス移動の中で、早い段階で尿意を催してしまった美奈は、学校まで我慢することができずにバスの中でお漏らししてしまった。
それ以来、美奈は車やバスで遠出するときは前述のお漏らしの不安を拭うため、おむつを穿くようになった。
(修学旅行の時は、みんなにおむつバレないか心配だったな……)
そんなこともあり、美奈は今日もおむつを穿いて来ていたのだ。
(みんなはちゃんと普通のパンツ穿いてると思うけど……私だけ、おむつなんて……)
自分のダムの決壊が近づくにつれて、美奈の心には同じようにおしっこを我慢しているであろうクラスメイトに対する申し訳なさが芽生え始める。思春期の少女にとって、自分だけお漏らしを回避できる手段があるというのは、みんながお漏らししてしまっても自分だけ傷付かずに済んでしまうということであり、それは本人からすればクラスメイト達を裏切る行為であると感じてしまうものだった。
(ちゃんと、おトイレまで、我慢、しなきゃ……)
大事な部分を押さえる手により力を込めて、美奈は小さなダムの決壊を防ごうとする。
しかし、美奈はそれが悪手であることを知らなかった。
美奈は元々トイレは近くないどころか膀胱の容量は同年代の女子に比べても比較的大きい方であった。頻尿になってしまったのも精神的な要因によるものであり、限界まで我慢すればおしっこの量はきちんと美奈自身の膀胱の容量一杯まで溜まる。
そして、その量は美奈の穿いているおむつの容量を軽く超えてしまうものだった。
(ちゃんと我慢しなきゃ……っ)
じわじわと迫る黄色い濁流に彼女が耐えなければならない理由は、実は他の生徒たちと大して変わらない理由なのであった。
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